■株式相場見通し
予想レンジ:上限22250-下限21000円
来週の日経平均は昨年12月4日以来となる22000円に向けて上値を試しそうだ。米中貿易摩擦は緩和の方向に傾いているものの、昨年12月安値から2カ月間で4500ドル強の上げ幅となったNYダウに上げ一服感が見え始めている。インドとパキスタンを巡る地政学リスク、トランプ米大統領を巡るロシア疑惑の再燃といった懸念材料も浮上している。こうしたなか、東京市場は8日のメジャーSQを睨んでボラティリティが高まる可能性がある。3月期末を控え機関投資家の決算対策売りへの警戒感もあり、先物相場に揺さぶられる局面もありそうだ。しかし、為替の円高進行がない限りにおいては、売り込む材料も見当たらない。むしろ、テクニカル的には引き続き、日経平均は上昇トレンド維持を示唆している。日経平均は26日に5日移動平均線(21459円)を下回ったのに続き、28日の一段安で戻り一巡感が出やすい形となっていた。しかし、1日の5日移動平均線(21504円)の回復で上昇基調を維持した形となっている。昨年12月第1週以来となる26週移動平均線が走る21669.41円に接近したことで、目先一服の可能性もあるが、25日移動平均線の上昇で75日移動平均線とのゴールデンクロスが接近している。日柄的にも8日のメジャーSQ近辺が相場の転機となりそうだ。ただし、この8日には2月景気ウォッチャー調査、中国2月貿易収支、日本時間22時30分に米2月雇用統計と重要指標の発表が集中しており、週末に向けては手控えムードが強まり次第に上値が重くなる可能性もある。
日経平均は昨年10月2日高値24448円から12月26日安値18948円までの半値戻しとなる21698円を回復していないが、1日のCME日経平均先物は大阪比135円高の21755円と、この半値戻りを先行して回復した。NY円相場も1ドル=112円台に迫る円安に向いている。NYダウは昨年10月から12月にかけての急落の約85%を回復していることからすると、日本株出遅れのムードが高まってきそうだ。一方、物色面では高値圏でもみあっていたアンリツ<6754>が1日に9営業日ぶりに高値を更新して「5G」関連人気を再度リードし始めたほか、28日に9営業日ぶりに反落したマザーズ指数も1日はすかさず切り返し、中小型の個別株物色はうねりをつけ始めている。3月期末を控えて企業の株式分割や増配などの発表が増えてくることも、この時期に個別株物色が高まる背景となっている。なお、パイオニア<6773>の新株発行が8日に延期され、整理銘柄指定、それに伴う日経平均採用の銘柄入れ替え発表も8日となる見込みになった。
主な国内経済関連スケジュールは、7日に1月景気動向指数、8日に10-12月期GDP改定値、2月景気ウォッチャー調査が予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールは、5日に中国全国人民代表大会(全人代)開幕、米2月ISM非製造業景況指数、7日にECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、8日に米2月雇用統計、中国2月貿易収支がそれぞれ発表及び予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント・トピックスとしては、5日に元トランプ選対本部議長のマナフォート被告の判決(本連邦地裁)、6日にファーウェイ副会長の身柄引き渡しに関する審理(カナダ・バンクーバー)、10日に米・夏時間入り(米東部と日本の時差が12時間に縮小)が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米長期金利の反発や米中貿易摩擦解消への期待が広がっていることから、ドル選好地合いは続くとみられる。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利をしばらく据え置く公算であることから、リスク選好的なドル買いがさらに強まる可能性は低いと予想される。
7日に開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会では、新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)に関し議論されるとの見方が強まり、金融緩和継続を受けたユーロ売りがやや強まる可能性がある。また、欧州連合からの英国の離脱(ブレグジット)に関しては延期の観測が広がるなか、2回目の国民投票の実施を労働党が主張している。国内政治不安や解散・総選挙の思惑が広がっており、欧州通貨買い・米ドル売りがただちに広がる可能性は低いとみられる。
雇用統計などの重要経済指標が市場予想を上回った場合、早期追加利上げを期待したドル買いも入りやすいだろう。また、貿易・通商分野における米中協議は長期戦となり、紆余曲折の展開となれば安全通貨としてドルが選好されやすい。ただ、パウエルFRB議長の議会証言では追加利上げに慎重であることを意識させる発言が少なくなかった。3月19-20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利は据え置きとなることが確実視されている。ドル・円は1日のニューヨーク市場で112円台に上昇し、年初来高値圏で推移しているが、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドルは112円台で上昇一服となる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
3月4日(月):ユーロ圏生産者物価指数、トルコ消費者物価指数など
3月5日(火):サービス業PMI、中国財新サービス業PMI、米財政収支など
3月6日(水):トルコ中央銀行が政策金利発表、米ADP全米雇用報告、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など
3月7日(木):米消費者信用残高、中国外貨準備高など
3月8日(金):日10-12月GDP改定値、米雇用統計、中国貿易収支、メジャーSQなど
<SK>
予想レンジ:上限22250-下限21000円
来週の日経平均は昨年12月4日以来となる22000円に向けて上値を試しそうだ。米中貿易摩擦は緩和の方向に傾いているものの、昨年12月安値から2カ月間で4500ドル強の上げ幅となったNYダウに上げ一服感が見え始めている。インドとパキスタンを巡る地政学リスク、トランプ米大統領を巡るロシア疑惑の再燃といった懸念材料も浮上している。こうしたなか、東京市場は8日のメジャーSQを睨んでボラティリティが高まる可能性がある。3月期末を控え機関投資家の決算対策売りへの警戒感もあり、先物相場に揺さぶられる局面もありそうだ。しかし、為替の円高進行がない限りにおいては、売り込む材料も見当たらない。むしろ、テクニカル的には引き続き、日経平均は上昇トレンド維持を示唆している。日経平均は26日に5日移動平均線(21459円)を下回ったのに続き、28日の一段安で戻り一巡感が出やすい形となっていた。しかし、1日の5日移動平均線(21504円)の回復で上昇基調を維持した形となっている。昨年12月第1週以来となる26週移動平均線が走る21669.41円に接近したことで、目先一服の可能性もあるが、25日移動平均線の上昇で75日移動平均線とのゴールデンクロスが接近している。日柄的にも8日のメジャーSQ近辺が相場の転機となりそうだ。ただし、この8日には2月景気ウォッチャー調査、中国2月貿易収支、日本時間22時30分に米2月雇用統計と重要指標の発表が集中しており、週末に向けては手控えムードが強まり次第に上値が重くなる可能性もある。
日経平均は昨年10月2日高値24448円から12月26日安値18948円までの半値戻しとなる21698円を回復していないが、1日のCME日経平均先物は大阪比135円高の21755円と、この半値戻りを先行して回復した。NY円相場も1ドル=112円台に迫る円安に向いている。NYダウは昨年10月から12月にかけての急落の約85%を回復していることからすると、日本株出遅れのムードが高まってきそうだ。一方、物色面では高値圏でもみあっていたアンリツ<6754>が1日に9営業日ぶりに高値を更新して「5G」関連人気を再度リードし始めたほか、28日に9営業日ぶりに反落したマザーズ指数も1日はすかさず切り返し、中小型の個別株物色はうねりをつけ始めている。3月期末を控えて企業の株式分割や増配などの発表が増えてくることも、この時期に個別株物色が高まる背景となっている。なお、パイオニア<6773>の新株発行が8日に延期され、整理銘柄指定、それに伴う日経平均採用の銘柄入れ替え発表も8日となる見込みになった。
主な国内経済関連スケジュールは、7日に1月景気動向指数、8日に10-12月期GDP改定値、2月景気ウォッチャー調査が予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールは、5日に中国全国人民代表大会(全人代)開幕、米2月ISM非製造業景況指数、7日にECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、8日に米2月雇用統計、中国2月貿易収支がそれぞれ発表及び予定されている。このほか、国内外で予定されているイベント・トピックスとしては、5日に元トランプ選対本部議長のマナフォート被告の判決(本連邦地裁)、6日にファーウェイ副会長の身柄引き渡しに関する審理(カナダ・バンクーバー)、10日に米・夏時間入り(米東部と日本の時差が12時間に縮小)が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米長期金利の反発や米中貿易摩擦解消への期待が広がっていることから、ドル選好地合いは続くとみられる。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利をしばらく据え置く公算であることから、リスク選好的なドル買いがさらに強まる可能性は低いと予想される。
7日に開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会では、新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)に関し議論されるとの見方が強まり、金融緩和継続を受けたユーロ売りがやや強まる可能性がある。また、欧州連合からの英国の離脱(ブレグジット)に関しては延期の観測が広がるなか、2回目の国民投票の実施を労働党が主張している。国内政治不安や解散・総選挙の思惑が広がっており、欧州通貨買い・米ドル売りがただちに広がる可能性は低いとみられる。
雇用統計などの重要経済指標が市場予想を上回った場合、早期追加利上げを期待したドル買いも入りやすいだろう。また、貿易・通商分野における米中協議は長期戦となり、紆余曲折の展開となれば安全通貨としてドルが選好されやすい。ただ、パウエルFRB議長の議会証言では追加利上げに慎重であることを意識させる発言が少なくなかった。3月19-20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利は据え置きとなることが確実視されている。ドル・円は1日のニューヨーク市場で112円台に上昇し、年初来高値圏で推移しているが、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドルは112円台で上昇一服となる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
3月4日(月):ユーロ圏生産者物価指数、トルコ消費者物価指数など
3月5日(火):サービス業PMI、中国財新サービス業PMI、米財政収支など
3月6日(水):トルコ中央銀行が政策金利発表、米ADP全米雇用報告、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など
3月7日(木):米消費者信用残高、中国外貨準備高など
3月8日(金):日10-12月GDP改定値、米雇用統計、中国貿易収支、メジャーSQなど
<SK>
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