投資家は米FOMCと日銀政策決定会合を警戒
本日の日経平均は 6.76 円安の 29914.33 円で取引を終了した。朝方はやや軟調スタートとなったものの、その後は押し目買いが優勢。プラス圏に転じる場面もあった。しかし、連日の株価上昇に対する利益確定の売り、今晩の米 FOMC に対する警戒感は強く、引けにかけて様子見ムードが強まっている。
日経平均の日足チャートでは、上影陽線が出現。上方の窓を拒否するような動きとなっており、これまた上値の重さを示している。今週は日米ともに重要な金融政策の決定がある。投資家はこれに対して神経質になっており、模様眺めムードが優勢となっているのだ。
ただ、繰り返しになるが、こういった「予想されたイベント」は急落の要因にはなりにくい。たとえばテロだとか地震だとか予知できないものは、「サプライズ売り」を誘うことが多い。そういった意味では今回の米 FOMC、日銀金融政策決定会合は、予定通りのイベント。もし、あらかじめ投資家が警戒しているのであれば、イベント通過で「買い安心感」が生まれることになる。これは株価の上昇要因になりやすく、その点は留意しておいた方が良いだろう。
もっとも重要なのは中銀が量的緩和(QE)を止めるのか否かということ。もともとこれはリーマンショックのときに生じた巨額損失を、中銀の債券買い取りという「ウルトラ C」で回避した遺物でもある。それがコロナの時代になって、さらに深化したようなイメージだ。だから、逆の言い方をすれば、この「モルヒネ」は止められない。「緩和やめます」とか「利上げする」なんて口が裂けても言えない。だから、そういった事情をマーケットは熟知しており、上値を平然と買い進んでいる。今回もご多分に漏れず、同じことが繰り返されるだろう。来週の今頃は、「あ~、やっぱりいつもと同じだよね」ということになのだ。投資家は「買いポジション」を持ちながら、この「三文芝居」をやり過ごすことになる。
<マーケット・ストーリー>
「ちょっとみんな耳を澄ましてみて!」―― 誰からともなく発せられた言葉。一瞬、辺りは静寂に包まれた。そして遠くから外国人の声がかすかに聞こえる。どうやら英語のようだ。「いったい何をしゃべっているんだろう・・・」
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