後場に注目すべき3つのポイント~地政学警戒も次第に押し目拾いのタイミングを探る流れに

配信元:フィスコ
投稿:2018/04/12 12:32
12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

日経平均は小幅下落、地政学警戒も次第に押し目拾いのタイミングを探る流れに
・ドル・円は下げ渋り、米株式先物のプラス圏推移で
・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位は京セラ<6971>


日経平均は小幅下落、地政学警戒も次第に押し目拾いのタイミングを探る流れに

日経平均は小幅に下落。7.03円安の21680.07円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えた。11日の米国市場ではNYダウが200ドル超の下落となった。これについては昨日の段階で織り込まれており、想定内の下げといったところであろう。ただし、トランプ大統領がシリアへの軍事攻撃を示唆したほか、同国を支援するロシアとの関係悪化に言及し、地政学リスクの高まりが重石になり、こう着感の強い相場展開となった。再び内需株物色に向かっていることも手掛けづらさにつながっているようである。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり値下がり数が拮抗。セクターでは鉱業、精密機器、その他製品、小売、サービスが小じっかり。半面、ガラス土石、ゴム製品、石油石炭、非鉄金属、海運がさえない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>テルモ<4543>、ユニファミマ<8028>が堅調。一方でファナック<6954>京セラ<6971>コマツ<6301>が重石。

日経平均は底堅さが意識されているが、シリア情勢の緊迫化から再び内需に資金がシフトしており、手掛けづらさがうかがえる。ただ、中小型株の一角が買い戻されており、地合いはそれほど悪くなさそうである。後場は日銀のETF買い入れへの思惑から売り込みづらいほか、明日のオプションSQを控えて、仕掛け的な売買も限られるだろう。シリアについては米国による空爆を織り込んできていると考えられ、その中での底堅さゆえ、次第に押し目拾いのタイミングを探る流れに向かわせそうだ。

また、内需シフトも、小売決算が今週でピークを通過するため、外需へのシフトを意識しておく必要がある。そのため、本日決算発表が予定されている安川電機<6506>の値動きに関心が集まる。動きが出てくるまでは、中小型株での短期的な値幅取り狙いが中心となろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は下げ渋り、米株式先物のプラス圏推移で

12日午前の東京市場で、ドル・円は下げ渋り。米株式先物のプラス圏推移で今晩の米国株の反発が見込まれ、ドル売りは後退した。

ドル・円は、日経平均株価のマイナス圏推移を背景にドル売り・円買いに振れ、一時106円70銭まで弱含んだ。ただ、国内勢の買戻しが観測され、106円後半で下げ渋る展開が続いた。

ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しており、目先の日本株高への反転期待でドル売り・円買いは後退。米株式先物のプラス圏推移も、ドル買いを支援しそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円70銭から106円93銭、ユーロ・円は132円06銭から132円32銭、ユーロ・ドルは1.2364ドルから1.2380ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

マーケットエンタープライズ<3135>山陽百貨店<8257>など3銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位は京セラ<6971>


■経済指標・要人発言

・前田栄治日銀理事
「粘り強く緩和政策を継続する」
「2%物価目標への道筋を着実に歩んでいる」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
特になし

<海外>
特になし

<DM>
配信元: フィスコ

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