~フレキシブルオフィスの空間シェアリングで独自のビジネスモデルを展開~
【ポイント】
・社外取締役であるマーク・ディクソン氏(世界のリージャスグループ/IWGのCEO)の示唆を受けて、河野社長は2週間で「TKP職域ワクチンセンター」を立ち上げた。日本のワクチン接種が遅いのであれば、それを促進すべく、会場とオペレーションを提供しようと決断した。8月末までに1000社以上の企業、50万人の社員のワクチン接種をサポートする。
・会場の無償提供から始めて、TKP職域ワクチンセンターの1人当たりサポートは有償なので、企業からは一定の収入が入る。TKPの法人会員であることが前提で、新たなネットワークも構築される。今下期以降、ここから新規のビジネス機会が生まれてこよう。
・新型コロナの影響は、2022年2月期の上期も継続している。変動の大きい貸会議室から貸オフィスへ、スペースの転換や双方向利用を積極的に進めている。その効果が出てくるので、下期からは黒字基調が定着してこよう。来期は本格回復のスタートとなろう。
・貸オフィスは安定しているが、貸会議室は新型コロナの影響を受けて、ビジネスモデルの再構築を迫られた。そこで、1)リアルとDXによるハイブリッドな利用を進めると共に、2)時間貸しから期間貸しへのシフトし、相互利用を図っている。
・「Work X Office」という新ブランドで、サテライトオフィス事業を3月から開始した。全国の貸会議室を利用して、その転換を進めている。コロナ禍で期間貸しの比率は上がっており、順調である。稼働率の向上が収益性の改善に貢献しよう。
・今後は、1)他施設を好条件でM&Aし、リブランドによってシェアアップを図る、2)TKPのWork X Officeやリージャスの貸オフィスとの連携で、フレキシブルオフィス事業を一段と伸ばす、3)アパホテルのFCを成長の第3の柱とする、という展開が加速しよう。
・コロナショックの収束に向けて、十分な運転資金は確保している。1月に開始した新株予約権によるエクイティファイナンスでは、3ヵ年の権利行使期間で212億円の調達を想定している。20.8%の希薄化を招くが、それ以上の業績拡大は確実に実行できよう。中長期的に営業利益で100億円を目指すことが目標となろう。
目 次
1.特色 真似のできない空間再生で、シェアリングエコノミーを実践
2.強み フレキシブルオフィスの日本リージャスを買収、この分野でNo.1
3.中期経営方針 サテライトオフィスへの本格参入で、ビジネスモデルをさらに革新
4.当面の業績 コロナショックは十分克服できよう
5.企業評価 フレキシブルオフィスで圧倒的トップの基盤づくり
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年8月2日) |
1735円 |
時価総額 | 711億円 (41百万株) |
PBR | 1.86倍 |
ROE | 1.4% |
PER | 137.7倍 |
配当利回り | 0.0% |
総資産 | 107443百万円 |
純資産 | 37036百万円 |
自己資本比率 | 32.7% |
BPS | 935.3円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.2 | 10877 | 1060 | 1241 | 198 | 6.6 | 0 |
2015.2 | 14162 | 878 | 701 | 339 | 11.3 | 0 |
2016.2 | 17941 | 2004 | 1848 | 935 | 31.3 | 0 |
2017.2 | 21978 | 2694 | 2552 | 1352 | 45.2 | 0 |
2018.2 | 28689 | 3449 | 3200 | 2071 | 64.0 | 0 |
2019.2 | 35523 | 4289 | 4053 | 1893 | 58.1 | 0 |
2020.2 | 54343 | 6317 | 4752 | 1739 | 50.3 | 0 |
2021.2 | 43138 | -2497 | -2321 | -3503 | -93.2 | 0 |
2022.2(予) | 48000 | 700 | 100 | -1000 | -25.3 | 0 |
2023.2(予) | 54000 | 2600 | 2000 | 500 | 12.6 | 0 |
(2021.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期予想ベース。EPSは1月公表の第三者割当新株予約権によるファイナンスで最大20.8%の希薄化がありうる。2015.2期より連結決算、それまでは単独決算。2017年1月に1:100の株式分割、2017年9月に1:7の株式分割を実施。それ以前のEPSは修正ベース。2020.2期2Qより日本リージャスを含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/TKP202108.pdf
関連銘柄
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