NYコラム(21日)ダウ平均は売り直される展開へ−米国10年債利回り1.5%割れ

著者:加藤裕一
投稿:2020/02/21 23:00

NY株式市場(21日)ダウ平均は再び売り圧力が高まる−連日で2万9000ドルを試す展開か⁈

21日のアメリカ株式市場でダウ平均は、リスク回避の動きから再び下値を探る展開へ

時間外の米国10年債利回りが、1.5%割れとなっている。筆者が注目している10年物米国債先物価格が、再び去年10月のISMショックで付けた高値(132ドル)に接近してきている。先月末にダブル・トップを付けにいった際は、131.91ドルまで買われて折り返した水準が視野に入ったことになる。

同時にゴールドは、7年ぶりの高値まで上昇している。

外国為替市場では、ドルが独歩高だ。ドル需要の高まりが背景で、ドルに向かった投資マネーは、米国債やゴールドに還流している。

21日のアジアやヨーロッパ・タイムでは、改めて「Fly to Quality」=「質への逃避」を加速させていることから、ダウ平均は寄り付きで下値を探る動きが先行しそうだ。週末要因も重なってロングを積みにくい相場環境だ。

ただ、リスク回避で投資資金が買い向かったゴールドや米国債は短期的な買われ過ぎ感も台頭してこよう。21日はアメリカ株式市場に資金回帰する動きも想定しておきたい。

ダウ平均のサポート・ラインとしては、節目の2万9000ドル付近に20日移動平均線(2万9024ドル)や25日移動平均線(2万9080ドル)、さらには20日の日中安値(2万8959)が控えている。

20日の日中取引で急落したあと、日足の下ヒゲでカバーした水準だ。

21日のダウ平均は、20日と同様に節目の2万9100ドル以下での底堅さを確認しつつ、テクニカル・ポイントでの下方ブレイクを回避できるか。押し目買いの強さが試されそうだ。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想