NYコラム(27日)ダウ平均は再び2万5000ドル台を回復してスタートへ−GAFAと共に出遅れ修正銘柄に注目

著者:加藤裕一
投稿:2020/05/27 21:41

NY株式市場(27日)ダウ平均は61.8%戻し水準を試す展開へ−米上院での対中制裁法案の行方に注目

27日のニューヨーク株式市場でダウ平均は連日で2万5000ドル台を回復して取引が始まりそうだ。

アメリカ国内での経済再開やワクチン開発への期待感から26日に戻りを試す展開となった地合いが27日も継続しそうだ。特に26日の取引で引けにかけて伸び悩んだ分を取り戻すような形で、27日のダウ平均は前日の日中高値(2万5176ドル)を意識しながらの寄り付きとなる。引き続き、3月安値からの61.8%戻し水準(2万5230ドル)を視野に、上昇余地を探る動きは途切れなそうだ。

ニューヨーク州内では、ニューヨーク市が6月前半に緩和を目指しているほか、ニューヨーク市を除く自治体は27日から外出規制などを一部緩和。クオモ知事はトランプ大統領とインフラ投資で協議するという。

アメリカ株式市場は戻り歩調を牽引しているGAFAを中心としたIT・ハイテク株に加えて、時価総額上位の大手銀行株など出遅れていた銘柄を修正する動きが顕著になっている。27日も出遅れ修正銘柄中心にダウ平均がナスダック指数にキャッチ・アップする動きが目立つものとみている。

一方でアメリカのトランプ大統領は中国が香港への統制を強める「香港国家安全法」に対する制裁を科すことを示唆した。中国は全人代最終日の29日までに法案を採択するものとみられていることから、トランプ大統領が実際に制裁を表明するのは今週末になるものとみられている。これに先駆けてアメリカ議会下院は、既に上院で可決されているウイグル人権法案を27日に承認、トランプ大統領に送付するという。

トランプ大統領は、中国が全人代で法案を採択次第、対中制裁を表明するものとみられている。法案は全人代最終日前日の28日には採択されるものとみられており、明日以降は全人代における協議の行方に細心の注意が求められよう。

同時に前日の大幅高で一旦手仕舞う動きも散見されそうで上場来高値に接近している時価総額上位のIT・ハイテク株に利益確定売りが広がれば、相場の上値が抑えられよう。27日は、寄り付きでGAFA中心にナスダック総合株価指数の値動きを慎重に見極めると共に出遅れ修正相場の持続性を監視する1日となりそうだ。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想