NERU8さんのブログ
過去の反省
「投資で損失を出すとほとんどの場合、自己嫌悪や心理的動揺が伴うだろう。しかし、それらを慎重に検討してそこから教訓を見出すことだ。株式銘柄選定のミスの原因を十分に把握できたとしたら、同じミスを繰り返すことはないだろう。」 ー フィリップ・フィッシャー
たまたまこの格言が目についたので、自分の過去の取引(みんかぶでの予想)を振り返ってみることにします。予想履歴にあるものの中から特に印象にのこっているものをピックアップして今後のために反省をしたいと思います。
(1)売り
銘柄
登録日時
登録時株価
終了日時
終了時株価
パフォーマンス
ポイント
M−日風開
(2766)
2010/09/15
(12:55)
127,900
2010/09/16
(13:20)
117,200
+8.36%
+24.40
日本風力開発は私にとっては忘れることのできない銘柄です。
当時の私はまだテクニカル分析やイベントから売買を行っていましたが、
この時期の前後にこの銘柄は監理銘柄指定と解除に伴う株価の乱高下があったので、
そこで大きな利益を上げることができました。
このpicsだけにとどまらず私の投資経験の中で得られた最大の利益でした。
しかしその後、大きな損失を出し、含み損を抱えてしまい、トータルではマイナスになってしまいました。
そこでこのままではいけないと思い立ち、現在のバリュエーションや成長性を企業価値を重視する投資法へ移行していきました。ここから学んだことは投資はひたすら自分で勉強するにしくことはないということでした。
(2)買い
銘柄
登録日時
登録時株価
終了日時
終了時株価
パフォーマンス
ポイント
日本M&A
(2127)
(13:22)
236,600
2011/04/05
(00:31)
+76.03%
+215.90
M−スタートトゥ
(3092)
2010/09/13
(12:35)
236,500
2010/10/29
(14:36)
246,900
+4.39%
+12.84
現在の日本M&Aの株価は406000円、スタートトゥデイの株価は1251円です。
スタートトゥデイは株式分割を行っていますので、予想終了時の終値は現在の株数に換算すると823円となります。
これらの銘柄の共通点は①市場において優位性を持ち大きく成長すると考えられる、②そのため人気があり、株価はバリュエーション面からみるとあまり割安とは言えない、③短期的な資金が流入して割高な水準まで上昇したと考えられたのでクローズした。という点です。
その後の両株式の価格変動は比較的短期(1年以内)の時間しか経過していないので、それを見て持っていたほうがよかったとかクローズしてよかったというのは結果論だと思っていますが、反省する点はあります。
成長株という視点から購入した銘柄ですから、その優位性が失われるまでは保有し続けるべきである、という考え方も成り立つからです。これらの売買から得られる教訓は成長性のある株式であれば割安の水準でなくとも(大幅に割高な場合はダメ)購入して保有し続けるのがよいということで、ウォーレン・バフェットやフィリップ・フィッシャーの言っている通りだといえます。ただ個人的には、これも予想開始の時点からまだ1年も経過していないということもあり、経験からは是非は判断できないと思います。最低でも1年~3年程度は経過を観察するべきでしょう(そう考えたからこそ実際の予想では割高になったと考えられる水準でクローズしています)。実体験で確かめられていないから弱気な行動をとったわけですが、少なくとも現在までの経過を見る限りではその選択は間違いだったということを示しているようです。
(3)売り
銘柄
登録日時
登録時株価
終了日時
終了時株価
パフォーマンス
ポイント
シナジーM
(3859)
2010/10/26
(13:16)
2,349
2010/11/01
(10:23)
1,500
+36.14%
+101.03
シナジーMはその後値上がりして7000円台を試した後現在は4000~5000円台で推移しています。
シナジーMに関する当時の私の評価は成長性のある素晴らしい企業であるが株価が高すぎるというものでした。その考えは今でも変わっていません。
この予想をしたときは短期的には急上昇しすぎなのである程度下落するだろうという考えでした。
実際に予想通りにいって利益は上げられたわけですが、反省するべき点として、
①将来的な成長性を評価していたのに値下がりした時点で買いに入らなかった、②同一銘柄に対して短期的な視点と長期的な視点で見る見方が混在していた。ということがあります。
過去の日記のシナジーMについて書いた記事の通り、1200~1400円程度の水準まで下落した場合は買いに入るつもりでいました。1500円台までしか下落しなかったわけでルール通りなのでいいのですが、この株式に対する自分の評価は「長期的な成長株」だったはずです。つまりバリュエーション面での割安は絶対条件ではないので(前述した日本M&Aやスタートトゥデイと同じ評価です)、おおよそ適正水準と考えられる2000~2200円台以下に下落した時点で買いを入れるべきでした。
なぜこのようなことになったかといえば様々な評価手法を様々な時間軸から同一銘柄に取り入れていたので自分が今この企業と株式をどう評価しているのか?という点が不明確になってしまったからだと思います。
「テクニカル面から短期的に見れば割高だから売りだが、成長性からみて長期的には買い、でもバリュエーション面からは割安とは言えないから入らない」
といったように自分自身の今現在の見方が混乱してしまっていたのです。
私の場合は内容を理解するのにかなりの時間がかかりました。
今でも十分ではないと思っていますが、内容を読んで理解できても
それを実践するのは難しいということがわかりました。
今日本が届きました。
2冊とも。
今見ましたら。買ってる銘柄の半分は私も買ってます。
私はすべて、マイナス銘柄です。
カネコ種苗のところ1年間の投資収益率96%となっていますが24%でした。
(4)買い
銘柄 登録日時 登録時株価 終了日時 終了時株価 パフォーマンス ポイント
カネコ種苗
(1376) 2010/11/09
(13:59) 736 2010/12/24
(11:03) 765 +3.94% +11.03
カネコ種苗のその後の株価は一度900円台後半を目指した後、700円台以上で推移しています。
これを予想した理由は単純に安かったからでただのバリュープレイです。
調度農作物価格高騰が話題になっていた時だったので適当に値が上がったらクローズすればいいやという単純なものでした。
どこまで値を上げるかというのは程度の問題で予想はできないので保守的な想定でよかったと思っています。15日前後で約4%ですからこれと同等の投資を1年間繰り返せば96%の投資収益率を得ることができる計算になります。
(5)買い
銘柄 登録日時 登録時株価 終了日時 終了時株価 パフォーマンス ポイント
ゴメスC
(3813) 2011/01/28
(15:01) 67,100 2011/04/15
(21:00) 57,000 -15.05% -43.60
モーニングスターとの株式交換比率と当時の株価から判断した裁定取引として回予想しました。折悪しく東日本大震災の影響で株価が下落した時点でみん株のシステム的に上場廃止でクローズしてしまいましたが、実際の運用上は当初の予想通りモーニングスター2.2株に交換された後、当初予想である32000円台を回復するまで保有し続けるだけなので問題はありません。Facebookの利用など前向きなニュースが出てきたところだったので予想の結果としては残念ですが。
これらの過去の予想の結果をまとめると次のようになります。
テクニカル重視の売買から企業価値重視の長期的資産運用に転換したが、
運用方法は大きく分けて次の3つの通り
①企業の成長性を重視した投資(一般的にいうグロース投資)
②バリュエーション的に割安の銘柄を買う(バリュー投資)
③TOBや株式交換を利用した裁定取引
それぞれの投資法を正しく運用できていた場合利益を出すことができてはいたが、
個別の企業を評価する場合の方法が混同された場合(特に①と②の混同)
評価基準が不明瞭になり、損失を出したり、利益を伸ばすことができない場合があった。
②、③については個別に運用される場合ではうまくいくことが多かった。
反省点としてそれぞれの評価法を混同させて運用を誤った自分が悪い。
方法のせいではないので自分の能力の限界を考えてできるだけ投資法を単純化することが望ましい。
以上のことから今後の方針として考えられるのは、
(1)数年~10年以上の期間で総資産の20~50%(景気動向により変動)を運用したグロース投資
(2)(1)をパフォーマンス面でサポートする数ヶ月~数年の期間で総資産の50%を運用するバリュー投資と裁定取引
という方針で資産を運用していくことが考えられます。
今回の反省を経て
ウォーレン・バフェットの投資法を学んで行く中で自分の中で不明瞭であった
ベンジャミン・グレアムのバリューアプローチとフィリップ・フィッシャーのグロースアプローチをどのように位置づけるかということが自分の中で明確になった気がします。
私はこれまで株式(企業)に対する量的な評価(グレアム)と質的な評価(フィッシャー)を融合させて起業を評価するのがバフェットのやり方だと思っていました。
バフェットはグレアム:フィッシャーから自身の投資法についてそれぞれ7:3の割合で影響を受けていると語っていますが、厳密な意味でこのバフェットの基準を満たす銘柄は一年で1つ見つかる程度だと思います。
実際にはバフェットは銀を買ったり通貨取引をしたり、単純にリターンが魅力的だからという理由でサブプライム後のゴールドマン・サックスの優先株を買ったり自身の投資法として語っている領域以外の運用も行っています。
二つのやり方を質的に融合させるというだけではなく、運用資産に対するそれぞれのやり方の比重を変化させていくことによって全体の投資収益率のコントロールとリスクマネジメントを行っているのだということをいまさらながら本質的に理解することができたような気がします。