ドル円は106円台前半=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は106円台前半での推移。きょうのNY為替市場でドル円は堅調な動きを維持しており、一時106.40円付近まで上昇し、先週の高値を上回る動きを見せた。200日線から再び上方かい離しており、リバウンドの流れを持続させている。
ドル円は米国債利回りの上昇にサポートされている。この日の米7年債入札がかなり弱い内容となり、10年債利回りは瞬間的にではあるが1.6%台まで上昇した。インフレで調整した実質金利を示す10年物のインフレ連動債もマイナス0.64%まで上昇しており、米大統領選挙後の高水準を上回っている。
今週のパウエルFRB議長の議会証言では慎重姿勢を強調し、インフレが目標の2%に達するまでに3年以上かかる可能性にも言及していた。ただ、市場が注目していた長期金利の急上昇については、特に対応する可能性を示さず、静観する姿勢を示している。市場からは、パウエルFRB議長の証言で米国債が売り(利回り上昇)易くなっているとの声も聞かれる。本日も複数の米地区連銀総裁の発言が伝わっていたが、「見通しを考慮すれば、10年債利回り上昇は適切」「長期金利上昇は金融政策の対応を正当化しない」などと述べていた。
取引開始前に米新規失業保険申請件数が発表になっていたが、予想を大きく下回っていた。ただ、寒波や15日の祝日が影響したとして、うのみにしない方が良いとの見方も出ており、市場の反応も限定的となった。
ユーロドルは一時1.2240ドル付近まで上昇する場面がみられたものの、米7年債入札後に戻り売りが強まり、1.21ドル台に戻した。伸び悩んだもののユーロドルは一時、1月高値の1.2190ドルを突破し、1.22ドル台を回復。年初につけた1.2350ドル水準を再び目さしそうな雰囲気も見られている。
ただ、ECBはFRBと異なり、直近の長期金利の急ピッチな上昇に神経質になっている模様。本日はECBのチーフエコノミストのレーン理事の発言が伝わっていたが、「ECBはユーロ圏の金融環境を注視しており、不適切な緊張を防ぐために柔軟に債券購入を行う」と述べていた。市場ではECBはこのところの長期金利上昇を看過しないとの見方が広がっており、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の期間延長や日々の購入量増額など、PEPPを使って何らかの対応を取る可能性が指摘されている。きょうのレーン理事の発言はその見方を裏付ける内容ではあった。
ポンドドルは利益確定売りが強まり1.40ドル台前半まで下落。前日は1.42ドル台まで急上昇していたが、達成感も出ているのではとの声も聞かれる。ポンドの最近の上昇はドルに対して約3年、ユーロに対して1年ぶりの高値に跳ね上がっていた。英国ではワクチン展開が順調に進展しており、直近のデータでは1869万人が1回目のワクチンを接種している。全人口の27%超。
この状況に景気の急速な回復への期待が高まり、短期金融市場では年内の利下げの可能性が完全に後退し、来年の利上げにシフトしている。ただ、それらの多くも既にポンドに織り込まれている可能性があるという。ワクチンの展開はポジティブなニュースではあるが、英中銀の出口戦略着手まではまだ遠く、ポンドの材料として更に希薄になる可能性があると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ドル円は米国債利回りの上昇にサポートされている。この日の米7年債入札がかなり弱い内容となり、10年債利回りは瞬間的にではあるが1.6%台まで上昇した。インフレで調整した実質金利を示す10年物のインフレ連動債もマイナス0.64%まで上昇しており、米大統領選挙後の高水準を上回っている。
今週のパウエルFRB議長の議会証言では慎重姿勢を強調し、インフレが目標の2%に達するまでに3年以上かかる可能性にも言及していた。ただ、市場が注目していた長期金利の急上昇については、特に対応する可能性を示さず、静観する姿勢を示している。市場からは、パウエルFRB議長の証言で米国債が売り(利回り上昇)易くなっているとの声も聞かれる。本日も複数の米地区連銀総裁の発言が伝わっていたが、「見通しを考慮すれば、10年債利回り上昇は適切」「長期金利上昇は金融政策の対応を正当化しない」などと述べていた。
取引開始前に米新規失業保険申請件数が発表になっていたが、予想を大きく下回っていた。ただ、寒波や15日の祝日が影響したとして、うのみにしない方が良いとの見方も出ており、市場の反応も限定的となった。
ユーロドルは一時1.2240ドル付近まで上昇する場面がみられたものの、米7年債入札後に戻り売りが強まり、1.21ドル台に戻した。伸び悩んだもののユーロドルは一時、1月高値の1.2190ドルを突破し、1.22ドル台を回復。年初につけた1.2350ドル水準を再び目さしそうな雰囲気も見られている。
ただ、ECBはFRBと異なり、直近の長期金利の急ピッチな上昇に神経質になっている模様。本日はECBのチーフエコノミストのレーン理事の発言が伝わっていたが、「ECBはユーロ圏の金融環境を注視しており、不適切な緊張を防ぐために柔軟に債券購入を行う」と述べていた。市場ではECBはこのところの長期金利上昇を看過しないとの見方が広がっており、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の期間延長や日々の購入量増額など、PEPPを使って何らかの対応を取る可能性が指摘されている。きょうのレーン理事の発言はその見方を裏付ける内容ではあった。
ポンドドルは利益確定売りが強まり1.40ドル台前半まで下落。前日は1.42ドル台まで急上昇していたが、達成感も出ているのではとの声も聞かれる。ポンドの最近の上昇はドルに対して約3年、ユーロに対して1年ぶりの高値に跳ね上がっていた。英国ではワクチン展開が順調に進展しており、直近のデータでは1869万人が1回目のワクチンを接種している。全人口の27%超。
この状況に景気の急速な回復への期待が高まり、短期金融市場では年内の利下げの可能性が完全に後退し、来年の利上げにシフトしている。ただ、それらの多くも既にポンドに織り込まれている可能性があるという。ワクチンの展開はポジティブなニュースではあるが、英中銀の出口戦略着手まではまだ遠く、ポンドの材料として更に希薄になる可能性があると指摘している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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