先週は、FOMCの結果を受け、一時、終値で3万円台回復したが、週末は米金利高で大幅反落
先週の予測では、FOMC(16~17日)、その後、日銀金融政策決定会合(18~19日)という日米金融イベントがあり、これらを通過するまでは、大きな動きは期待できず、そのため上昇は週後半に期待されることになるとし、特にFOMCの内容次第では週後半に力強い動きが想定されるとしました。
結果的には、週後半は堅調な米株式の動きを受けて、日経平均も様子見とはならず堅調な動きとなり、一時、3万円を回復する場面もありました。その後、FOMCの前に17日(水)は一服するものの、FOMCの結果を受けて18日(木)は大幅反発し、3週間ぶりに終値で3万円台回復となりました。しかし、週末は前日の米長期金利の上昇で米株安を受け▲424円の29792円で引けました。
3月15日(月)は、先週末のNYダウの5日連続の最高値更新を受け、日経平均は12日(金)の△506円の29717円の大幅上昇後の反落もなく、△49円の29766円と5日続伸となりました。
16日(火)は、前日の米株式の堅調な動きを受け、日経平均は一時△259円の30026円と3万円台を回復しましたが、その後は伸び悩み△154円の29921円と6日続伸しました。
17日(水)は、FOMCを前に様子見となり、▲95円の29825円まで下げるものの、△63円の29984円まで反発し、後場に再度マイナス圏入りし、終値は▲6円の29914円と7日ぶりに小反落となりました。この日の米国市場でのFOMCの結果は、2023年末まで利上げがないことが示され、パウエル議長も緩和的金融政策を変更する場合は、インフレ率が2%を十分に上回る場合としたことで株価は上昇し、NYダウは△189ドルの33015ドルと初めて33000ドルを突破しました。
これを受けて18日(木)の日経平均は、一時△570円の30485円まで上昇し、終値は△302円の30216円となりました。トピックスも△24Pの2008Pと終値で2000Pを回復し、1991年5月2日以来の高値となりました。
週末の19日(金)は、前日の米国市場で長期金利の上昇で、NYダウは▲153ドル、ナスダックは▲409Pの大幅安を受け、日経平均は▲312円の29904円で寄り付き、前場は軟調なもみあいが続きましたが、後場には、日銀がETFの買い入れ停止などの金融政策の修正を発表したことで、一時▲595円の29621円まで下落し、終値は▲424円の29792円となりました。但し、トピックスは△3Pでした。
日本市場の引け後の19日(金)の米国市場は、マチマチの動きとなりました。FRBが銀行の資本規制に関する特例措置を延長しないことを発表したことで、銀行株が軒並み安となり、NYダウは▲234ドルの32627ドルと続落する一方で、前日大きく下げたナスダックは反発となりました。シカゴの日経先物は▲140円の29350円でした。
今週は、日経平均は4月相場入りまで軟調で、トピックスは堅調な動きか
先週半ばは、FOMCの2023年までゼロ金利政策の維持という結果を受けて、NYダウは33000ドル台を突破し、これを受けて18日(木)は前日にFRBの緩和策の維持が逆にインフレ期待を高めることで、長期金利が1.75%まで上昇し、再びハイテク株が売られてナスダックが▲409Pの13116Pと大幅下落しました。これに加えて、この日は日銀の金融政策決定会合でETFの買い入れ枠が撤廃されたほか、買い入れ対象から日経平均型の買い入れが外され、トピックス型1本になったことで、後場は日経平均が一段安となって▲424円の29792円となり、トピックスは△3Pの2012Pで終わりました。
今週は、上述したようにFOMCの緩和政策の継続が景気回復を更に強めるとの予想から期待インフレが上昇しているため、米長期金利が上昇して再びハイテク株が売られる展開となっており、さらに長期金利が上昇して、ハイテク株が下げると米株式全体も、さらに上を目指すのが当面難しくなります。日経平均は、NYダウに連動しているため、NYダウの上昇が鈍れば、日経平均も連動することになります。特に先週末に日銀のETF買い対象から日経平均型が外されたことは、しばらく日経平均の軟調な動きにつながる可能性もあります。トピックスは堅調でも、日経平均は軟調という場合も想定されますが、4月の新年度入りで調整されて、上を目指してくる可能性は高いと思われます。
本日22日(月)は、寄り付きから前週末の弱い動きが継続し、株価指数先物に断続的な売りもあり下げ幅を拡大して、10時半頃には▲684円39107円まで下げました。その後、後場はやや下げ幅を縮小する場面がありましたが、様子見ムードが広がる中、安値圏での推移となり、また時間外取引での米株先物は、NYダウ先物が下落する一方、ナスダックのミニ先物は上昇するなど、マチマチの動きで、為替はドル・円が1ドル=108.7円台とやや円高方向にあることも意識され、▲617円の29174円と今年3番目の値幅の下げとなりました。
(指標)日経平均
先週の予測では、今週はFOMC(16~17日)、日銀金融政策会合(18~19日)を控え、手控えムードが想定されるものの、米株堅調であればイベント通過後、上昇期待が出てくるとしました。
結果的には、週前半の月曜、火曜は、米国株堅調で日経平均も一時3万円台を回復する場面もありました。FOMC前の17日(水)は一服し、FOMCが通過するとFOMCの金融緩和継続やパウエル議長の話を受け、NYダウが初めて33000ドルを突破したことを受け、18日(木)の日経平均は一時△570円の30485円まで上昇して終値は△302円の30216円と3週間ぶりの3万円台回復となりました。しかし、週末の19日(金)は、前日の米国で長期金利が上昇し、ナスダックが大幅安、さらに日銀がETF買いの見直しで日経平均型の買入れを止め、トピックス型に一本に絞ることにしたことで、日経平均は▲424円の29792円と大幅下落となりました。
今週の日経平均は、先週末の19日(金)に日銀の金融政策決定会合で、日銀のETF買い入れについて、日経平均連動型の買い入れを除外し、トピックス型1本に変えることを発表したことで、日経平均は不安定な値動きとなる可能性があります。前日に3万円台を回復してからの下落だけに目先は上値は重く、4月相場に向けてもう少し調整が必要となりそうです。ただ、トピックスが相場を支えることになりそうです。
(指標)NYダウ
先週の予測では、引き続き成立した経済対策法案からの国民への1400ドルの直接資金支給が相場を引き上げる材料になるとしました。
FOMC(16~17日)を前に、様子見となりましたが、17日のFOMCの発表で、2023年末まで利上げがないとし、パウエル議長もインフレ率が2%を十分に上回るまでは、金融政策の変更はないとしたことで、NYダウは33047ドルまで上昇して、終値は△189ドルの33015ドルと初めて33000ドルを突破しました。しかし、その後、長期金利の上昇やFRBの銀行の資本規制に関する特別措置を延長しないとしたことで2日続落し、週末は▲234ドルの32627ドルで引けました。
●今週は、再び33000ドル台を前にもみあいか
先週末に、米中外交トップ会談で対立が露呈し、警戒感が今後の相場に影響する可能性があります。この状況の中でFRBは、コロナ感染拡大を受け、昨年の4月から金融市場の混乱を防ぐために実施していた、大手銀行に対する資本規制の特例措置を3月末で終了することを発表したことで、金融株中心に売りが加速し、NYダウは2日続落となりました。今週も金融株は軟調となる可能性があり、さらに長期金利の上昇の行方も分かりにくいため、しばらくは様子見となってもみあいが続きそうです。
(指標)ドル/円
●先週は、FOMCの声明を受け、109円をはさんだもみあい続く
先週の予測では、FOMCで長期金利の過度な上昇を抑えるため、何らかの発表があり、それによって為替が影響を受けるものの、結果を見極めるためもみあいとしました。
結果的には、FOMCでは2023年までゼロ金利の方針を示し、パウエル議長は、インフレ率が2%を十分に超えるまで緩和的な金融政策の変更はないとしました。これを受けて、いったんドルが買われ、NYダウが終値で初めて33000ドルを突破しましたが、翌日は長期金利が上昇し、ナスダックは急落(▲407P)し、NYダウも続落して、為替は108円台後半とやや円高となりました。
●今週も、109円をはさんだもみあい続く
今週は、先週のFOMCでゼロ金利の長期化を示したものの、それによって経済の正常化が早まるとの期待も出て、10年債利回りは1.7%台まで上昇したものの、ナスダックは急落となり、この流れを受けてドル買い・円売りの方向になりました。しかし、株価が調整するようだと、ドル売り・円買いの流れも出てくるので109円をはさんだもみあいの可能性があります。
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