悪材料ばかりが目に付くが・・・

著者:田村祐一
投稿:2016/06/07 18:50

一旦買戻しが入る

7日の日経平均株価は、
前日比95円42銭高の16,675円45銭で引けました。

米ドル為替の円高進行が一服し、
輸出関連株を中心に買いが入りました。


現在の株式市場は、悪材料を探して株価が下落している局面です。

悪材料として挙げられているものを確認すると、

・米国大統領選挙の行方(トランプでもクリントンでも日本にとってマイナス)
・英国がEUを離脱する懸念(他のEU加盟国に波及し、EU崩壊の懸念)
・アベノミクスの失敗による日本経済の後退懸念(主に海外投資家が抱く懸念)
・米国経済の行方(3日の米国雇用統計の結果を受けて)

と枚挙に暇がありません。


6日の米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の講演で、
利上げへの発言が無かったことで、

円高警戒感は和らいだものの、市場では想定の範囲内と受け止められており、
相場のトレンドが上向きになるほどの力はありませんでした。

短期的に日本株市場は調整局面に突入しており、
1万6000円を割る水準まで下落する可能性があることには注意が必要でしょう。


日本株市場が調整する懸念はあるものの、

6月に入り大きく株価が下落していることから
本日と同様に8日も買戻しが入りやすくなると想定します。

ただし、トレンド自体は下向きである可能性が高く、
買戻しも限定的であると考え、8日の日経平均株価は、

「小幅ながら上昇して引ける可能性がある」と判断しました。



■6月の株式市場のスタンスは?

過去の株価データを分析すると、
6月の株式市場が上昇する確率は約52%です。

この数字は12ヶ月の中では4番目に好調な数字であり、
6月は比較的株価が上がりやすい月と言えるでしょう。

6月が好調な理由は、
「サラリーマンのボーナス月」であることが挙げられます。

ボーナスの資金が株式市場に流れ込み、
株式市場が好調に推移しやすい傾向が強いのです。


個人の資金が潤沢になることが原因かは定かではありませんが、

6月の株式市場は、大型株よりも新興株のほうが勝率が高く、
大型株の勝率が約50%に対し、新興株の勝率が約54%と高くなっています。


6月は業績絶好調で上昇トレンドを形成している
新興銘柄に注目する戦略が有効でしょう。

なお、6月の株式市場では、
「銀行業」や「保険業」の成績が例年低調です。

これらの業種に注目する場合には、
他の業種以上に慎重に投資判断を下すと良いでしょう。
田村祐一
フェアトレード(株)所属
配信元: 達人の予想