先週は、前半は北朝鮮ミサイルで19300円割れ、後半はアメリカ株高、円安で一時19700円回復
先週の予測では、北朝鮮リスクとトランプ政権の政治リスクへの懸念と、さらに週末の8月雇用統計を控えて様子見から、こう着の強い展開を想定しました。為替に関しては強弱入り交じっており、方向感が出にくいものの日経平均は薄商いの中を為替に左右されやすく、チャート分析では19000~19700円のレンジの中で、1ドル=108円台になってくると19000円を試す動き、110円台になると19700円を試す動きが想定されるとしました。
結果的に、週前半は北朝鮮の弾道ミサイルを受けて為替は一時108.27円の円高となり、日経平均は19280円まで下げ、週半ば以降はアメリカの経済指標の結果が相次いで予想を上回ったことで、アメリカ株式の上昇とドル高が続き、一時110.67円の円安となったことで19735円まで上昇して週の終値は△45円の19691円で引けました。
28日(月)は、前週末のジャクソンホール会合でイエレン議長の金融政策に言及がなかったものの、イベント通過ということで買い戻し先行で△49円の19502円と寄り付いて19535円まで買われたものの買い一巡後は伸び悩み▼2円の19449円の小幅反落となりました。29日(火)には、早朝に北朝鮮が日本上空を通る弾道ミサイルを発射したことで、一時▼169円の19280円まで下げましたが、売り一巡後はETF買い期待が下支えになって下げ渋り▼87円の19362円で引けました。30日(水)は、前日のアメリカ市場では北朝鮮のミサイル発射でダウは一時▼135ドルの21673ドルまで下げ、為替はドルが108.20円台まで売られるものの、すぐに110円近辺に戻し、アメリカ株式は3指標ともプラスに転じたことで、日経平均は3日ぶりの反発となって△143円の19506円と19500円台を回復しました。31日(木)も引き続きアメリカ株高、円安を受けて主力株中心に買い戻され△139円の19646円と続伸しました。月末の株高は2月以来となります。9月1日(金)は前日のアメリカ市場では、経済指標の好結果を受けてナスダックが史上最高値を更新し、3指標そろって上昇したことで日経平均もいったん目先の上値抵抗ラインである19700円を上回る19735円まで上昇しましたが、終値では△45円の19691円となりました。
9月1日(金)のアメリカ市場は、注目の8月雇用統計は予想を下回ったもののISM製造業景況指数は予想を上回り、又、コーン国家経済会議委員長が「経済については十分満足」との発言で買い安心感が広がり、ナスダックは2日連続で最高値更新し、NYダウは△39ドルの21987ドルとなりました。シカゴの日経先物は19690円でした。
今週は、北朝鮮の水爆実験を受け、様子見状態へ
今週は、対外的にはアメリカの経済指標をにらみながらのFRBが年内の利上げの実現性の見通しや、9日の建国記念日を前に北朝鮮情勢の緊迫感が注視されることになります。先週の8月29日に北朝鮮は北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射したことで地政学的リスクが高まって日本株は一時、下落したもののアメリカはあまり反応せず、逆に株高・ドル高となったことで日本株の買い戻しが優勢となって一時19700円台を回復しました。 チャート予想では19000~19700円のレンジの中で、さらに19300~19500円の小さなレンジを中心に動き、為替が1ドル=110円をこえる円安になると19700円を試す動きになるとしましたが、結果的に為替が1ドル=110.67円までの円安となり、日経平均も週末の1日(金)に19735円まで上昇し、19691円で引けました。目先は、目標達成感から一服する可能性がありますが、北朝鮮情勢に変化がなくアメリカ株高・円安が続けば19900円を試す動きが想定されます。 しかし、昨日の9月3日(日)の午後、北朝鮮は水爆の核実験を実施しました。これまでにない最大規模の実験のようで今週はアメリカの対応が注目となります。緊張が高まれば先週想定した19000~19700円のレンジの中で下値を模索する動きとなる可能性があります。中国も今回は批判を強めており北朝鮮への国際的な対応をみることになります。
本日は、北朝鮮の水爆実験を受けて東アジアの地政学的リスクが高まり、リスク回避の売り先行となりました。日経平均は▼75円の19615円で寄り付いたあと、為替も109円台後半の円高となっていることで一時▼212円の19479円まで売られました。売り一巡後は下げ幅をやや縮小するももの、本日の4日はアメリカ市場はレーバーデーで休場となるため見送り商状となり、後場は19500円水準でこう着状態となり▼183円の19508円で引けました。
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(指標)日経平均
先週の予測では、北朝鮮リスクとトランプ政権の政治リスク懸念がくすぶる中、今後は為替の動向が注目となるとし、円安が進行すれば日経平均は買い戻されることになるとしました。その場合19000~19700円のレンジの中で1ドル=110円を上回る円安になってくると19700円を試す動きを想定しました。
週前半は北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて為替は一時108.27円の円高となり、日経平均は8月29日(火)は19280円まで下落。その後はアメリカの経済指標の好調さからアメリカ株高・ドル高となって110円台の円安になったことで9月1日(金)は19736円まで上昇して△45円の19691円で引けました。
今週は、19000~19700円のレンジの中で、為替が110円台の円安となったことで19300~19500円の小さなレンジを突破して19700円水準を試したことで、目先一服感が出るか、それともアメリカ株高を円安が続いて、さらに戻りを試すことになるのか見極めるところです。外部環境としては、9月9日の北朝鮮の建国日に向けて再度のミサイル発射の可能性もあり、地政学的リスクが高まる局面です。結局、3日の日曜日の午後、北朝鮮は水爆の核実験を実行しました。今週は、この北朝鮮の情勢にアメリカがどう対応するのかの様子見となって上値の重い展開となり、19300~19700円のレンジで下値をさぐる展開が想定されます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、北朝鮮リスクやトランプ政権の政治リスクへの懸念から上値は限的で株式市場は不安定な動きを想定しました。 しかし結果的には経済指標が好調でアメリカの景気回復が期待され、それにもかかわらず早期利上げ観測が出なかったことで株価は上昇し、ナスダックは史上最高値更新、NYダウも再び22000ドル回復を目指す動きとなりました。29日(火)の朝方、北朝鮮は日本上空を通る弾道ミサイルを発射しましたが、一時的に▼135ドルの21673ドルまで下げるもののすぐに織り込み、その後の経済指標の予想を上回る結果を受けて、4日連続の上昇となり週末は一時22038ドルまで上昇して△39ドルの21987ドルで引けました。
先週末の8月雇用統計が予想を下回ったことで利上げ観測が後退し、一方でアメリカ経済は好調との見方から株価は上昇する動きとなりました。今週は9月末の政府の債務上限引き上げでの可否で政府機関封鎖の懸念が強まっていましたが、ハリケーン災害の復興が遅れないようにするため、閉鎖の懸念は後退しています。一方で北朝鮮リスクは再度ミサイル発射があれば緊張が高まってくることになります。トランプ政権の政治対応と北朝鮮問題の動きを見極めながらの相場の動きとなりそうですが、NYダウが8月8日の22179ドルを引線の終値でこえてくると、柴田罫線で「ろく買」という追加の買法則がでて、もう一段の上昇が期待できることになります。
(指標)ドル/円
先週の予測では、前週末の26日(土)の北朝鮮のミサイル発射による地政学的リスクやトランプ政権の政治的混乱の懸念から為替の方向感が出にくく108~111円のレンジを想定しました。
結果的に、週始めは北朝鮮の日本上空を通過する弾道ミサイルの発射を受けて8月29日(火)には一時1ドル=108.27円までドルが売られましたが、その後は好調な経済指標が相次いだことでアメリカの経済回復期待からナスダックが史上最高値を更新し、株式が4日連続上昇となってドルも買われ8月31日(木)は110.67円の高値をつけ、週末の9月1日(金)は110.28円で引けました。 想定した108~111円のレンジの下限から上限までの動きとなりました。さらに円安を試すには111円を終値で上回ると柴田罫線でドルの買転換出現となります。
今週は、トランプ政策とFRBの金融政策の不透明感が広がっていることから方向感のない展開が想定されます。トランプ大統領のメキシコ国境付近の壁建設に関し、予算の問題で議論が長引けば税制改革の論議が停滞し、ドル売り優勢になる可能性があり、一方で経済指標が好調であれば年内追加利上げ観測が再燃しドルが買われることになります。目先は1ドル=111円を突破できれば112円を試す動きとなりそうです。
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