先週は、週半ばまで23100円台を維持したが、週後半は急落
先週の予測では、米株上昇に連動しながらも戻りを試すものの、日経平均は23100~23600円は大きなフシ目となりますので、週末の12日(金)のメジャーSQにかけて高値波乱となって相場に変化が出てくるとしました。現在の上昇は各国の主要中央銀行の資金供給で生じた余剰の投資マネーが背景となっており、その代表はFRBの大規模緩和による無制限の貸出しです。そのFRBが6月11日(木)に「米景気の回復に時間がかかる」という発言をしたことで、早い段階の景気の回復期待が後退し、NYダウは▲1861ドルの急落となり、日経平均も連動しました。
結果的には週半ばまで23100円台を維持していましたが、週末は一時22000円を割り込みました。
6月8日(月)は、米国の前週末の好調な雇用統計を受け、NYダウが△829ドルの27110ドルとなったことで寄り付きは△258円の23121円と23000円台を回復し、いったん伸び悩む場面がありましたが、後場には盛り返し大引けにかけて強い動きとなり、△314円の23178円と高値引けとなりました。2月21日以来の23000円台回復となりました。
9日(火)は、日本市場は前日の米国市場では、雇用統計の驚愕的な改善からか回復期待が続き、NYダウは△461ドルの27572ドルと大幅上昇が続きましたが、この日の日経平均は過熱感から利益確定売り優勢となり、一時▲244円の22933円まで下落し、売り一巡後は下げ渋って▲87円の23091円と7日ぶりの反落でした。
10日(水)の日本市場は、前日の米国市場でFOMCの結果発表を控え、利益確定売りでNYダウは▲300ドルの27272ドルと7日ぶりの反落となり、これを受けて▲152円の22939円で寄り付き、▲190円の22900円まで下げるものの、売り一巡後は時間外の米株式先物高が支えとなってプラスに転じ、後場は一時△84円の23175円まで上昇し、終値は△33円の23124円で引けました。
11日(木)の日経平均は、前日の米国市場ではFOMCの金利見通しが2022年末までゼロ金利政策維持で、ドル売りに拍車がかかり、NYダウは▲282ドルの26989ドルとなったことで、▲276円の22848円で寄り付き、前引けは▲242円の22882円となったものの、後場になると時間外での米株先物が大きく下落したことで、▲652円の22472円と大幅反落となりました。
この日の引け後の米国市場では、前日のパウエル議長の「雇用の回復には時間がかかる」という発言の他に、テキサス州で入院患者数が3日連続で過去最高となり、複数の州でも感染者数が増加したことで、第2次感染拡大懸念から、NYダウは▲1861ドルの25128ドルと大幅下落となりました。
これを受けて週末の12日(金)の日本市場はメジャーSQの日でしたが、▲390円の22082円で寄り付き、一時▲685円の21786円と22000円を割り込みました。しかし、すでに昨日大きく下げていたことで、これ以上は下落せず、後場になると日銀のETF買い観測もあり、一時▲122円の22350円まで下げ幅を縮小し、終値は▲167円の22305円となりました。6月のメジャーSQ値は22071円となり、日経平均の終値はSQ値を上回って引けていますので少し安心というところです。
12日(金)の米国市場は、荒い動きとなりました。コロナウイルス感染拡大懸念やFRB議長の労働市場の回復には時間がかかるとの発言で前日は3月以来の急落となりましたが、この日は財務長官の「経済活動は停止させることはできない」との発言を受けて、NYダウは一時△837ドルまで上昇。しかし午後には△49ドルまで下げ幅を縮め、終値では△477ドルの25605ドルと4日ぶりの反発となりました。シカゴの日経先物は△10円の22150円でした。
今週は、感染拡大次第では荒い動きとなり、目先は下値模索となります
今週の日経平均は、NYダウに影響されますが、先週で米雇用統計、FOMC、国内のメジャーSQなどの大きなイベントが通過し、下値は固めの展開となりそうです。相場の流れは、先週の前半までのように一方的に戻りを試す動きはいったん一服し、メジャーSQの通過で買い戻しが一巡し、需給で変化が出てくることになります。又、テクニカル的には累積売買代金の多い23100~23600円を目先の上値ゾーンとしておりましたが、先週前半にここの水準に入り込んだあとの下げとなりましたので、下値模索となりそうです。米国市場では2022年末までゼロ金利と宣言されましたので、ドルの上値は重く円高基調となり、世界ではコロナ感染拡大が高止まりしており、新型コロナ感染の第2波の動向が焦点となります。日本も東京の感染者数が増加しているので注意が必要です。日経平均の下値は先週末のザラ場安値21786円が目先の下値ポイントとなりますが、ここを切ると下値模索となります。
本日15日(月)は、先週末のNYダウは反発したものの、時間外での米株先物の下落を受け、▲170円の22135円で寄り付き、一時▲251円の22053円まで下げて、前引けは▲121円の22183円でした、しかし、後場になっても米株先物の下げは止まらず、新型コロナ感染第2波への警戒感から米株先物が一段安となり、これにつれて日経平均も先物主導で売られ▲774円の21530円で引け、先週末のザラ場安値21786円を切ってしまいました。再び、新型コロナ感染拡大が注目となってきました。
出島式ズバ株投資情報ブログ
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(指標)日経平均
先週の予測では、日経平均はNYダウに連動し、23000円に接近していることで、引き続きNYダウが上昇すれば23000円台を上回ってくるが23100~23600円のゾーンは抵抗ゾーンになるので、ここを突破していくのは難しいとしました。
結果的に、週前半はNYダウの上昇が続いたので、日経平均は23185円まで上昇し、週後半はNYダウの急落につれ安し、6月12日(金)には21786円と一時22000円割れとなり、12日(金)は22305円で引けました。
今週もNYダウの動きに左右される展開となります。先週のNYダウは新型コロナの第2次感染拡大懸念やFRB議長の労働市場の回復には時間がかかるとの発言を受け急落したことで、日経平均も大きく下げましたが、今週は日米ともに落ち着きどころを探る展開となります。コロナの感染拡大は世界的には高まっており、日本も東京の感染者数が注目となります。日本市場の相場環境としては、メジャーSQを通過し、大きな波乱はないものの買い戻しが一巡して需給に変化が出る可能性があり、又、為替ではドルが売られて円安基調になっておらず、これまでのように戻りをどんどん試していく相場にはなりにくいところです。
(指標)NYダウ
先週の予測では、FRBや政府の強力な政策で経済活動再開による経済回復期待が高まっており、28000ドルは心理的フシだが、ここを抜けると史上最高値を試す可能性があるとしました。
しかし、28000ドルを前にFOMCで金利見通しを2022年末までゼロ金利としたことで、ドル売りに拍車がかかり、NYダウは▲282ドルの26989ドルと反落し、FRBパウエル議長が「経済の回復には時間がかる」と発言したことで、景気回復期待が後退し、▲1861ドルの25128ドルの急落となりました。週末の12日(金)は下げすぎから△477ドルの25605ドルと反発しました。
先週は急落となって大幅下落したあとだけに投資家心理の中に雇用統計や景気回復への不透明感強く、資金の流動性も高まっていることで値動きの激しい展開が想定されます。今後は、これまでの経済活動再開からの経済の早期回復期待ではなく、再開後の回復のペースがどの程度なのかを見極める展開となりそうです。右肩上がりの一方的な上昇は一服する可能性があります。
(指標)ドル/円
先週は引き続き、ドルが底堅いことを想定しましたが、結果的には米国金利の先高観測後退で円買いが強まりました。9~10日のFOMCで金融緩和策として「長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)」の導入について議論されたことや、今後の金利見通しが2022年末まで維持すると提示されたことからドル売り優勢となり、一時106.58円まで下落しました。そこから買い戻され12日(金)には107.37円で引けました。
今週はFRBによる「長期金利操作」導入への市場の思惑は後退していることからドル売り圧力はすぐには弱まる可能性は低いとみられます。要するに米金融政策を巡る思惑などがドル反発を抑制することになりそうです。106.00~108.00円のレンジを想定。
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