上値メドの窓上限を突破 先高感が強まる
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 94.42 ドル安の 34299.33、ナスダック総合指数は 101.29 ポイント安の 14072.86 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29315 円付近での推移。したがって本日の日経平均は軟調スタートを想定。いったん下値を試すと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、窓を空けて上昇。上値メドとなっていた窓上限も突破しており、先高観が強まっている。想定以上の強い動きとなっており、市場には楽観論が広がっている。
ただ、株価と窓の位置関係が逆転したことで、下落しやすいのも事実。下方には窓が空いており、短期的にはこれを埋めるリスクがある。本日は軟調スタートが予想されることから、この窓が下値支持帯として機能するかどうかが焦点となりそうだ。
もちろん注目ポイントとなっているのは、今晩の米 FOMC の結果発表だ。ここでテーパリング(緩和縮小)の議論がなされるのか――ドット・チャート(各委員の利上げ予想グラフ)がどうなるのか――その辺を見極めることになりそうだ。
ただ、こういったイベントではマーケットではすでに分かっている話。「想定内の話」であり、実はマーケットにそれほど大きな影響はない。重要なのは、このイベントが投資家に警戒されているという事実。利上げや緩和縮小を警戒しているのではなく、「このイベントそのもの」を警戒しているのだ――これがマーケットの真実である。
なので、投資家の注目度が高いイベントほど、その結果如何にかかわらず、その後の株価が上昇するケースが多い。証券分析的に言えば、リスク低下による割引率が下がり、結果的に株価が上昇するということになる。計算上の分母が小さくなり、計算結果である株価が高くなるというロジックだ。だから、投資家は足元で株価が軟調に推移することを許容することになる。日経平均のチャートでいえば下方の窓埋めを許容し、その後の上昇に備えることになる。すなわち本日の下落は、「押し目買い局面」ということだ。
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