2000年4月以来、約15年ぶりの高値
日経平均の上昇が止まりません。
12日木曜日には前日のNYダウが200ドル以上も下落したものの、日経平均は寄り付き後に反発。後場には上げ幅を拡大し、一時19,000円に乗せる場面もありました。
そして、本日はNYダウの大幅上昇を受け、日経平均は寄り付きから19,119円としっかりと堅調地合いを維持し続伸。
終値は前日よりも263円高い19,254円となりました。いよいよ19,000円に乗せてきて、大きな節目とされている2万円も目前となっています!
この上昇の背景には、企業決算を期待した買いに加え、日経平均への寄与度の高いファナックが大きく買われ日経平均を押し上げたことなどがあります。
しかし、それ以上に日本株を買う「5頭のくじら」の存在に改めて注目が集まったことも原因の1つにあるようです。
日本株を買う5頭のくじらとは?
ニュースが出たのは木曜日の早朝でした。
日経新聞電子版が、公的資金を指す「くじら」が株式市場に及ぼす影響力を記事にしたことが原因となったようです。
その5頭のくじらとはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を筆頭に巨額の資金を株式市場で運用している機関のことを指します。
本命のGPIFは、昨年の10月に運用方針を大きく変更し、国債から日本株への組み入れ比率を高めたために、これまで以上に日本株を買う余力が大きくなっており、あと7兆円以上の余力があるようです。月にして1兆円足らずの日本株買いを行うわけですから、ここ最近の日本株の底堅さも頷けます。
2頭目は、地方公務員共済組合連合会などの3つの共済年金です。3共済は、今年の秋までにGPIFと同水準まで日本株保有比率を高める計画となっています。
3頭目は83兆円もの運用資金を持つかんぽ生命です。昨年末より日本株への組み入れ比率を大きく増やしてきたとはいえ、未だ1%未満となっているようです。
2014年9月末時点では約5500億円を保有しているということですから、仮に日本生命保険など民間大手並みの13%程度まで増やすとなると、残りの買い余力はあと8兆円もあるということになります。こうなれば、GPIFの買い余力をも上回ることになる非常に大きな日本株の買い手ということになります。
・かんぽ生命が株式投資
http://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/japan-post-insurance-equity-investment/
そして、4頭目は資産200兆円を誇るゆうちょ銀行です。こちらも、今年の上場を控え、運用収益を高める為にも日本株での運用を計画しているようです。仮に1%でも2兆円の資金が株式市場に流入することになりますが、別表のUSB証券の推計値のように資金の5%を日本株で運用するとなるとその額は10兆円を超す計算となります。
最後に、昨年より追加の金融緩和を発表し、ETF、RIETを年間3兆円買っている日本銀行になります。
この影響からか、日本の株式市場では前場で下がっても後場の日銀の買いを期待して株式市場が持ち直す傾向があるようになっています。
週に2回程度のペースで毎回340億円程度のETFを買い支える威力は、昨年より3倍増しとなってるだけあってやはり強力なようです。
これら5頭の買いを合わせると、約28兆円もの買い余力があることから、日本株はほとんど調整局面の無いまま順調に上昇しているというのです。
アメリカのカリフォルニア州の公務員の年金を運用する年金基金カルパースでも、運用資金が日本円にして30兆円程度ですから、これら5頭の資金がいかに巨大か良く分かりますね。
主体 | 資産規模(兆円) | 日本株比率 | 組み入れ目標 | 買い余力(兆円) |
---|---|---|---|---|
GPIF | 137 | 19.80% | 25% | 7.1 |
3共済 | 30 | 10~15% | 25% | 3.4 |
かんぽ生命 | 83 | 0.90% | 5~10%(仮定) | 8 |
ゆうちょ銀行 | 205 | 0% | 5%(仮定) | 10.3 |
日本銀行 | ― | ― | ― | 3 |
合計 | 455(日銀は除く) | ― | ― | 27.8 |
そして、日本企業の企業業績が順調に伸びており、昨年よりも原油価格が安いことや個人消費が伸びていることも株価の押し上げ要因となってもます。
つまり、これはバブルではなく上がるべくして上がる相場ということではないでしょうか。事実、日経平均のPERも17倍程度(標準は15倍)となっており過熱感を示してはおりません。
年初に6月末までに日経平均は2万円まで上昇するという金融機関が多くありましたが、まさにその通りの相場展開となっています。
2000年のITバブルの時に付けた21000円台も視野に入ってきており、世界的株高の後押しもあれば、そこを越えてくる可能性も十分考えられます。
4月から新生活を始められる方は、それとともに絶好調の日本の株式市場で投資を始めてみてはいかがでしょうか。
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