今週は、22200~22700円のレンジの上限を試す展開へ

著者:出島 昇
投稿:2020/07/13 17:38

先週は、週初めは大きく上昇するが、その後、上値重く、前週比▲15円の22290円で引ける

 先週は、週初めに大きく下げたことで戻りを試すことになるが、戻りを試し終わったあとは、感染拡大に要注意としました。前週に引き続き新型コロナウイルスの感染拡大増加懸念と経済正常化からの景気回復期待が入り交じり22000~22700円の中でのもみあいを想定しました。

 結果的に、米国のナスダック指数が史上最高値を更新していることで、日経平均は値ガサハイテク株中心に買われ、一部に連動する指数が買われて、高値は22742円であり週末の終値は東京の200人を超える感染拡大を嫌気し22285円まで下げて22290円でした。

 7月6日(月)は、△34円の22341円で寄り付いたあと、時間外での米株先物の上昇と円安が支えとなり、先物の買いを交えて上げ幅を拡大し、前場は一時△353円の22659円まで上昇しました。後場になると上海株式やハンセン株の上昇がサポートし、一時△427円の22734円まで上げ幅を拡大し、終値は△407円の22714円と大幅に3日続伸し、全33業種すべてが上昇しました。

 7日(火)は、前日の米国市場はNYダウは△459ドル高、ナスダックは連日の最高値更新となっていましたが、日経平均はすでに前日織り込んで上昇しており、▲64円の22649円で寄り付き、一時▲174円の22540円まで下げ、終値は▲99円の22614円と4日ぶりの反落となりました。

 8日(水)は、前日の米国市場が新型コロナ感染拡大が続いていることを嫌気し、NYダウが▲396ドル、ナスダック、S&Pも6日ぶりの反落となったことで、日経平均も連動し、米株安を受け売り先行となり、後場になると先物に断続的な売りが出て、下げ幅を拡大する展開となりました。トピックスは200日移動平均線と25日移動平均線を下回ったままでしたが、この日は日経平均も再び25日移動平均線を割り込んできました。ETFの換金売りも出て上値は重い展開が続いています。

 9日(木)は、前日の米国市場が3指標そろって反発し、ナスダックが最高値を更新したことで、日経平均はハイテク株やファミリーマートのストップ高もあり、日経平均は堅調な動きとなって△90円と3日ぶりの反発となりました。しかし、これは相変わらず指数だけの上昇であり、値下がり銘柄数は1496銘柄、値上がり銘柄数は594銘柄となっていました。

 この日は東京の感染者数が220人以上となって手仕舞い売りを誘いました。

 10日(金)は前日の米国市場は、NYダウ▲361ドル、ナスダック△55Pと最高値更新とマチマチの動きとなったことで、日経平均も△5円で寄り付いて方向感のない展開の中で、前引けは▲52円の22476円でしたが、後場になると株価先物に断続的に売りが出て一段安となり、この日も昨日に続き感染者が240人を超えたことで、大引け間際に▲244円の22285円まで下落し、終値は▲238円の22290円となりました。為替も株価が下がるとリスク回避の円買いとなって106円台後半の円高となっていました。

 10日(金)の米国市場、感染拡大は続いているものの、コロナ治療薬やワクチン開発への期待が高まり、景気敏感株中心に買われ、NYダウは△369ドルの26075ドル、ナスダック△69Pの10617Pと最高値更新、S&Pは△32Pの3185Pと全面高となりました。為替は6月生産者物価指数が予想を下回ったことで低金利の長期化の思惑でドルが売られ円は一時106.65円の円高となりました。しかし、シカゴの日経先物は△310円の22600円となっていました。

今週は、22200~22700円のレンジの上限を試す展開へ

 今週も先週の流れである感染者数増加への懸念と経済正常化による経済回復期待から基本は22200~22700円のレンジの中で、上値を試す動きが想定されます。下値は先週にETFの分配金支払いのための換金売りが終わり、ETFが正常化するので下値では買いが入って下支えすることになります。一方、上値は今週は米国市場で金融関連の決算があり、最悪の決算が予想されているので、予想より決算がよければ株価の上昇要因となり、日本株のサポート要因になります。又、米国の金融株が上昇すれば日本の金融株にもプラス要因となってトピックスが買い直されることになります。22200~22700円の上値のレンジ(7月7日の22742円)を上にぬいても23000円水準からは上値のフシがあり上値は重くなります。

 今週は、警戒される悪材料は、東京の感染者増加がさらに増加すると緊急事態宣言の話が再燃し、上値は重くなります。一方でワクチン開発の進展がれば買い材料となり、米国の経済指標も今のところ予想を上回っているものが多く、株価の上昇要因となっています。レンジの上限でもみあいながら上値を試すという展開になるかもしれません。

 本日は、先週末の米国株高を受け△301円で寄り付いて、徐々に上げ幅を拡大し、前場は△386円でした。後場になると時間外の米株先物が引き続いて上昇が続き、上海株式の上昇も支えとなって△493円の22784円と高値引けとなりました。国内に好材料があるというわけでもなく、ETFの分配金支払いに伴う換金売りも終わったことで需給面での重石がなくなっていることが1つの要因です。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、これまでと同じくコロナ感染拡大への懸念と景気回復期待が入り交じる展開になるとしました。当面は21969~22696円のレンジを想定しましたが、週始めに時間外の米株先物の上昇や中国株の上昇、さらに円安を受けて△407円の22714円と想定のレンジを少し上に抜けましたが、その水準をピークに上値重く、徐々に上げ幅が縮まって週末は▲238円の22290円で引けました。前週比では▲15円でした。柴田罫線では売り型から短期の買い型が出ています。

 今週も引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大の動向と景気回復への期待が入り交じる展開となります。先週は、当面のレンジを21969~22693円としましたが、週前半の7月7日(火)に22742円まで上昇して週の終値は22290円でした。今週は東京の感染者数の増加がカギを握りますが、戻りを試す場面は米株高と感染者の減少がポイントで、その場合は先週のコメントで書いたように、6月9日の23185円に対する2番天井を目指すことになります。一方で感染者の増加が続けば22000~22700円の中でのもみあいが続くことになります。但し、米国は金融株の決算が始まり、最悪の決算が予想されていますが、結果的に予想が上回れば金融株が上昇しNYダウの上昇、日本の銀行株上昇となってレンジを上に抜けることも考えられます。しかし23000円水準から上はフシとなっており上値は重いと思われます。
 

 

(指標)NYダウ

 先週は、前週の柴田罫線での売りの型がNYダウの戻りによって買い戻され、3月23日の18213ドルからの上昇トレンド(A)に26000ドル水準でアタマを抑えられる形となっています。先週もコロナ感染拡大で下げる一方で、ナスダックの史上最高値更新が続いており、ハイテク株がサポートしている内容となっています。

 今週は、決算シーズンに入り、銀行の決算に注目に集まることになります。第2四半期の銀行決算は最悪の結果が想定されており、予想よりも悪化していれば相場は下落の方へ、逆に予想ほど悪くなければ反発ということも考えられます。但し、最悪となっても今回は金融危機のように金融に端を発したものではないので回復は早いと思われます。又、ワクチン開発の好材料が出てばサポート要因になりますが、27000ドル水準は上値が重いところです。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、感染拡大の行方と経済の早期正常化を見極める展開で、ドル・円はもみあいになるとし、106.5~108.5円のレンジを想定しました。

 結果的には、米国内の感染拡大を警戒して、リスク回避的なドル買い・円売りは縮小し、週末の7月10日(金)には、この日発表された6月の生産者物価指数が予想を下回ったことで一時106.65円までドルが売られ引け値は106.92円でした。

 今週のドル・円は、米国におけるコロナウイルスの感染拡大が強まれば、安全逃避のドル買いが想定されている。現時点では、コロナウイルスの感染拡大で都市封鎖などの強力な経済制限措置は導入される可能性は低いので、ドルが大きく売られるようなことはなく、一方で米国の経済指標が改善すれば基本的にドル買い材料となるので、ドルは底堅い動きとなりそうです。106~108円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム