■FRB議長発言を警戒、4月雇用統計は好感
ゴールデンウイーク(GW)前の日経平均は、週間(4月22日から26日)では4週連続高、4月月間としては2カ月ぶりの上昇だった。10連休を控えて積極的な上値追いは見送られたものの、S&P500やNASDAQ総合指数の過去最高値更新、4月25日には強力な金融緩和の継続に関する諸措置の発表が示された日銀の金融政策決定会合の内容を好感、米中貿易交渉の進展などから相対的には堅調な展開となった。一方、GW期間中(29日から3日)のNYダウは週後半に下落したものの、下げ幅を縮めて週末を迎えている。4月30日にかけてNYダウは3日続伸となり終値ペースで26500ドル台をキープした。3月の個人消費支出は前月比0.9%増と9年半ぶりの大幅な伸びを記録し、インフレ指標も落ち着いていることから、今後も強気相場が続くとの見方が強まったほか、複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)や製薬のメルクなどの決算内容や業績見通しが好感材料として働いた。しかし、NYダウは5月1日に前日比162.77ドル安、2日に122.35ドル安と続落し26300ドル台に下落した。FOMCでは、大方の予想通り政策金利は据え置かれたものの、パウエルFRB議長が会見で「インフレ圧力の弱まりは一時的」との見解を示すと、過度な利下げへの期待が後退し、1日は引けにかけて下落する展開となった。2日も引き続きパウエルFRB議長による発言に対する失望売りが先行するとともに、原油安も嫌気された。しかし、3日のNYダウは197.16ドル高の26504.95ドルと3日ぶりに反発した。4月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比26.3万人増と予想を大きく上振れ、失業率は49年ぶりの低水準となったことを好感して買いが先行した。NASDAQ総合指数も過去最高値を更新した。このほか、GW期間中に上海総合指数は4月30日に4日営業日ぶりに反発し、その後は労働節で4日まで休場、為替相場は1ドル=111円台のもみあい展開だった。
■堅調な「令和相場」スタート
GW明けとなる今週の日経平均は、堅調な展開が予想される。連休期間中に東京株式市場にネガティブな影響を与えるニュースは見当たらなかった。FOMCと米4月雇用統計の2大イベントを通過し、今後は8日の中国4月貿易収支、9日の米3月貿易収支と米中での主要経済指標が注目されてくる。ただ、米中ともに過度な景気悪化懸念は意識されていないため、波乱なく通過してくる期待がある。また、GW前の4月25日に開催された金融政策決定会合で、現状の金融緩和策の継続を明確化し、保有するETF(上場投資信託)を一時的に市場参加者に貸し付ける制度導入を検討すると発表したことは、相場全体の下値不安を後退させる材料として引き続き働いてこよう。4月30日の天皇陛下退位(退位礼正殿の儀)と、5月1日の皇太子殿下の新天皇即位(剣璽等承継の儀・即位後朝見の儀)の儀式を終え、名実ともの「令和相場」が始まるというムードも心理的なプラス材料として働く。懸念要素があるとすれば、GW入り直前よりも為替が円高傾向に傾斜したことと、「セルインメイ(Sell in May)」の相場格言も意識されるNYダウの動向だ。3日にNASDAQ総合指数が過去最高値を更新するなか、NYダウは昨年10月の26951.81ドルの最高値に距離を残している。ただし、5月月間で、NYダウは過去5年間、日経平均は過去4年間連続で上昇している。日経平均をテクニカル的に見ても、5日移動平均線がしっかりと下値をサポートし、上昇中の25日移動平均線が200日移動平均線に迫っている。NYダウが上昇し、為替相場で円高進行がなければ、昨年12月3日の高値フシ22698.79円が意識されてこよう。
■トヨタ、ソフトバンクGの決算に注目
一方、物色的には決算発表を手掛かりとする業績相場に市場の関心は集まってくる。前3月期に当期利益ベースで6年ぶりの減益となった日本電産<6594>は、今期は2期ぶりの最高益更新見込みを発表し株価は高値圏でもみあう展開、市場コンセンサスを下回る決算と大幅減益見通しを発表したファナック<6954>も、大幅な株価の下振れを回避と、波乱が全体に波及することは抑えられている。なお、決算発表は佳境を迎え10日に660社超が発表を予定するピーク日となる。主要企業の決算発表予定日は、7日にHOYA<7741>、8日にトヨタ<7203>、ホンダ<7267>、ソフトバンク<9434>、9日にソフトバンクグループ<9984>、日本製鉄<5401>、パナソニック<6752>、10日に三井不動産<8801>、NTT<9432>となっている。とくに、全般相場への影響度が大きい8日のトヨタ、9日のソフトバンクグループ<9984>の決算を波乱なく通過してくれば、全体相場はより底堅さを増してくることになりそうだ。
■米消費者物価、中国貿易収支、米中貿易協議
今週の主な国内経済関連スケジュールは、7日に4月新車販売台数、8日に金融政策決定会合議事要旨(3月14日、15日)、4月マネタリーベース、9日に4月都心オフィス空室率、10日に3月家計調査、3月毎月勤労統計、オプションSQ、日銀金融政策決定会合の主な意見がそれぞれ発表の予定にある。このほか、国内外で予定されている注目イベント・トピックスとしては、8日に米中閣僚級貿易協議(ワシントン)、菅義偉官房長官が訪米(12日まで)、11日に20カ国・地域(G20)農業相会合(新潟市、12日まで)がそれぞれ予定されている。
<FA>
ゴールデンウイーク(GW)前の日経平均は、週間(4月22日から26日)では4週連続高、4月月間としては2カ月ぶりの上昇だった。10連休を控えて積極的な上値追いは見送られたものの、S&P500やNASDAQ総合指数の過去最高値更新、4月25日には強力な金融緩和の継続に関する諸措置の発表が示された日銀の金融政策決定会合の内容を好感、米中貿易交渉の進展などから相対的には堅調な展開となった。一方、GW期間中(29日から3日)のNYダウは週後半に下落したものの、下げ幅を縮めて週末を迎えている。4月30日にかけてNYダウは3日続伸となり終値ペースで26500ドル台をキープした。3月の個人消費支出は前月比0.9%増と9年半ぶりの大幅な伸びを記録し、インフレ指標も落ち着いていることから、今後も強気相場が続くとの見方が強まったほか、複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)や製薬のメルクなどの決算内容や業績見通しが好感材料として働いた。しかし、NYダウは5月1日に前日比162.77ドル安、2日に122.35ドル安と続落し26300ドル台に下落した。FOMCでは、大方の予想通り政策金利は据え置かれたものの、パウエルFRB議長が会見で「インフレ圧力の弱まりは一時的」との見解を示すと、過度な利下げへの期待が後退し、1日は引けにかけて下落する展開となった。2日も引き続きパウエルFRB議長による発言に対する失望売りが先行するとともに、原油安も嫌気された。しかし、3日のNYダウは197.16ドル高の26504.95ドルと3日ぶりに反発した。4月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比26.3万人増と予想を大きく上振れ、失業率は49年ぶりの低水準となったことを好感して買いが先行した。NASDAQ総合指数も過去最高値を更新した。このほか、GW期間中に上海総合指数は4月30日に4日営業日ぶりに反発し、その後は労働節で4日まで休場、為替相場は1ドル=111円台のもみあい展開だった。
■堅調な「令和相場」スタート
GW明けとなる今週の日経平均は、堅調な展開が予想される。連休期間中に東京株式市場にネガティブな影響を与えるニュースは見当たらなかった。FOMCと米4月雇用統計の2大イベントを通過し、今後は8日の中国4月貿易収支、9日の米3月貿易収支と米中での主要経済指標が注目されてくる。ただ、米中ともに過度な景気悪化懸念は意識されていないため、波乱なく通過してくる期待がある。また、GW前の4月25日に開催された金融政策決定会合で、現状の金融緩和策の継続を明確化し、保有するETF(上場投資信託)を一時的に市場参加者に貸し付ける制度導入を検討すると発表したことは、相場全体の下値不安を後退させる材料として引き続き働いてこよう。4月30日の天皇陛下退位(退位礼正殿の儀)と、5月1日の皇太子殿下の新天皇即位(剣璽等承継の儀・即位後朝見の儀)の儀式を終え、名実ともの「令和相場」が始まるというムードも心理的なプラス材料として働く。懸念要素があるとすれば、GW入り直前よりも為替が円高傾向に傾斜したことと、「セルインメイ(Sell in May)」の相場格言も意識されるNYダウの動向だ。3日にNASDAQ総合指数が過去最高値を更新するなか、NYダウは昨年10月の26951.81ドルの最高値に距離を残している。ただし、5月月間で、NYダウは過去5年間、日経平均は過去4年間連続で上昇している。日経平均をテクニカル的に見ても、5日移動平均線がしっかりと下値をサポートし、上昇中の25日移動平均線が200日移動平均線に迫っている。NYダウが上昇し、為替相場で円高進行がなければ、昨年12月3日の高値フシ22698.79円が意識されてこよう。
■トヨタ、ソフトバンクGの決算に注目
一方、物色的には決算発表を手掛かりとする業績相場に市場の関心は集まってくる。前3月期に当期利益ベースで6年ぶりの減益となった日本電産<6594>は、今期は2期ぶりの最高益更新見込みを発表し株価は高値圏でもみあう展開、市場コンセンサスを下回る決算と大幅減益見通しを発表したファナック<6954>も、大幅な株価の下振れを回避と、波乱が全体に波及することは抑えられている。なお、決算発表は佳境を迎え10日に660社超が発表を予定するピーク日となる。主要企業の決算発表予定日は、7日にHOYA<7741>、8日にトヨタ<7203>、ホンダ<7267>、ソフトバンク<9434>、9日にソフトバンクグループ<9984>、日本製鉄<5401>、パナソニック<6752>、10日に三井不動産<8801>、NTT<9432>となっている。とくに、全般相場への影響度が大きい8日のトヨタ、9日のソフトバンクグループ<9984>の決算を波乱なく通過してくれば、全体相場はより底堅さを増してくることになりそうだ。
■米消費者物価、中国貿易収支、米中貿易協議
今週の主な国内経済関連スケジュールは、7日に4月新車販売台数、8日に金融政策決定会合議事要旨(3月14日、15日)、4月マネタリーベース、9日に4月都心オフィス空室率、10日に3月家計調査、3月毎月勤労統計、オプションSQ、日銀金融政策決定会合の主な意見がそれぞれ発表の予定にある。このほか、国内外で予定されている注目イベント・トピックスとしては、8日に米中閣僚級貿易協議(ワシントン)、菅義偉官房長官が訪米(12日まで)、11日に20カ国・地域(G20)農業相会合(新潟市、12日まで)がそれぞれ予定されている。
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関連銘柄
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5401
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3,186.0
(09/20)
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+56.0
(+1.78%)
|
6594
|
5,877.0
(09/20)
|
+67.0
(+1.15%)
|
6752
|
1,244.5
(09/20)
|
+3.0
(+0.24%)
|
6954
|
3,965.0
(09/20)
|
+140.0
(+3.66%)
|
7203
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2,634.0
(09/20)
|
+23.5
(+0.90%)
|
7267
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1,556.5
(09/20)
|
+13.0
(+0.84%)
|
7741
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19,735.0
(09/20)
|
+540.0
(+2.81%)
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8801
|
1,371.5
(09/20)
|
-10.5
(-0.75%)
|
9432
|
149.8
(09/20)
|
-0.3
(-0.26%)
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9434
|
1,981.0
(09/20)
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+7.0
(+0.35%)
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9984
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8,563.0
(09/20)
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+158.0
(+1.87%)
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