高寄り後は上海株に足を引っ張られ

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/10/29 17:24

TOPIXは約1年4ヶ月ぶりの安値で終わりました

日経平均は-34円安の21149円と小幅ながら3営業日続落しました。

朝方は、先週大幅安した反動から自律反発となり、高値では+281円高の21465円まで上昇しましたが、買い一巡後は伸び悩み、上海株の下げ幅拡大とともに下落に転じて前引けにかけては小安くなりました。

後場は、昼休みの時間帯に上海株が下げ渋ったことや、日銀のETF買い期待も支えとなって上昇して始まりましたが戻りは限定的で、後場の上海株の一段安を受けて再度下落転換すると、その後もさえない動きとなりました。

上海株の下落であらためて中国の景気減速懸念が意識され、機械や電気機器、精密機器といった景気敏感株が売られるなか、 時価総額の比較的小さい中型株や小型株の下落が目立っています。

TOPIXも3日続落で、2017年6月以来およそ1年4ヶ月ぶりの安値水準となりました。

東証1部の売買代金は2兆5060億円、騰落銘柄数は値上がり638銘柄、値下がり1402銘柄、日経225採用銘柄では値上がり123銘柄、値下がり93銘柄でした。

信越化学が約25円、ファーストリテが約19円、日経平均を押し上げた一方、リクルートが約16円、KDDIが約16円など、押し下げています。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに5日続落で連日で年初来安値を更新し、日経ジャスダック平均は約1年ぶり、東証マザーズ指数は約2年ぶりの安値となっています。

日経平均のテクニカル指標はさらに調整が進み、25日線かい離率は連日で-8%超えとなっています。

引き続き上海株や米国株に大きく影響される展開となっていますが、日経平均自体はいつ自律反発入りしてもおかしくない水域にはあると思います。

一方で今週は30日から31日まで日銀金融政策決定会合、31日には黒田日銀総裁会見、9月鉱工業生産、中国10月製造業PMI、11月1日に米10月ISM製造業景況指数、2日に米9月貿易収支、米10月雇用統計など重要指標の発表などが続くことから、積極的な買いが手控えられやすい状況でもあります。

きょうは東証マザーズ指数が約4%の下落となり、信用取引の追証発生が強く意識されて相場全体の重しとなりました。

ただこちらは17年9月以来となる約1年ぶりの安値水準ですし、同じく新興市場のマザーズ指数も16年11月以来となる約2年ぶりの安値まで来ていますので、それぞれ自律反発は近いと思います。

新興市場を含めた市場全体として、すでに売られ過ぎと考えられる水準までは来ていますので、さらに下がる場合には段階的な買い下がりでいいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想