先週、日経平均は週始め28036円にのせる場面もあるが、終値では▲498円の27283円でした
先週の予測では、米国市場が前々週の始めに大幅下落を予想よりも早く回復し、日本の2日休日を含めて4日続伸となり、史上最高値を更新し週末のシカゴ日経先物は△620円の28180円となっていました。そのため先週は、28000円で寄り付いて、その後28000円台での値固めができるかどうかに注目としました。
結果的には、米国株式は史上最高値圏でしっかりした動きとなっていましたが、日本株式は新型コロナ感染再拡大が予想よりも大きく、この問題は米株式よりも日本経済への懸念に投資家の不安が向かい、週始めこそ28000円をつける場面がありましたが、週後半は終値では下げ幅を切り下げる展開となり、週末の30日(金)は、▲498円の27283円と1月6日の年初来安値27055円以来の27283円で引けました。
7月26日(月)は、前週末のNYダウが終値での史上最高値35000ドルを初めて突破したこともあり、日経平均は△442円の27990円で寄り付き、△488円の28036円まで上昇しました。しかし、そこからは上値重く△285円の27833円で引けました。
27日(火)は、前日の米国株式は3指標そろって5日続伸で連日の史上最高値更新となったことで、△78円の27911円で寄り付き、一時、前日と同じ28036円まで上昇するものの、買いは続かず伸び悩み△136円の27970円とすんなりと28000円を超えられませんでした。
28日(水)になると、前日の米国株式が3指標そろって6日ぶりの反落となり、翌日にFOMCを控えていることで様子見強く、日本市場では国内での新型コロナの感染拡大が広がり、後場になると一時▲503円の27466円まで下落して終値は▲388円の27581円と大幅反落となりました。
29日(木)になると日経平均は27500円水準まで下がってきたことで押し目買いが入り、又、上海株式が5日ぶりに反発し、ハンセン指数も続伸したことで、日経平均も一時△216円の27798円まで買われ、終値は△200円の27782円でした。
週末の30日(金)は、前日の米国市場では、NYダウとS&P500が最高値を更新したにもかかわらず、日本市場は昨日、感染者がついに1万人超えたことが嫌気され、日経平均は一時▲509円の27272円まで下落し、終値では▲498円の27283円となりました。1月6日の年初来安値(27055円)以来の水準であり、又、昨年9月以来の11ヶ月連続の月末安で引けました。
30日(金)の米国市場は、3指標そろって反落。アマゾン株が4-6月期の売上高が過去3年間で初めて市場予想を下回ったことを嫌気して▲7.5%と大幅安となったことで全体が売られました。シカゴの日経先物は△100円の27450円でした。
今週は、8月中旬の高値期日に向けて売られてくる好業績銘柄を探そう
11ヶ月連続で月末の日経平均が前月比で値下がりしていることが示すように、指数が上値を切り下げる動きが続いています。企業の好決算を打ち消し、アメリカの史上最高値もサポートになっていない状況は、新型コロナによる日本経済の景気回復が遅れるとの見方が外国人投資家に広がっているといえます。日本の成長への期待が疑問視されている状況としては、27日にIMFが改定した世界経済見通しでは、米国をはじめとする先進国の成長率予想が軒並み引き上げられる中で、日本だけが0.5%引き下げられています。
今週の日経平均は、引き続き新型コロナの感染状況と上場企業の決算内容をにらむ展開が想定されます。27000円台で推移しそうですが、米国株が最高値圏から調整に入れば、つれ安して27000円を割る場面も想定しておく必要があります。
今週は、2021年4~6月期決算が本格化するため、前年同期からの業績回復状況に加え、市場予想を上回る見通しが示せるかに注目が集まります。但し、感染拡大が続けば株価の重しとなってきます。今週は米国株が安定していれば27500円をはさんだもみあいが想定されます。
需給からみると、8月中旬以降は好転することになります。2月の高値から6ヶ月にあたる高値期日が到来し、8月中旬にむけてセリングクライマックスからの需給改善が期待できます。日経平均の年初来高値2月16日、トピックスは3月19日ですので、日経平均は8月15日、トピックスは9月18日に信用期日が到来し、この日までに投売り(セリングクライマックス)が出て、その後は需給の面からは動きやすくなります。この時、好業績銘柄が大きく下がれば買いチャンスとなります。
本日2日(月)は、寄り付きは前週末に大幅下落した反動から買いが先行し、時間外取引でも米株価指数先物高も支えとなり、先物買いも加わり上げ幅を拡大し、また、上海株式や香港ハンセン指数が上昇したことも後押しとなって、後場には一時27834円まで上昇し、買い一巡後はやや上値が重くなりましたが、終値は△497円の27781円となりました。
(指標)日経平均
先週は、米株式の3指標そろって史上最高値更新を受け、前週末のシカゴ日経先物が△620円の28180円となっていたことで、28000円台での動きを想定しました。
しかし、新型コロナの感染拡大が予想以上のスピードとなったことで、日本経済への懸念が外国人投資家の間に生まれ、週始めこそ28000円をつける場面がありましたが、週半ばは27500~28000円の間のもみあいとなっていましたが、週末の30日(金)は、前日の感染者数の1万人超えを嫌気し、▲498円の27283円と今年の1月6日の27055円以来の安値で終りました。
企業決算が今週から来週にかけて予定されているものの、国内での感染拡大がスピード化しており、菅政権の求心力の低下も加わって先行き不透明感から安値圏でのもみあいとなりそうです。又、8月中旬にかけて日経平均が2月につけた年初来高値の信用期日が来るため、売り物が多く出てくることになります。そのため好決算でも大幅なサプライズがなければ売られ、高く買われてきたものは失速してしまいます。好決算で株価が上昇しても長続きしない可能性が高いので、一気に飛びつくのはやめた方がよいかもしれません。26900~27800円の間でのもみあいを想定。
(指標)NYダウ
先週は、史上最高値圏で3指標はマチマチの動きとなりました。週始めの7月26日(月)は、3指標そろって5日続伸し、連日の最高値更新となりましたが、27日(火)はアジア株の下落や翌日にFOMCを控えていることで、3指標は6日ぶりの反落となりました。28日(水)はFOMCを受けて、NYダウとS&P500は続落、ナスダックは反発とマチマチの動きでした。29日(木)は、パウエル議長のテーパリングは急がないとの発言を受け、NYダウとS&P500は最高値更新、ナスダックは小幅続伸しました、週末の30日(金)は、アマゾンの4-6月期売上高が過去3年間のうちで初めて市場予想に届かなかったことで大幅下落となり、つれて3指標とも売られました。
8月は季節的に相場は弱く、新型コロナの感染拡大を嫌気して売られる場面が出てくる可能性があります。但し、7月のFOMCで金融緩和を解消するには、長い道のりになるとの見解が出されており、大きく下げる場面があっても押し目買いのチャンスになる可能性があります。民主党のインフラ投資が超党派で前進しており、経済の回復期待を後押しすることになります。但し、ハイテク株の上昇ペースは短期的には減速となりそうな感じです。
(指標)ドル/円
●先週の動き…年内は緩和策は続くとの見方でドルは弱含み
先週は、FOMC後のFRBのパウエル議長が「労働市場の回復は程遠い」との見通しを示したことで量的緩和縮小の開始時期は来年以降になるとの見方が広がりました。そのためリスク選好的なドル買い・円売りが縮小しドルは弱含みました。
●今週の見通し…ドルは下げ渋りへ
先週は、FRBのパウエル議長の記者会見で金融緩和を縮小する状況へ達するには時間を要するとしたことで、年内は量的緩和縮小はないとの見方になっています。しかし、将来的に量的緩和は縮小される可能性は高く、その後に金利引き上げが予想されるので、リスク回避的なドル売りが強まる状況ではなくドルは下げ渋ることになります。
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