ある荒くれ男の、松五郎の片思いの恋。かなわぬ事と知りながら、そのまま、吉岡の未亡人のいろいろの世話をして、給金をもらう。やがて松五郎は、その家を去り、酒浸りの生活になる。そして一人、遂に雪の中で倒れて死んだ。
彼の遺品の中には、夫人と敏雄名義の預金通帳と、吉岡家からもらった祝儀が手を付けずに残してあった。何とも切ない映画であるか。そして、男らしい潔い映画である。祇園祭りの日に「小倉太鼓」を叩く姿は、圧巻である。三船敏郎。高峰秀子。時々、人力車の車輪が出てくる構成も、なかなかよい。生き方の下手な男が、共感を呼ぶのは、これが、男だと思わせるところか。
無法松の一生~度胸千両入り 美空ひばり
https://www.youtube.com/watch?v=BVI5DNA6iBs
(ウイキより)
『無法松の一生』(むほうまつのいっしょう)は、岩下俊作の小説。福岡県小倉(現在の北九州市)を舞台に、荒くれ者の人力車夫・富島松五郎(通称無法松)と、よき友人となった矢先に急病死した陸軍大尉・吉岡の遺族(未亡人・良子と幼い息子・敏雄)との交流を描く。
1943年(昭和18年)に大映京都撮影所が『無法松の一生』の題名で最初の映画化。脚色(脚本)を担当した伊丹万作は当初『いい奴』と名付けたが、売れそうに無いとの理由で『無法松の一生』と付けられた。
以降、映画・テレビ・舞台で度々取り上げられ、あくまでも原題に愛着とこだわりを持っていた岩下自身はこの改題に長年難色を示していたものの、世の中の支持に従い後に『無法松の一生』と改題した。ただし、2022年現在も、出版されている各種文学資料本には『富島松五郎伝』と従来通り記述されている。
1959年(昭和34年)、北九州市小倉区古船場町に「無法松の碑」が建てられた。