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★1/4日経3面デマ解説(経済論説・政策が不合理になる原因)
本日の日経新聞、朝刊3面、けいざい解説(編集委員、大塚節雄(ペンネーム?))では、円安で交易条件悪化、実質賃金低下と論説。
経済新聞をうたってるのに経済論説がハチャメチャである。
日経論説の劣化はここ4、5年著しい。
日経の経済データは今やネットで引けるものが多く、より詳細なデータはそれぞれの専門紙を見たほうが良い。
経済論説がハチャメチャならば、高い購読料を払って日経を読み続ける意味はないだろう。
しかし、そうやって購読者が減っても、保護規制で守られてる限り、収支トントンならば日経がつぶれることはない(ダメダメ毎日新聞ですらそう)。
右肩下がりでも高給が維持されるので、論説の劣化は止まらない。
これは日本の新聞、TV全てにみられる現象である。
潰れもしないが、発展もない中で劣化だけが進んでいき、最終的に大崩壊につながることになるのでしょう。
保護規制、社会主義など市場原理が働かない世界で必ず起きることが、日本の新聞、TVにも起きている(TVの場合はバラエテイでの競争があるので、報道部門の劣化があってもまだマシ。出世するのは後者でも稼ぎ頭は前者である)
一方、ネットメデイアでは役所が保護規制をかける余地が小さいので、比較的、自由に合理的に論説を展開出来る。
ネットメデイアでも紙媒体同様、読者にとってメリットが乏しい買収論説も横行するだろうが、まともな論説も潰されにくい。
玉石混交だが、玉は無くならない。
投資でも何でも、正確な「事実」の収集と、その合理的な「分析」がキモである。
以上のような日本マスコミの現状からすれば、「事実」の部分はネットで内外通信社配信をチェックし(偏向除去)、「論説」はネットメデイアの中から玉を選り分け、自分の頭でも考える、、、そういう方法がベストと思います。
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日経論説抜粋(以下、おかしいカ所に赤字&下線)、、、、
実質賃金の変化は、労働生産性、労働分配率、交易条件に影響される。
労働生産性とは、投資家が供出した資金を元手に(経営者含む)労働者一人当たりが生み出す稼ぎ (注記.働いても儲からない、稼げないリスクもあるが、そのリスクは全て投資家にツケ回し
される)
労働分配率は、上記の稼ぎのうち、労働者に分配される割合
(注意.労働者に分配された後の残金が企業の内部留保と株主配当に回される。赤字経営でも
労働者賃金は保障されるが、株主配当は保障無し。 よって、相当の稼ぎがないと株主配当は
出ず、投資家はリスクに見合った収益を得られず、資産を目減りさせることになる)。
交易条件は、輸出物価÷輸入物価で、貿易による実質所得増大度合いを表す指標
(注記.労働生産性での一人当たり稼ぎに、労働分配率を乗じて一人当たり賃金が定まるの
で、生産性・分配率が上がるほど実質賃金は上がりやすい。 また、交易条件が改善するほ
ど、貿易面からも実質賃金が上がりやすくなる)
交易条件は1990以降悪化。
輸出物価は海外競争で低下し、輸入物価は国際商品市況高騰で上昇し、企業収益圧迫
円安にするほど輸入物価上昇で交易条件悪化、実質賃金低下要因になる(みずほ銀、唐鎌チーフエコノミスト)
アベノミクス(第一の矢)では円安で輸出企業の収益を増大させ、それにより社会全体に賃金、投資の増大を誘発し、やがて家計や中小企業にも波及させることを狙っている。
円安により生産性、分配率は上がりうるが、円安化、輸入物価上昇での交易条件悪化は確実に進むので、円安デメリットが上回りがち
最近は国際原油価格低下で円安デメリットはあるものの以前ほどでない
円安が急速に進まなければ、原油安での交易条件改善が実質賃金上昇をもたらし、個人消費回復を促進。 これは金融緩和、成長戦略などアベノミクスのおかげでなく、原油安の神風のおかげ(富士通総研、早川エグゼブテイブフェロー)
アベノミクスでの日銀の異常な通貨供給(国債購入)のコストは小さくない。
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上記論説のおかしい点、、、、
1) 交易条件の実質賃金寄与度は小さく、労働生産性の寄与度は大きいのに、前者を過大評価し、
後者を過小評価(ほぼ無視)。
・ 交易条件や労働分配率の実質賃金への寄与度は小さい。
・ 交易条件の実質賃金への寄与度が小さいのは、貿易立国でも、GDP(稼ぎ)の多くは内需由来
だから。
・ 労働生産性には上限がないが、労働分配率には自ずと上限があり、このため、労働分配率の実
質賃金への寄与度は小さい。
・ 日本でも、実質賃金への寄与度は労働生産性が圧倒的に大きく、労働分配率、交易条件の寄与
度は小さかった。
・ 1990以降、労働生産性の寄与度(プラス)が低下し、民主党政権末期には労働分配率、交
易条件の寄与度(マイナス)とあまり変わらない異常な状態になった。 これは国内景気が異常 に停滞したため。
・ 労働生産性の寄与度が1990以降、好不況均しで右肩下がりトレンド化し、急落していった
のは、前半は不動産バブルの崩壊、後半は国内生産の海外移転(隣国の中国・韓国へ)で技術・
ノウハウ・技術開発力が流出し、海外に比し相対的にイノベーション低迷となったため。 労働
生産性寄与度の低落に伴い、実質賃金も低下。
・ 技術・ノウハウ流出により、海外に対する生産性優位を喪失した低レベル労働者を中心に、実
質賃金が低下していくと共に格差も拡大。 生産性優位喪失で、労働生産性の実質賃金への寄与
度は低下。
・ 持続的な実質賃金増大、格差縮小には、経済空洞化阻止での労働生
産性上昇が必要。
2) 円安での労働生産性増大メリットを過小評価(ほぼ無視)
・ 労働生産性は利益増大とともに上昇し、それは景気とイノベーション(生産効率向上・技術革
新)により左右される。
・ 労働生産性やその実質賃金への寄与度は、好景気で上がり不景気で下がり、それらの好不況均
しのトレンドはイノベーションにより決まる。
・ 円安では、国際資源価格に依らず、国内生産有利度アップとなる。
・ ゆえに、円安にするほど経済空洞化は反転し、国内景気も上昇する。 経済空洞化反転は国内
イノベーションの増加にもつながる。
・ 適正な円安は経済空洞化阻止になり、イノベーション、景気の両面
で労働生産性を上昇させる
(ただしバブル化するほどの円安では、イノベーション増加は事後のデフレで停滞へ)
(以下、補足)
・ 円安=輸出有利度アップでなく、円安=国内生産有利度のアップであり、内外需双方に効く。
・ なぜなら、生産の国際比較(ドルベース)では、通貨安になるほど国内生産のドル建てコスト
は低下するから。
・ 円安による国内生産有利化は、ドル建ての国際商品価格、国際資源価格が上がっても下がって
も変わらない。
・ 円安=国内生産有利度アップなので、国内生産活発化、経済空洞化反転となり、国内景気上昇
につながる(円安になるほど輸出品の競争力は上がり、国内産品は輸入品に勝てるようになるの
で国内生産活発化)
・ 円安は通貨価値低下であり、それ自体、金回り増大、景気浮揚要因になる
(通貨価値低下は通貨供給の(諸外国比での)相対的増大でおき、その金余りゆえ、預貯金金
利(短期金利)は低下し、資金調達コスト低下、投資リスク低下、金回り増大となりやす
く、株式・不動産価格上昇、設備投資増大、消費増大になりやすく、景気上昇となりやす
い。 景気上昇で資金需要増大になると、金利上昇になり、景気抑制要因が増大)
3) 円安での交易条件悪化デメリットをねつ造。
・ 円安では円建て輸入物価は上昇するが、円建て輸出価格も上昇する。 円建て利益は増大。
(1ドルの資源を輸入し2ドルで製品を輸出する場合、1ドル=100円では利益は100円
だが、1ドル=200円の円安になると、円建て利益は200円に膨らむ)
・ ドル建ての国際資源価格上昇では円建て利益は縮小するが、円安ならばその度合いは弱まる。
(上記で国際資源価格が1.5ドルに上がった場合、1ドル=100円ならば円建て利益は
50円だが、1ドル=200円の円安になると、円建て利益は100円に膨らむ)
・ 円安では円建て利益が膨らむので、輸出価格を下げても交易条件が改善する。海外産品に勝つ
ようになり、シェア増大、輸出数量増大の数量効果でも円建て利益は増大する。
・ 円安は国際資源価格変動に依らず交易条件改善要因である。 交易条件
悪化は他要因で起きており、円安持続ならばそれは消失していく。
、、、 以上、1)~3)より適正な円安水準を維持すれば、労働生産性・交易条
件は向上・改善し、実質賃金は上昇トレンドになり、格差拡大は抑制
出来ることが分かる。
4) 実質賃金伸び悩み=景気低迷=アベノミクス失敗と錯誤。
・ 一人当たり実質賃金は、非正規雇用の増大で伸び悩む。
・ 景気回復前半は景気上昇持続に確信が持てないので、企業は正規雇用を増やしにくい。
・ 正規雇用はそのままで非正規雇用だけ増える状況になるので、分配率は下がりやすい。
・ 景気回復前半は企業収益増大で労働生産性は上がっても、労働分配率は下がり、実質賃金伸び
悩みになりやすい。
・ 景気回復前半は、実質賃金伸び悩みでも、非正規雇用増大で主婦・高齢者雇用が進んでいるの
で、(増税分を除けば)実質的な家計所得は増えている。
・ 実質賃金伸び悩みを根拠にアベノミクスを止めれば、非正規雇用すら減少し、家計所得低下で
景気後退へ。
・ アベノミクス第一の矢の金融緩和は、(他国以上に)通貨供給増大率を上げることで通貨価値
を低下させ、適正な円安化によって景気上昇と過剰な経済空洞化阻止を図る政策。
・ アベノミクス継続で、景気浮揚を続ければ、正規雇用増大や(企業の労働者確保競争激化で)
賃金上昇加速となっていき、実質賃金も上昇して、景気上昇は本格化する。
・ アベノミクスで通貨供給増大率を上げていかねば、適正な円安にならず、企業の過剰な海外移
転は止まらず、技術・ノウハウの流出は止まらず、好不況均しでの実質賃金低下トレンド・格差
増大トレンドも止まらない。
・ アベノミクスでの通貨供給増大=円安化は、景気上昇や好不況均し
での実質賃金上昇トレンド化、格差縮小につながる。
・ このためには、日銀に追加緩和(バズーカ?)を繰り返させること
が必要である。
(以下補足)
・ 交易条件の実質賃金寄与度は1990以降、おおむねマイナスかつ右肩下がりトレンドで、これ
は円高トレンドにより貿易利益を得にくくなったため。 2000~2010は中国爆食による
国際資源価格高騰の影響も顕著。
・ 労働分配率に上限があるのは、労働分配率の増大は、規模が小さくリスクテイク余力が小さい
家計の資金シェア増大になり、労働分配率を過剰に増大させるほど、リスク資金の縮小や企業倒
産確率の増大になって経済成長を抑えるからである。
・ 労働分配率への実質賃金寄与度は、日本では1985以降、常にマイナス。 生産効率が上が
るにつれ、単位労働での生産が増え、賃金上昇以上に企業規模拡大(付加価値増大)となり、そ
れがさらなる付加価値増大を生むためと考えられる。
・ (1975以降?)1995以前の日本では、労働分配率の実質賃金寄与度は、好景気で低下
し不景気で上昇する傾向があった。 それは正規雇用主体であり、終身雇用であり、不況期にも
首切りがなく、その裏返しで好景気での所得上昇が相対的に小さかったためと考えられる。 好
況期は投資バブルになりがちで、労働者非一人当たり稼ぎが大きく見えても、その多くは労働に
よるものではなく、不動産価格上昇等によるものだった。
・ 1995以降、労働分配率寄与度は不況で低下し、好況で増大する普通のパターンに変わりつ
つある。 これは当初は首切り増大であり、2000年以降は非正規雇用増大に依ると考えられ
る。 非正規雇用増大は経済空洞化での技術・ノウハウ流出で、非正規でしか雇いえない低レベ
ル労働者比率が増えたためであり、最近は主婦・高齢者雇用増大に依る。
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経済論説がハチャメチャになる理由(これは経済以外のあらゆる論説にも当てはまる)
1) 保護規制や予算配分・公的情報の私物化(役所の権益化)による官界からのひずみ、、、、日本ではTV・新聞業界、エコノミスト、学者の論説がこれでゆがめられがち
2) 記者買収によるひずみ、、、日本では雑誌、週刊誌の論説がこれでゆがめられがち??
3) 3つの経済主体(消費者、労働者(経営者含む)、投資家)のうち、投資家経験のないヒトが多いので、経済の全容が分からない、それぞれの経済主体がどういう行動を取るかが十分に分かっておらず、それゆえ経済論説が倒錯、、、、これは経済学者などに顕著(自らリスクを負っての投資経験がない)
4) 市場原理にさらされない世界だけで生きてきたため、経済活動の底流で必ず働いてしまう市場原理への理解が不足しており、それゆえ経済論説が倒錯、、、、これは官僚で顕著。日本では経済学者でもこの傾向が強い。 万有引力を知らずに力学を論じるようなものである。
5) マクロでものを見ない。ミクロだけに拘泥で経済論説が偏向(時間的、空間的に視野が狭い。短期・身内程度の視野でものを見て、目先利益・身内利益に中長期トレンド、社会全体が及ぼす影響まで頭が回らない。 群盲、象をなでる状態になりがち)
6) そもそも合理的に考える素養がない。 私生活以外でも情緒的にものを考えてしまう(公私の混同や感情論)。 何を言っているかでなく、誰が言ってるかで判断し鵜呑みにする(権威主義、思考停止)、、、、、これらの問題は日本の場合、マスコミに多く見られる。 これは日本の文系教育に問題があるのかも(文系=文学系のようになっていたり、権威の論説をそのまま暗記させがち)
、、、5)、6)が欠落してる人間は、3)、4)があっても合理的な経済論説や投資戦略を構築出来ない。 3)の投資経験を持っても短期売買のバクチに走るし、4)の市場原理にさらされても目先利益だけの弱肉強食人間(野生の人間)に退行していくだけである。 で、経済本来の付加価値をつけるプラスサムゲームよりも、ゼロサム、マイナスサムの奪い合いだけに着目する非生産的・非建設的な論説を張りがち。 これは中長期的、持続的に経済利益を減退させることになる。
逆に5)6)の素養がある人間が3)4)を経験すれば、1)2)も回避、是正出来るはずである。
5)6)の欠落は、社会全体が弱肉強食的な発展途上国(もしくは地方?)でなければ、基礎教育や家庭のしつけに起因する問題である。
弱肉強食社会では不合理・不公正まんえんで、目先・身内の狭い視野ですばしこく動かねば生き残れないので、自ずと不合理・不公正促進指向、ミクロ指向となる。
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