より個別物色の流れが強まる可能性

配信元:フィスコ
投稿:2018/06/25 08:27
 25日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。22日の米国市場はまちまちの展開だった。石油輸出国機構(OPEC)で協調減産が緩和されたものの、想定内の増産に留まったことを受けた原油相場の上昇が材料視されたが、一方で米国と中国及び欧州連合(EU)との貿易摩擦への懸念が重石となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の22500円。円相場は1ドル109円90銭台と横ばいで推移している。

 ファーストリテイリング<9983>など日経平均寄与度の高い一部の値がさ株が日経平均を支えている結果、NT倍率は21日に多くの日経平均構成銘柄の入れ替えがあった2000年4月以降で最高となる12.96倍まで急上昇した(22日は12.90倍)。東証1部の年初来安値更新は日産自<7201>など自動車や、セイコーHD<8050>などの精密、三菱UFJ<8306>などメガバンクを始めとする金融株に広がっている。米中の貿易摩擦の落としどころが見えてくる発言や動きがあれば、トレンドは好転するとみられるものの、しばらくは下値不安が警戒されるところであろう。

 物色はIPOが続くこともあり、個人主体の資金は中小型株に傾きやすい。ただ、持続性がない面も目立っており、資金の逃げ足の速さには注意しておきたい。また、今週は株主総会が集中するため、より個別物色の流れが強まる可能性もある。主力企業などは株主総会を受けた機関投資家による見直しが強まることも考えられよう。
(村瀬智一)
<AK>
配信元: フィスコ

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