強い米雇用統計も次第にドル売り優勢に=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/03/05 23:48
 日本時間の22時半に発表された米雇用統計は予想を上回る強い内容となった。指標発表直後は米国債利回りの上昇とともにドル買いが加速し、ドル円も108.65円付近まで上昇する場面がみられた。米10年債利回りも1.6%を一時超えたが、その後は上げ幅を縮小する動きが見られていることから、ドルも戻り売りに押されている。ドル円も108円台前半に伸び悩む動き。

 米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が37.9万人増加し、失業率も6.2%に低下した。NFPは娯楽や観光といったパンデミックで落ち込んでいたセクターの増加が主な要因で明るい兆しではある。失業率もピークの14.8%から大きく改善しているが、コロナ前のほぼ50年ぶりの低水準を依然として上回っている。就業を諦め労働力人口から外れた人も依然として多く、実際の労働市場は数字ほどは改善していないとの声も聞かれる。

 米国債もドルも、かなり過熱感が出ていることから、強い米雇用統計をきかっけに、一旦利益確定の動きが出ているのかもしれない。

USD/JPY 108.33 EUR/USD 1.1923 GBP/USD 1.3838

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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