ユリウスさんのブログ

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防衛省は機能不全 -イージス艦の中国公開を中止-

 連日、守屋武昌容疑者がらみの防衛省不祥事がマスコミで報道されているが、国防利権に群がる政治家、業者、官僚の癒着の構図はまだほんの一角が見えただけ。国防と言ういわば国の柱に巣くうシロアリは徹底的に駆除しなければならない。捜査当局の全貌解明を待ちます。

 そういう利権がらみの醜いシロアリの他に、肝心の働き手の軍隊アリも問題が多い。

読売新聞より。
 「日本と中国の防衛交流の一環として、日本に寄港した中国海軍艦艇乗員が予定していた海上自衛隊のイージス艦「きりしま」(7250トン)の視察が、計画を知った在日米軍などからの抗議で中止となった。

 海自と中国海軍による艦艇の相互訪問は、8月の日中防衛相会談で実施が決まり、中国海軍のミサイル駆逐艦「深セン」(6000トン、乗組員350人)が第一陣として、11月28日に東京・晴海ふ頭に入港した。
 同艦艇は12月1日まで滞在する予定で、中国側の希望により、同艦指揮官ら乗員幹部十数人が11月30日午前に海自横須賀総監部(神奈川県横須賀市)を訪問する際、横須賀基地を母港とする第1護衛隊群所属の「きりしま」を視察することを予定していた。

 複数の政府関係者の証言によると、28日に視察計画を知った在日米軍や在京米大使館から、防衛省や外務省に問い合わせや中止要請があったため、防衛省では急きょ、「きりしま」視察を中止して、インド洋での給油活動から23日に帰国したばかりの補給艦「ときわ」の視察に変更した。」

 イージス艦は米国が開発した世界最高の防空能力を持つ艦船である。それをこともあろうに中国の海軍に見せるというのだからあきれるほかない。海上自衛隊は戦闘指揮所(CIC)などのイージス・システムの中枢部分を見せなければ大丈夫だろうと判断したようだが、事の重大性がまったく理解できていないようだ。
 さらに、このことを石破防衛相は把握していなかったそうで、これでは何の役にも立たない軍隊がただ存在しているというだけのことで、背筋が寒くなる。
 
国の国防を預かる軍隊は
1 指揮命令系統は一本で、かつ明確でなければならない。
2 隊員は命をかけて国を守る気概を持っていなくてはならない。
3 近代戦争は情報戦争であるから、情報収集、情報伝達、情報分析・判断、情報管理が完璧にできなければならない。
のであるが、わが国の防衛省はいずれも落第である。

1はどうも大分問題がありそうと睨んでいるが、よく分からない。
2は気概のある奴もいると思うが、ほとんどは軟弱なサラリーマン隊員であると見て間違いない。証拠は持ってます。
3は今までに多くの情報漏れが明らかになっているから、ダダ漏れ状態。以下に事実をあげます。読者ご自身でご判断願いたい。

「ネット流出した情報」
1 06/02 海上自衛隊乗組員の私有パソコンから暗号など大量の秘密情報が流出。
2 06/02 航空自衛隊の私有パソコンから研究論文などの個人情報が流出。
3 06/11 那覇基地の航空自衛隊の私有パソコンから基地警備情報などが流出。
4 07/03 海上自衛隊二曹が「特別情報秘密」を含むイージス艦情報を持ち出し。
5 07/04 陸上自衛隊私有パソコンから千葉・松戸駐屯地の弾薬庫配置図が流出。

 陸海空、どこの組織からでも情報は漏れています。同盟国のアメリカが神経を尖らせるのは当たり前のこと。
 戦争が起ころうが起るまいが、現代は情報戦がすべてなのに、自衛隊は全くだらしない組織と言うほかありません。
 
 宴席に出たとか出ないとか、喚問するとかしないとか、目の前のことにばかり終始して、国防という大局を見すえる国会議員はいないのでしょうか?
 軍隊は「常在戦場」の緊張感が必要です。国家予算の1%をつかう国防に携わる人たちにキチンとした仕事をする体質を植えつけることが喫緊の課題でしょう。
 久間章生元防衛相、額賀福志郎元防衛庁長官に比べて、石破防衛相はちっとはましに見える。防衛利権で尻に火がついてないのなら、早急に組織の立て直しを図っていただきたい。

「追加情報」12/2 0時45分
「米国防総省は11月30日、中国政府が同月下旬、空母「キティホーク」を含む米軍艦船の香港寄港を3回にわたって拒否していたことを明らかにした。」
 米中接近と言っても、こういうことは起りうるのが外交というもの。
 外国の軍隊に「見せてくれ!」と言われて「ハイ、ハイ」と喜んで見せていいものと悪いものがあるということは、国防関係者は充分理解しておくべきだろう。
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