手控え姿勢で一進一退、緩やかながら地合い好転の兆し
明日の東京株式市場見通し
26日の東京株式市場は、現地26日から27日まで開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や、日銀の金融政策決定会合(28~29日)を前にして、手控え姿勢が一段と強まり、
日経平均株価は一進一退の展開となりそうだ。
市場関係者からは「前週末に
日経平均株価が941円高と急騰した直後だけに、反動の売りを懸念する向きもあった。しかし、海外株高と円安進行を追い風に、続伸を維持できたことは、緩やかながら地合いの好転を示しているようだ」との見方も出ていた。
25日の東京株式市場は、前週末の海外株高などを受けて買いが先行。
日経平均株価終値は、前日比152円38銭高の1万7110円91銭と続伸した。外国為替市場での円安進行や原油価格の落ち着きなどを好感し買い優勢となった。
25日の動意株
オンコセラピー・サイエンス<4564>=後場急伸。
前引け後に、臨床開発中のMELK阻害剤「OTS167」について、急性骨髄性白血病に対する第1/2相臨床試験を開始すると発表。同臨床試験は、急性骨髄性白血病の患者を対象に安全性や推奨投与量の確認を行い、確認後には、急性骨髄性白血病を含む予後不良の各種白血病についてのPOC(Proof of Concept=有効性や安全性を含めて作用機序などが臨床において妥当であることの証明)を獲得することを目的としたもの。
ジグソー
<3914>=大幅高。
同社はきょう、資本提携先の英Kudanと新たにウエアラブル向けAR(拡張現実)/VR(仮想現実)モジュール分野で共同研究を開始したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。両社はAR/VRエンジンの超小型軽量化およびLTE通信チップへのモジュール組み込みを行い、メディカル・医療分野のオペサポート、製造業における機器のメンテナンスでの活用を見込んでいる。
サイボウズ<4776>=急伸。
この日午前中に、
コクヨ<7984>との協業を発表し、コクヨが提供するデジタルノート「CamiApp S(キャミアップ エス)」と、サイボウズが提供する業務アプリケーション構築クラウド「kintone(キントーン)」との連携ソリューションを2月から提供すると発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。今回の協業ソリューションは、紙の帳票に書くだけでデータ化できるデジタルノート「CamiApp S」を用いて現場の情報を記入し、PaaSである「kintone」へのデータの自動転送を可能にするというもの。
阿波製紙<3896>=ストップ高。
25日付の日本経済新聞で、「27日から、紙すきの製法を生かしたシート状の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の供給を始める」と報じられ、業績への寄与を期待した買いが入っている。記事によると、紙すきのノウハウを生かして、厚さ1ミリメートルのシート内に炭素繊維とプラスチック繊維を均一に分散させて強度を高めたのが特徴という。従来のペレット状のCFRPに比べて、より複雑な形状の自動車部品などに成型できることから、需要の広がりが期待されている。なお、阿波製紙は25日、「長年培ってきた機能性材料技術を応用展開した、“CARMIX CFRTPマット” と“CARMIX熱拡散シート”の2品種の量産体制が整い、1月27日から販売を開始する」と発表した。
東京製鉄<5423>=上昇加速。
同社は22日取引終了後、16年3月期第3四半期累計(15年4~12月)の単独決算を発表。売上高は1049億7100万円(前年同期比15.6%減)と減収だったものの、営業利益は138億円(同51.1%増)、最終利益は130億8000万円(同2.3倍)といずれも大幅な伸びを示した。中国の過剰輸出が鋼材市況の低迷を招いているが、利益面では製品単価の値下がりが想定を下回ったほか、鉄スクラップ価格の低下や原油安による電力料金および燃料コスト低減効果も寄与した。
加地テック<6391>=続急伸。
同社は22日の取引終了後、16年3月期の単体業績予想の修正を発表。売上高を従来予想の54億円から55億円(前期比23.1%増)へ、営業利益を3億6000万円から5億円(同5.2倍)へ、純利益を2億3000万円から3億円(同9.1倍)へ上方修正、これを好感している。比較的採算性が良好な案件があったことや原価削減効果が寄与している。
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