■日経平均は年初来高値更新でバブル後高値
先週の日経平均は上昇した。週間では3週連続の上げとなるなか、終値で24000円台をおよそ8カ月ぶりに回復し、取引時間中につけた1月23日の年初来高値24129.34円も更新した。3連休明け25日の日経平均は、日米首脳会談などの重要イベントを控えもみ合うなか、9月末の権利付き最終売買日であることから権利確保の買いと配当再投資に絡んだ思惑買いを支えに7日続伸でスタートした。26日は3、9月決算の配当権利落ち分(160円程度)の影響から下げて始まったものの、米長期金利の上昇を受けた為替の円安傾向と中国などアジア株の上昇を支えに切り返して8日続伸となった。27日は米中貿易摩擦への懸念が再燃するなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で事前予想通り、政策金利が引き上げられた。なかで、金融政策について「緩和的」という表現が声明文から削除され、当局による利上げ方針が終了間近であるとの見方から長期金利が低下した。これを受けて金融株が下落する場面もみられたが、28日は一転して大型株から全面高となり、日経平均は前日の下げを取り戻すとともに1月の年初来高値を更新し、およそ26年10カ月ぶりのバブル後高値水準となった。
■スピード調整を意識も日経平均は上値慕う
今週の日経平均はスピード調整による一服が予想されるものの、為替次第で一段高の可能性も秘めている。米国の対中貿易摩擦は長期化懸念が強まっているものの、日米首脳会談で「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始に応じる一方、自動車輸入関税を回避できたことで一つの波乱要素は乗り越えた。経済指標面で米国景気の堅調さが確認される中、FOMC声明を受けて一時低下した米国長期金利も上昇基調が継続されれば、一段のドル高・円安を促す材料となってくる。10月23日の日本電産<6594>の決算発表を皮切りに10月下旬から本格化する3月期企業の第2四半期決算では、輸出関連株を中心に業績の上方修正ラッシュとなる期待がある。スピード調整があっても相場の腰は強く、大きな崩れは想定しにくい。また、今週は国慶節で上海市場が1日から5日まで5日間休場(香港市場は1日のみ休場)となることから、中国株の影響が見込まれないこともポイントだ。一方、日経平均に比べて出遅れ色が強かったTOPIXは、9月25日に5月高値1819.74ポイントを更新して1月23日の年初来高値1911.31ポイントを目指す展開となっている。物色的にはトヨタ<7203>など自動車株、三菱UFJFG<8306>などメガバンク、富士通<6702>など大手電気といった1月高値銘柄の水準が切り上がるかどうかに関心が向かうほか、ノーベル賞の発表などで中小型の個別材料株の動きが注目されるだろう。
■海外投資家の買い越しが鮮明に
また、相場の変化は、指数面だけでなく需給にも表れている。東証が21日に発表した9月第3週(18日から21日)の2市場1・2部合計の投資主体別売買状況で、海外投資家は3週ぶりに買い越しに転じるとともに、その買い越し規模は2770億円と週間ベースでは7月第2週の3248億円に次いで今年2番目の買い越し規模に膨らんでいる。強調地合いとなった9月第4週も買い越していることはほぼ確実視でき、海外投資家の買い転換は需給面で大きなプラス材料だ。安倍首相が自民党総裁選で勝利して、政治の安定を海外投資家が好感したと予想できる。ちなみに、海外投資家は過去3年間において10月は月間ベースでいずれも買い越しとなっている。また、この海外投資家の買いは主力大型株だけではない。マザーズ、JASDAQとも2週連続で買い越しており、マザーズで7.96億円から48.86億円、JASDAQで6.68億円から20.91億円とその買い越し規模が膨らんでいる。物色のすそ野は新興市場にも広がっている。
■9月日銀短観、米9月雇用統計、内閣改造
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に9月日銀短観、2日に9月マネタリーベース、5日は8月家計調査、8月景気動向指数などが発表される。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、1日に米9月ISM製造業景況指数、2日にパウエルFRB議長講演、3日に米9月ADP雇用統計、米9月ISM非製造業景況指数、5日に米8月貿易収支、米9月雇用統計などが予定されている。このほか、国内外で予定されているイベントとして、1日は、国内の全証券取引所が売買単位を100株に統一、中国国慶節(7日まで)、ノーベル生理学・医学賞発表、米カナダ間のNAFTA再交渉期限、日経平均株価の定期銘柄入れ替え実施・新構成銘柄での算出開始、タバコ増税、2日は、ノーベル物理学賞発表、自民党役員人事、内閣改造、3日は、ノーベル化学賞発表、7日は、ブラジル大統領選挙などが計画されている。
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先週の日経平均は上昇した。週間では3週連続の上げとなるなか、終値で24000円台をおよそ8カ月ぶりに回復し、取引時間中につけた1月23日の年初来高値24129.34円も更新した。3連休明け25日の日経平均は、日米首脳会談などの重要イベントを控えもみ合うなか、9月末の権利付き最終売買日であることから権利確保の買いと配当再投資に絡んだ思惑買いを支えに7日続伸でスタートした。26日は3、9月決算の配当権利落ち分(160円程度)の影響から下げて始まったものの、米長期金利の上昇を受けた為替の円安傾向と中国などアジア株の上昇を支えに切り返して8日続伸となった。27日は米中貿易摩擦への懸念が再燃するなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で事前予想通り、政策金利が引き上げられた。なかで、金融政策について「緩和的」という表現が声明文から削除され、当局による利上げ方針が終了間近であるとの見方から長期金利が低下した。これを受けて金融株が下落する場面もみられたが、28日は一転して大型株から全面高となり、日経平均は前日の下げを取り戻すとともに1月の年初来高値を更新し、およそ26年10カ月ぶりのバブル後高値水準となった。
■スピード調整を意識も日経平均は上値慕う
今週の日経平均はスピード調整による一服が予想されるものの、為替次第で一段高の可能性も秘めている。米国の対中貿易摩擦は長期化懸念が強まっているものの、日米首脳会談で「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始に応じる一方、自動車輸入関税を回避できたことで一つの波乱要素は乗り越えた。経済指標面で米国景気の堅調さが確認される中、FOMC声明を受けて一時低下した米国長期金利も上昇基調が継続されれば、一段のドル高・円安を促す材料となってくる。10月23日の日本電産<6594>の決算発表を皮切りに10月下旬から本格化する3月期企業の第2四半期決算では、輸出関連株を中心に業績の上方修正ラッシュとなる期待がある。スピード調整があっても相場の腰は強く、大きな崩れは想定しにくい。また、今週は国慶節で上海市場が1日から5日まで5日間休場(香港市場は1日のみ休場)となることから、中国株の影響が見込まれないこともポイントだ。一方、日経平均に比べて出遅れ色が強かったTOPIXは、9月25日に5月高値1819.74ポイントを更新して1月23日の年初来高値1911.31ポイントを目指す展開となっている。物色的にはトヨタ<7203>など自動車株、三菱UFJFG<8306>などメガバンク、富士通<6702>など大手電気といった1月高値銘柄の水準が切り上がるかどうかに関心が向かうほか、ノーベル賞の発表などで中小型の個別材料株の動きが注目されるだろう。
■海外投資家の買い越しが鮮明に
また、相場の変化は、指数面だけでなく需給にも表れている。東証が21日に発表した9月第3週(18日から21日)の2市場1・2部合計の投資主体別売買状況で、海外投資家は3週ぶりに買い越しに転じるとともに、その買い越し規模は2770億円と週間ベースでは7月第2週の3248億円に次いで今年2番目の買い越し規模に膨らんでいる。強調地合いとなった9月第4週も買い越していることはほぼ確実視でき、海外投資家の買い転換は需給面で大きなプラス材料だ。安倍首相が自民党総裁選で勝利して、政治の安定を海外投資家が好感したと予想できる。ちなみに、海外投資家は過去3年間において10月は月間ベースでいずれも買い越しとなっている。また、この海外投資家の買いは主力大型株だけではない。マザーズ、JASDAQとも2週連続で買い越しており、マザーズで7.96億円から48.86億円、JASDAQで6.68億円から20.91億円とその買い越し規模が膨らんでいる。物色のすそ野は新興市場にも広がっている。
■9月日銀短観、米9月雇用統計、内閣改造
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に9月日銀短観、2日に9月マネタリーベース、5日は8月家計調査、8月景気動向指数などが発表される。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、1日に米9月ISM製造業景況指数、2日にパウエルFRB議長講演、3日に米9月ADP雇用統計、米9月ISM非製造業景況指数、5日に米8月貿易収支、米9月雇用統計などが予定されている。このほか、国内外で予定されているイベントとして、1日は、国内の全証券取引所が売買単位を100株に統一、中国国慶節(7日まで)、ノーベル生理学・医学賞発表、米カナダ間のNAFTA再交渉期限、日経平均株価の定期銘柄入れ替え実施・新構成銘柄での算出開始、タバコ増税、2日は、ノーベル物理学賞発表、自民党役員人事、内閣改造、3日は、ノーベル化学賞発表、7日は、ブラジル大統領選挙などが計画されている。
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