帝人[東1](3401)は、日経225採用の材料株となるか
帝人[東1](3401)は、27日に427円(+27円)と急伸しました。
26日に帝人グループで炭素繊維・複合材料事業を展開している東邦テナックス株式会社が、航空宇宙関連企業であるUTCエアロスペースシステムズ社(本社:米国・コネチカット州、社長:デビッド・ギトリン)との間で、同社が製造する航空機用ブレーキ材向けに、耐炎繊維「パイロメックス」の新たな供給契約を締結したとの発表を材料視した買いが入りました。
2030年までの契約期間で、供給量も従来の約2倍に拡大、合計売上高は約200億円を見込みます。生産面では米国拠点で休止中の炭素繊維製造設備の1ラインを転用し、能力を40%増強するようです。
24か月移動平均線(346円)を割り込んでいない日経225採用銘柄として上値を試すような動きを見せるか注目されます。
昨年、ファーストリテ[東1](9983)、ソフトバンク[東1](9984)、ファナック[東1](6954)など日経寄与度の高い銘柄、トヨタ[東1](7203)や三菱UFJ[東1](8306)など主力株の多くが、2006年、或いは07年を奪回し高値を形成し、24か月移動平均線を割り込み、調整色を色濃くしています。
そのような中、帝人[東1](3401)は、9か月移動平均線が上値抵抗線となるものの、24か月移動平均線が下値支持線として意識されていますから、日柄調整の域と感じられます。
同社は、2016年度の経営目標として、売上高8,000億円、営業利益500億円、当期利益ROE8%の達成を目指しています。また、将来的には、「ヘルスケア」および「複合/高機能材料」を主要2事業とする企業体として、2020年度には当期利益ROE10%超目標を掲げていますので、2月1日に予定される今16年3月期第3四半期決算が順調に推移していることが確認できれば、17年3月期業績見通しに対する期待感が高まると思われます。
また、同社が昨年1月に動きを生地でデータ化するウエアラブルセンサー「圧電ファブリック」を関西大学と共同開発しましたので、ウエアラブルデバイス関連として見直される可能性もあります。
1月6日高値438円抜けとなれば、24か月移動平均線(347円)を割り込んでいない日経225採用銘柄として上昇トレンド入りが期待されそうです。外部環境離れ、他の225採用銘柄と異質な動きを見せるか市場の関心を集めると予想されます。
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