<話題の焦点>=スマホ関連株リターンズ、高機能化で新成長ステージへ

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2017/07/06 12:10
 スマートフォン市場の成長鈍化観測が電子部品メーカーや半導体関連企業の株価に影を落としたが、現在の株価調整場面は中長期的に仕込み場となっている可能性が高い。2016年のスマホ出荷台数は前年比2%増の14億7000万台強にとどまり、その前年(15年)の2ケタ伸長から成長速度は減速した。しかし、これはあくまで成長の踊り場であって、今年度以降は再びハイエンド機種の需要拡大などを背景に、関連企業が潤うとの見方が強まっている。

 米アップル社の「iPhone」が発売10周年を迎えることが話題となったが、この間に構築されたスマホ経済圏は世界の実勢経済に大きな影響を与えた。iPhoneは10年間で累計約12億台を販売、この10年という月日はアップルの株価にも大きな影響を与え、10ドル台から150ドル台まで大変貌させた。

 高機能モデルは主にこのアップルと韓国サムスン電子が双璧で需要を囲い込んでいる。16年はこの高機能スマホの出荷台数の伸びが減速したことで、両社の業績は精彩を欠いた。しかし、これに続く華為(ファーウェイ)などの中国スマホメーカー数社の業績は絶好調で、スマホ市場全体の伸びが鈍化しているということではない。

 今年は何といっても秋に発売が予定されるアップルの「iPhone8」が話題を集めている。今年9月の発売が有力視されている。製造の遅れからスケジュールが後ズレするとの見方も出ているが、いずれにしても株式市場にもインパクトの大きい材料としてマーケットの視線を釘付けにすることは間違いなさそうだ。

 iPhone8は有機ELディスプレーの採用に加えて、筐体表面がほぼスクリーンとなるとみられることや、現行の指紋認証機能の代わりに顔認証技術が搭載されるとの観測も出ており、マーケットの視線も熱い。

 村田製作所<6981.T>、アルプス電気<6770.T>日東電工<6988.T>などアップルの有力サプライヤーである電子部品株に見直し買いが期待されるだけでなく、有機EL素材を手掛ける保土谷化学工業<4112.T>ケミプロ化成<4960.T>倉元製作所<5216.T>や有機EL製造装置を手掛けるブイ・テクノロジー<7717.T>平田機工<6258.T>なども再動意する場面が訪れそうだ。さらに、近い将来に顔認証がモバイル端末の標準となれば、サクサホールディングス<6675.T>モルフォ<3653.T>なども物色人気を集める可能性がある。また、ワイヤレスイヤホンの普及が加速するなかでオンキヨー<6628.T>フォスター電機<6794.T>MCJ<6670.T>なども改めて注目されそうだ。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ

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