経済政策の目標は潜在成長率の向上(参照@多くの社会問題は経済政策の迷走に起因、経済政策の視点(需給ギャップ、建設業界の衰退、経済政策比較))。
それは社会全体のパイを増やし、底辺含め、全ての国民を豊かにしていく。
潜在成長率が向上する社会では、格差はあっても、それは働きに応じた公正な格差となり、かつその格差は固定化しない(何故なら、そういう社会では市場原理=公正原理が働くので)。
で、潜在成長率向上のためのポイントは『市場原理の拡大と適正化』(参照@
これに即した政策を取っている国、この方向にカジを切った国は買い。
そこへの投資では、経済成長と通貨高のダブルメリットが享受出来る。
そのうえ、経済成長は軍事力向上を伴うから、投資の安全性も高まる。
市場原理の拡大とは社会的公正度の拡大でもあるから、この点からも投資の安全性は高まる。
つまり、収益÷リスクたるシャープレシオの向上が期待出来るのである。
これは、世界中の投資家のその国への投資ウェイト増につながるから、それにより投資収益は更に上がる。
(補足)市場原理とは『より良い製品、サービス、労働により高い値段、報酬がつく』ということ。 つまりは公正原理。 これは自由な経済活動における取引(=相互監視)で達成される。 自由の結果、出来るのはノールールの世界でなく、相互監視・経済競争による公正ルールの世界(価格の波打ちはあるが適正価格を中心に上下)。 自由経済競争の結果、寡占的な状況が生じても、寡占は競争力低下となるので持続しない。 しかし、一時的であってもそれは公正ルールからの乖離を招くので、強制的に排除したほうが良い。 公的機関が関与すべきはこのような公正ルール維持の部分。 公的部門が経済活動(バラマキなど)に直接関与すれば、市場原理が働かなくなるのでマイナスが大きい。
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さて、市場原理の拡大とは、市場原理(=公正原理)が働く領域を社会の隅々まで広げる、ということ。 これにより資金、人材の最適配分が進み、維持され、経済成長・イノベーションが加速する。
具体的には、、、、
公的部門のシェアを縮小しているか?(新しい公共=税金紐付き市民団体を縮小しているか? 官から民へ。参照@それをお役所に任せますか??(官の不正は、必ず民を上回る))
社会保障・福祉を最小限に抑えているか?(悪平等や不労所得、過剰な扶助を排除しているか?)
減税しているか?
談合や寡占はキチンと摘発されてるか?
政府の役割が『徴税とバラマキ』から、『公正ルールの構築・監視・違反摘発』にシフトしているか?
情報公開(国民による政府監視)は進んでいるか?
労働市場が機能しているか? そこに柔軟性、流動性があるか?(終身雇用や年功賃金があったり、労働組合が強力なのは×。 労働組合が公正に反する理由は⑦それをお役所に任せますか?(労働運動はお役所肥大化運動)に書いたとおり)
定額もしくは定率課税がベースになっているか? (市場原理、公正原理が貫徹されている場合、累進課税は不公正税制になる)
一方、市場原理の適正化とは、市場原理特有の(集団心理による)景気・物価等の一時的なオーバーシュート、アンダーシュートをある程度抑える、ということ。 これにより景気変動によるロスを抑えられ、経済成長、イノベーションが加速する。
具体的には、伝統的金融政策(名目短期金利調整)、インフレターゲット政策(実質金利調整)が適切に取られてるか? 市場原理を歪めるケインズ政策が乱用されてないか?(一般に大不況後など特殊な時期以外は不要)、、などです。
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1975以降の日本が上記に照らして、真逆な方向に進んできたことは明白(それ以前の日本はそういうことはなかった! 日本人は本来、社会主義的でない)。
その結果、1975以降、日本の経済成長は急激に低落しました。
今も真逆方向への動きは加速しつつあります(民主党、自民党ともその路線)。
日本では、人口減少、少子高齢化以前の問題として、理に適った経済政策が取られていない(大体、人口変動の経済成長への影響は大きくない。人口増減により経済成長が変動するというより、経済成長により人口増減が影響される、というのが正しい)。