【これからの見通し】 上下動も次第にドル安に水準シフト、株式市場の調整浅く

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/07/13 15:53
【これからの見通し】 上下動も次第にドル安に水準シフト、株式市場の調整浅く

 週明けは再びドル安の動きが優勢になっている。先週末の米国株が堅調に推移したことがドル安につながっている。相変わらず新型コロナをめぐっては好悪材料が交錯しているが、次第にドル安の水準へのシフトが進んできている。ドル円は106円台に滞留する時間帯が増えてきており、107円台からの下抜けが定着するのかどうかが注目される。

 新型コロナをめぐる好材料としては、新薬開発への期待が大きい。米ギリアドの「レムデシビル」の臨床試験で症状の改善、死亡リスク軽減といった結果が報じられている。一方で、悪材料としては、新型コロナの世界的な感染拡大の続いていることが挙げられる。米国ではフロリダ州で新規感染者数が過去最多となる1万5299人が確認された。ホットスポットがNYから移動している。フロリダのディズニー・ワールド再開を喜んでもいられない状況だ。

 中国関連でも好悪材料が対立している。好材料(期待)としては、今週16日に発表予定の中国GDP(第2四半期)が前年比プラス2%余りと予想されており、前期のマイナス6.8%からの急回復が見込まれている。中国本土株の上昇の一因となっているようだ。一方で、悪材料としては米トランプ政権が中国に対する強硬姿勢が示していることが挙げられよう。大統領選に向けたパフォーマンスに面もあるが、中国の人権問題を軸とした両国関係の対立の溝は深まってきている。

 今週は米主要金融機関の決算発表が予定されており、決算発表の内容への期待もあるようだ。このあとのNY市場で株式市場を一段と押し上げるのかどうかが注目される。

 この後の海外市場では目立った経済統計の発表は予定されていない。一方、金融当局者の講演・イベントは比較的多い。パネッタECB理事、ベイリー英中銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁などの講演イベントが予定されている。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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