期末がらみの実需の円安 きょうで4-6月相場が終了=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/07/01 02:00
 きょうのNY為替市場でドル円は買いが優勢となり、107円台後半に上昇している。NY時間の朝方には売りが優勢となり、107.50円近辺まで値を落としたが、ロンドンフィキシングにかけて買いが強まり、107.95円付近まで急速に上昇する場面もみられた。ドル買いというよりもむしろ、円安がドル円を押し上げており、ユーロ円やポンド円も買いが強まっている。

 この日発表の米経済指標まちまちで、6月の米消費者信頼感指数は大幅な改善を見せていた。経済再開で回復期待が高まったほか、消費者心理に影響を与えるとされる米株式市場が買い戻されたほか、雇用も予想外の底堅さを示したことが、センチメントの回復に繋がったものと思われる。しかし、市場の反応は限定的。本日は月末かつ期末の取引ということで、ポジション調整が中心と思われ、個別の材料には反応していない模様。

 きょうで4-6月相場が終了するが、金融市場は新型ウイルス感染による1-3月の混乱から、急激な雰囲気の改善が見られた。FRBをはじめとした各国中銀の異例の金融緩和や、各国政府による大胆な景気刺激策で、市場はセンチメントを維持したようだ。ただ、金融市場が思い浮かべるほど実体経済の回復が見られるかは、7-9月以降を確認する必要がある。

 現状は米国を中心に感染第2波の拡大が加速しており、一部の州では再封鎖が実施されている。EUでは明日から、域外からの渡航制限が一部解禁されるが、警戒されるところではある。しかし、各国政府は再封鎖に関しては否定的で、ある程度の感染拡大は許容する姿勢を示唆している。経済再開に伴う回復期待も市場では根強い中、「経済再開」と「感染拡大」の綱引きが、しばらく続くのかもしれない。

 ユーロドルはNY時間に入って買い戻しが見られ、1.12ドル台半ばまで戻している。NY時間の序盤は1.11ドル台に下落していたが、日本時間0時のロンドンフィキシングにかけて買い戻しが強まった。円安の動きでユーロ円が急速に上昇したことも、ユーロドルの買い戻しに影響した可能性もありそうだ。

 ポンドドルも1.22ドル台から1.23ドル台後半まで買戻されている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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