「ヘッドラインに振り回される」を覚悟しつつ…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/08 10:19

◆“リスク回避姿勢”継続も、“パニック的な動き”は限定的…

※ご注意:予想期間は5月9日と表示されていますが、本日(5月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「米中通商協議」を巡る疑念は続き、“リスク回避姿勢”は継続しました。
「世界的な株価下落」に引っ張られる格好で“円買い圧力”は根強く、一時111円後半に持ち直したものの、“110.163円”まで続落する場面が見られました。

もっとも『劉鶴副首相らは予定通り訪米し、協議に参加』との報道が流れたこともあり、“パニック的な動き”は限定されています。
このため“ガタッと”崩れる展開には発展しておらず、「上値は重いが、下値もしっかり」といった動きを続けています。

◆テクニカル弱気転換で「いったん様子見」だが…

大型連休前の楽観ムードが雲散霧消した格好となりますので、「イメージは下方向」へ傾斜しやすいのは事実です。
しかし昨日も記したように、思惑先行による下落にて「すでにいい処まで落ちた」という可能性は高まりつつあります。

“日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は110.316円)”を割り込み、「三役逆転(テクニカル的な売りシグナル)」が出現したことから、ここは「いったん様子見」としますが、すぐ下には“110円の大台”、そして月足・一目均衡表基準線とほぼ重なる“3/25安値(109.706円)”が待ち構えています。
日経平均・上海株が敏感に反応しかねない「中国4月貿易収支」には注意を払いつつも、やはり現時点では「過度な悲観論は禁物」と見て、事の成り行きを見極めたいところです。
「ヘッドラインに振り回される」を覚悟しながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.961(5/6高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、-1σ、大台)
上値4:110.851(5/7高値、100週移動平均線)
上値3:110.729(月足・一目均衡表先行スパン上限、20月移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.595(100日移動平均線、20週移動平均線)
上値1:110.377(-2σ、日足・一目均衡表先行スパン下限)
前営業日終値:110.247
下値1:110.163(5/7安値)
下値2:110.015(3/28安値、大台、ピボット1stサポート)
下値3:109.915(3/26安値)
下値4:109.818(月足・一目均衡表転換線)
下値5:109.706(3/25安値、月足・一目均衡表基準線、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:49 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想