アメリカ株式一服すれば、20000~21000円の中での日柄調整

著者:出島 昇
投稿:2019/01/21 19:00

先週は、アメリカ株高にサポートされ、週末は20666円となって25日移動平均線回復

 先週の予測では、米中貿易摩擦の不透明感や、その結果としての米中の景気動向が注目され、それを前提にして日経平均は20000~20500円の中のもみあいを想定し、下に行く場合は2万円を守れるどうか、20500円を突破する場合は20500円水準が戻りの限界としました。

 しかし、週始めの中国の景気刺激策をきっかけに、アメリカでは好決算が続き、米中通商協議が順調に進展しているとの期待から、貿易摩擦の激化懸念が後退し、さらに週末には、FRB高官が追加利上げに対しては柔軟に対応するとの発言が続出し、利上げは一時、停止の見方が強くなり、株高、ドル高となり3指標そろって4日続伸しました。この日のアメリカ株に連動し、日経平均も週半ばまでは20600円以内のもみあいとなっていましたが、週末の18日(金)は、△263円の20666円と1ヶ月ぶりの高値水準となり、25日移動平均線を上回って引けました。

 3連休明けの15日(火)は、前日のアメリカ市場が中国景気減速懸念を嫌気し、続落で終わっていたとで、前場は▼94円の20264円で寄り付き、一時▼155円の20204円まで下げるものの、売り一巡後は円安基調を受けて上げへ転換し、時間外での米株価先物や上海株式の反発で△184円の20544円の前引けとなり、後場も堅調さを維持し、△195円の20555円で引けました。

 16日(水)は、アメリカ株高を受けて買い先行で始まるものの、すぐに売りに転じ、一時▼231円の20323円まで下げ、終値は▼112円の20442円と3日ぶりの反落でした。

 17日(木)は、前日のアメリカ市場は3指標とも続伸となったことで、△101円の20544円を反発して始まるものの、戻り売りに押され▼100円の20342円まで下げ、その後はプラスに転じる場面があるものの上値重く、終値は▼40円の20402円と続落しました。

 しかし、週末の18日(金)は、前日のアメリカ市場で、米中貿易摩擦の緩和を受け、3指標そろって3日続伸となったことで、さすがに日経平均も大きく連動し、△70円の20472円で寄り付き後、一段高となり一時△279円の20682円まで上昇し、終値は△263円の20666円と20600円を突破し、昨年12月19日(終値20987円)以来、ほぼ1ヶ月ぶりの高値水準となりました。25日移動平均線を上回って引けましたが、25日移動平均線がしっかりした下値ラインになるためには、現在、下向きですので上向きに転じる必要があります。

アメリカ株式が一服すれば、20000~21000円の中での日柄調整へ

 先週は、アメリカ株式の大幅上昇にサポートされ、日経平均も底堅い動きから上昇し、25日移動平均線を奪回し、アメリカ株式を追いかける形となっています。ただし、NYダウをみてみると、目先の戻りのフシである25000ドル水準に接近しており、いったん一服してもよいところにきています。為替が1ドル=110円台を突破してくるような動きとなれば、日本株独自の上昇も考えられますが、FRB高官による追加利上げの一時停止の発言もでており、円安には限界があります。相場環境は米中貿易摩擦も根本的に解決に向かうものではなく、中国の景気減速懸念や英国のEU離脱問題もあり、すっきりした形の上昇はなりにくいところです。日経平均は、まずは21000円のフシを試す場面といえます。柴田罫線でみても1月9日に20427円で短期の買転換となり、さらに1月15日に20555円で追加の買法則がでていますので、アメリカ株式と為替が堅調なら21000円を試す動きとなります。そうでなければ当面は20000~21000円の中での日柄調整が続くことになりそうです。

 本日21日(月)は、先週末のアメリカ株式の3指標の4日続伸を受けて、シカゴの日経先物が△295円の20925円となっていたことで、寄り付きは△182円の20848円となり、△226円の20892円まで上昇するものの、買い一巡後は伸び悩み、後場には20678円まで上げ幅を縮小しました。その後も上値重く、△53円の20719円で引けました。中国の主要経済指標の発表は予想通りで、反応は限定的であり、時間外の米株式先物の下落が日経平均の上値を重くしました。日経平均自体は、戻り歩調にあるものの、商いが膨らまないと戻り売りに押され、21000円突破は難しいといえます。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、米中貿易摩擦の不透明さや、米中の景気動向への懸念から上値の重い展開が想定されました。しかし、中国の景気対策の発言や米中通商協議が順調であるとの報道を受け、アメリカ株式は順調に戻りを続けたことで、20200~20600円の中でもみあっていた日経平均も、週末の1月18日(金)には△263円の20666円と20600円を突破し、25日移動平均線を上回って引けました。

 柴田罫線では1月9日に20427円で短期の買転換となり、さらに1月15日に20555円で追加の買法則が出ており、戻りを試す形となっています。目先は21000円を目指すことになります。(昨年の10月26日の安値20971円がポイント)

 今週は、アメリカ株式の上昇は、いったんいいところまで来ているので、一服するようだと上値追いは難しいと思われます。週明け、先週末のアメリカ株高を受けていったん上昇後、上値は重くなる可能性があります。ただ、アメリカ株式の上昇率からは出遅れており、シカゴ日経先物は△295円の20925円となっており、21000円水準まではテクニカル的にも戻りやすいと思われます。そこを抜けると21200円台が次の目標となります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、政府機関の一部閉鎖が長期化し、また、決算を控えており米経済の成長鈍化懸念も根強いので、1月4日からの上昇は、いったん一服する可能性があるとしました。ところが、金融部門の好決算や中国の景気刺激策、さらに米中通商協議が順調に進展との期待、又、FRBの高官による追加利上げいったん休止発言もあり、株高、ドル高が継続しました。NYダウなど主要3指標は4日続伸となり、週末1月18日のNYダウは△336ドルの24706ドルでした。ただし、ここまでくると目先の上値抵抗ライン(25000ドル水準)に接近しており、一服するとろです。

 今週は、1月21日(月)がキング牧師誕生日で祝日となるため、1月22日(火)からの営業となります。10~12月期決算発表が本格化し、イギリスのEU離脱問題や連邦政府閉鎖解除の見通しが不透明なため、先週大きく戻したあとの上昇は限定的となります。目先は上昇しても25000ドル水準では上値は抑えられることになりそうです。24000~25000ドルの中でもみあいが想定されます。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、英国EU離脱合意案が15日の議会で採決されなければ、リスク回避の円買いがありそうですが、一方で米中貿易摩擦の緩和期待が広がれば、ドルが買われる要因となります。

 結果的に、好決算が続き、米中通商協議が順調で貿易摩擦が後退し、さらにFRB高官の利上げ一時休止発言が相次いだことでドルが買われ、週末には一時109.89円まで上昇し、ドルの年初来高値の更新となりました。引け値は109.73円でした、想定レンジを107~109.5円としていましたのが、107.99~109.89円の大きな値動きとなりました。

 今週は、アメリカ経済減速懸念の思惑が広がっているために、FRB高官が追加利上げの一時休止を発言しており、ドルは底堅い動きが想定されます。ただし、イギリスのEU離脱交渉が不透明であり、政治的要因でドル買い/ユーロ売りが広がれば、ユーロ売り/円買いとなって、ドル/円に影響を与える場合があります。柴田罫線では、ドルが短期の買転換となっており、目先は111円を目指すことも想定されます。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム