上方の窓が抵抗帯 売り圧力は強く、下値を試す可能性大
本日の日経平均は 324.36 円高の 28729.88 円で取引を終了した。朝方から堅調スタートとなり、上値を試す展開。自律反発狙いの買いが入り、買い戻しの動きが優勢となった。東証業種別騰落率では、海運、非鉄金属、鉱業などの景気敏感株が上昇。相場の牽引役となった。その一方でソフトバンク G(9984)が 7 日続落となるなど、上値の重しとなっている。全体相場は「アヤ戻し」の域を出ていないのが現状だ。
日経平均の日足チャートでは、上方の窓に届かない形。この窓が有効な抵抗帯として機能しており、売り圧力の強さを感じさせる。目先は改めて下値を試す可能性が高く、投資家は引き続き警戒する必要があるだろう。
「窓・壁・軸理論」では、下方の壁を通過中。すでにこの壁が消滅している可能性が高く、投資家は軸の傾き(もちろん下向き)を感じざるを得ない。「売りポジション」を維持しながら、将来的な下落に備える局面。当然、ここは「戻り売り」ということになる。
市場が気にしているのが、米長期金利の動向、コロナ感染状況、それと年度末特有の需給ということになる。昨日、日銀は ETF を 701 億円買ったものの、こういった買い支えには懐疑的な見方が出ている。来月からは「日経平均型」を買うことがなく、TOPIX 型に終始する流れ。ファストリやソフバン G などが「見捨てられる」可能性があり、投資家は疑心暗鬼にならざるを得ない。日銀は本当に株価を買い支えるつもりはあるのだろうか。「米 FRB と一緒に出口を模索しているのではないか?」と疑っているのだ。足元の株価下落は、金融引き締めが起こらないように市場が「催促」している部分がある。ワクチンの遅れ、ルネサス工場の悪影響を感じながら、投資家は「底値の深度」を測る局面となる。
<マーケット・ストーリー>
「これはデッド・モンスター・バウンスだ・・・」と誰かがつぶやく。「どういうこと?」――「それは死んだ怪獣でも、高いところから落とせば弾むという意味さ」――なんて表現をするんだ・・・。
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