50年以上使っていた手鏡が引退した。ここまで使うと、捨てるには、忍びない。
小生の人生を、見つめてきた小さなものである。横15センチ、縦20センチ。ガラス製で、裏は青色。そして、何時しか、その色もあせて、あちこち剥がれている。表から見ると、顔が、ぼやけて見える。
この鏡は、何時も小生と一緒だった。朝、通勤前に髪をとかす時。日曜日で、外出する前。通信教育で科目試験の度に、旅館で使用した。新婚旅行でも使った。そして定年まで、何とか勤まってが、小生を見つめてきた。衛生管理者の試験の時も、一緒だった。
正に、小生の人生と共に生きてきた。一昨日、それを引き出しの中に納めた。子供が、これでよければ、形見として残しておきたい。しかし、どうなるか。ガラクタで、捨ててしまえではと、思うかも。
次の手鏡は、100円ショップの鏡である。これが終末の鏡になる。