jojuさんのブログ
世代間の不公平、少子高齢化、成長政策、バブルシフト
国の借金が増えてます。
予想通り、民主党政権発足以降、急カーブで増えています。
現役世代が借金をしまくり、将来世代が返済に追われる状況になりつつあります。
ここだけ見れば、「世代間の不公平」論は正論に見えるでしょう。
しかし、負債が増えれば、資産も同時に増える。
資産込みで考えれば、不公平論は当たらない。
負債と同時に資産も次世代に引き継がれるのですから、「世代間の不公平」はないのです。
問題なのは、「世代間の不公平」でなく、負債の返済利回りが、資産の利回りを上回っていくことです。
つまり、借金して作った資産が大した利回りを生んでないこと=国の成長性が右肩下がり、になっていること、それが問題なのです(借金それ自体は、大きな資産利回りを生むのであれば何ら問題ではない、、というか、むしろすべきものです)。
で、成長性低下の理由として良く少子高齢化が挙げられますが、これは本当でしょうか?
まず、少子化(人口減少)について言うと否です。
日本で顕著な成長率低下が起きたのは、バブル崩壊以降のここ20年ですが、人口はこの間、増え続けていました。
また、成長率に効くのは人口でなく技術革新(イノベーション)、との研究成果が多くの経済学者から出されてます。
つまり、人間の数より質が問題なのです。
数を増やそうとして、安易に移民導入政策を取れば、人間の数が増えても質が低下するので、成長に却ってマイナスです。
加えて、日本は、世界有数の高密度人口国で、無資源国ですから、この点からも人口を増やし続ける政策には無理があります。
人口を増やすならば、高密度・無資源国の日本に留めるより、移民輸出政策で出すほうが合理的でしょう。 更に言えば、先進国の米国等へ輸出する政策のほうが、本国への資金・技術還流の点で有利です(これは、中韓で取られている政策)。
話がそれましたが、では、高齢化はどうでしょうか? 成長性低下の主因でしょうか?
これも否です。
日本では明治以降、ほぼ一貫して平均寿命の伸び、平均年齢の伸び、高齢化が進行してきましたが、この間、成長率は概ね世界トップクラスをキープしてきました。
元気な高齢者の増加は、生産人口、消費人口の実質増加であり、それほど質の低下にもならない。 成長性にマイナスではない。 高齢層と中堅層の役割分担を入れ替えれば、むしろ、成長性にプラス要因になるでしょう。
結局、ここ20年では、人口減になっていないし、高齢化のペースもそれ以前の20年と比べ、概ね変わってないのです。
それなのに、ここ20年で、日本の成長率は劇的に落ちている。
少子高齢化が成長性低下の原因でないことは明らかです。
少子高齢化は、社会保障費増額(厚労省の権限拡大)と増税(財務省の権限拡大)の方便に過ぎない、と思えます。
成長性低下の主因は別のところにあるのです。
この点から着目されるのは、ここ20年、一貫して行われている紙幣供給抑制政策です。 諸外国より紙幣発行を絞り気味にする政策です。
これが成長性低下の原因になっている可能性は極めて高い。
なぜなら、紙幣供給抑制=円高=企業追い出し=経済空洞化=デフレ(物価・賃金・成長率の伸び悩み)、となるからです。
これはまた、デフレ=低金利=借金の容易化=政府債務増大=財政膨張(バラマキ膨張)=財務省の権限拡大、でもあります。
さらに、デフレ=低金利=国債価格高騰=国債バブル=過剰な銀行数の維持(銀行の高賃金維持)=財務省・日銀等の天下り先維持、でもある。
1990年のバブル崩壊後、過剰金融(銀行過剰)の処理を十分せず(バブルでは銀行、金融が大膨張します)、バラマキ拡大(財政膨張)で凌ごうとしたため、国債増発が必要になり、
国債増発での返済負担を減らすために低金利が必要になり、低金利維持のためにデフレ化=紙幣供給抑制が必要になり、
それにより円高と成長率低下が進行して税収が伸び悩み(増税(税率アップ)でもデフレ・円高で企業を海外に追い出しているので税収は増えません)、更なる国債増発が必要になり、
借金膨張でも低金利で借りるために短期国債の発行を増やさざるを得なくなり、自転車操業の度合いがどんどん強まっている(いわゆる一つのギリシャ化)、
そして、成長性低下で融資先の減った銀行は国債保有を膨らまし、国債バブル無しでは苦しい体質になってしまった(もしくは、中小企業対策という名の税金バラマキでゾンビ企業の潜在的不良債権を持ち続けるとか、、)
、、、、これが、ここ20年の図式です。
株価バブル・不動産バブルを国債バブルに転換することで銀行過剰(護送船団)を維持してきた、とも言えますし、バブル崩壊後の景気対策にかこつけて利権バラマキを拡大させて行き詰まった、とも言えます。
その結果、国の借金は増えているのに、デフレ化で元が取れなくなっている(借金して作った資産が、返済利回り以上の収益率を生んでいない)。
まず、やらなければイケナイことは明らか、かつ単純です。
バラマキをせず、日銀の紙幣供給量を、物価上昇率が数%の適正水準になるペースで増やし続ける、、、これだけです(バラマキは通貨高要因byマンデル・フレミング)。
これにより、“過剰な”円高進行は止まり、企業の“過剰な”海外シフトは止まり、物価・賃金・資産価格は少しずつ上がり、成長率は漸次上昇し、税収も漸次増えて、借金増大ペースはゆっくり鈍化し、長期的には横ばいから減少に転じるでしょう。 年金の安定性、持続性も高まります。
地方銀行を中心に合併・買収が進み、銀行の新規採用は減り、銀行の“過剰な”高賃金は是正され、そして、財務省等の天下り先は減ります。 国の支出・バラマキは抑制され、財務省(不正?な手続きで選ばれたウラ番長)への“過剰な”権力集中もなくなります
これらは「改革の痛み」ではありません。 「特権・利権の消失」です。 最終的に、「財務省・銀行業界含む、全国民の長期的利益の拡大」にもなります。
(補足) 最近、低成長だから低金利にせざるを得ない、だから紙幣供給を絞らざるを得ない(だから、成長を高めるため構造改革をして増税をしなければいけない)、という言い訳(屁理屈)が日銀・財務省サイドから盛んに流されています。 この論理が真逆なことは過去20年の経緯を見れば明らか。 特権維持・利権維持のため、低金利にしたから、低成長になってドツボにはまったのが実態です。 世の中にフリーランチ(タダ飯)はないのです。
とはいえ、構造改革はしなければなりません。 ただ、構造改革それ自体はデフレ圧力になるので、好景気でなければやれない。 デフレ政策そのままで構造改革、増税に走っても逆効果。 順序が逆なのです。 日銀理論は明らかに苦し紛れの言い訳。
(補足) 最近、喧伝されている円高不可避論、円高宿命論も上記同様言い訳、屁理屈です。 為替レートは、最終的に諸国間の紙幣供給の兼ね合いで決まるからです。 日銀の紙幣発行量次第でどうにでもなるのです。 で、このような世界的通貨安競争は、最終的に適正レートへの収束とデノミで幕を閉じます(おそらく、金の高価格化も。実質価格も上がるかは??ですが)。 最終的に破壊的結末を生まず、適正レート化=市場原理のひずみ収束なので、建設的収束を迎えることになるでしょう。
(補足) 少子高齢化論、低成長不可避論、円高宿命論、、、手を変え品を変え、財務省(旧大蔵省)の失政を覆い隠す理論が、これからも出てくるでしょう。 これからも、その手の本が書店ベストセラーとして山積みされるでしょう。 銀行等の財力とネットワークからすれば、これは容易なことです。 欺されないためには、何が理に適っているか、自分の頭で考え、互いに議論し合うことが重要です。
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