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アイエックス・ナレッジのニュース
*15:36JST IXナレッジ Research Memo(6):2024年3月期第2四半期業績はDXトレンドが追い風となり二けた増収
■業績動向
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
アイエックス・ナレッジ<9753>の2024年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比11.7%増の10,948百万円、営業利益が同15.9%増の876百万円、経常利益が同15.9%増の922百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同13.3%増の615百万円と売上高・各利益ともに二けた成長となった。
売上高については、システム開発において大手ベンダー経由の開発案件、総合物流企業向け開発案件などが拡大し増収に貢献した。また、運用サービスにおいては、大手ベンダー経由の基盤・環境構築案件が好調に推移した。エンドユーザー業種別では、主力の産業・サービスをはじめ情報・通信や社会公共・土木建築が増加した。顧客別ではNTTデータグループ、日立グループ、三井倉庫グループなどが大きく伸長した。事業環境としては、コロナ禍で加速したDXによる企業のビジネス変革の動きが継続しており、それを支えるIT需要は堅調に推移した。内部組織としては、これまで進めてきた人的資本経営施策などにより、人材の確保やパートナーとの連携が充実しており、事業機会をタイムリーに捉えることができている。
営業利益については、前年同期比15.9%と大幅な成長となった。増収による売上総利益の増加が大きく影響した。ベースアップを期中に行い人件費が増えたものの、技術者育成(クラウドやRPA、アジャイル等の専門領域の知識を有する人材)による単価の上昇や適正な原価管理により売上高原価率の伸びを抑制し、売上総利益の増加につなげた。販管費に関しては、働き方改革(リモートワークの推進による通勤費や出張費の削減)や社内デジタル化(新たに稼働した新基幹システムによる生産性向上)への継続的な取り組みにより、販管費率は同0.4ポイント低下し、費用の伸びを抑制した。これらの結果、上半期では過去最高の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益となった。
安全性が高く堅実な財務体質。将来のM&Aにも資金余力十分
2. 財務状態と経営指標
2024年3月期第2四半期末の総資産は前期末比263百万円増の12,940百万円となった。このうち流動資産は同86百万円増加したが、主に現金及び預金が176百万円増加したことによる。固定資産は同177百万円増加したが、主に投資有価証券が283百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比214百万円減の4,966百万円となった。このうち流動負債は同115百万円減少したが、主に未払法人税等が減少したことによる。固定負債は同99百万円減少したが、主に退職給付に係る負債が減少したことによる。
純資産合計は前期末比478百万円増の7,973百万円となった。主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が325百万円増加したことによる。
流動比率は280.7%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は61.6%であり、中長期の安全性も高い。2023年2月のM&A後も健全な財務体質を維持しており、将来的にはさらなるM&Aに向けた財務的な余力も十分ある。
2024年3月期は売上高・営業利益ともに約7%成長を予想。足元の受注環境は良好であり、業績は上振れる可能性あり
3. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績については、売上高で前期比6.8%増の21,570百万円、営業利益で同7.0%増の1,561百万円、経常利益で同6.1%増の1,626百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.5%増の1,094百万円と増収増益を見込んでいる(期初予想どおり)。
受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化(DX)による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。長期化するウクライナ情勢等に起因する物価高騰や世界的な金融引き締めによる景気への影響など経済の先行きに不透明感は残るものの、システムインテグレーション業界への影響は軽微であると考えられる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2023年4月に74名を新卒採用)に加えて、中途採用(年間10人前後)及びパートナーとの連携も強化しており、機会を逃さない体制が整う。育成に関しては、PM育成や新技術習得(AWS、Azureの認定資格取得など含む)を継続して強化する。2023年2月に子会社化したシーアンドエーコンピューターの売上高(連結前の売上規模で約7億円)も通期で追加される。通期売上高予想に対する、第2四半期進捗率は、50.8%(前年同期は50.0%)であり、前期を上回り順調に推移している。
営業利益は前期比7.0%増、営業利益率で7.2%(前期と同じ)を見込む。売上総利益は同11.2%増、売上総利益率は20.8%(前期比0.8ポイント上昇)と堅調に増加するものの、販管費は同13.7%増、販管費率13.6%(同0.9ポイント増)と増加幅が大きくなる。人財の処遇改善を目的に、ベースアップや賞与の上昇などを過去最大規模で行っており人件費が上昇するためだ。通期営業利益予想に対する、第2四半期進捗率は、56.1%(前年同期は58.7%)であった。弊社では、上期の好業績に加え、同社の顧客ポートフォリオが多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、DX・クラウド化の動きが依然として活発であること、M&Aによる土木建築システム分野への進出、人財投資の充実等から、通期業績予想は達成可能であり、むしろ上振れる可能性が高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
アイエックス・ナレッジ<9753>の2024年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比11.7%増の10,948百万円、営業利益が同15.9%増の876百万円、経常利益が同15.9%増の922百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同13.3%増の615百万円と売上高・各利益ともに二けた成長となった。
売上高については、システム開発において大手ベンダー経由の開発案件、総合物流企業向け開発案件などが拡大し増収に貢献した。また、運用サービスにおいては、大手ベンダー経由の基盤・環境構築案件が好調に推移した。エンドユーザー業種別では、主力の産業・サービスをはじめ情報・通信や社会公共・土木建築が増加した。顧客別ではNTTデータグループ、日立グループ、三井倉庫グループなどが大きく伸長した。事業環境としては、コロナ禍で加速したDXによる企業のビジネス変革の動きが継続しており、それを支えるIT需要は堅調に推移した。内部組織としては、これまで進めてきた人的資本経営施策などにより、人材の確保やパートナーとの連携が充実しており、事業機会をタイムリーに捉えることができている。
営業利益については、前年同期比15.9%と大幅な成長となった。増収による売上総利益の増加が大きく影響した。ベースアップを期中に行い人件費が増えたものの、技術者育成(クラウドやRPA、アジャイル等の専門領域の知識を有する人材)による単価の上昇や適正な原価管理により売上高原価率の伸びを抑制し、売上総利益の増加につなげた。販管費に関しては、働き方改革(リモートワークの推進による通勤費や出張費の削減)や社内デジタル化(新たに稼働した新基幹システムによる生産性向上)への継続的な取り組みにより、販管費率は同0.4ポイント低下し、費用の伸びを抑制した。これらの結果、上半期では過去最高の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益となった。
安全性が高く堅実な財務体質。将来のM&Aにも資金余力十分
2. 財務状態と経営指標
2024年3月期第2四半期末の総資産は前期末比263百万円増の12,940百万円となった。このうち流動資産は同86百万円増加したが、主に現金及び預金が176百万円増加したことによる。固定資産は同177百万円増加したが、主に投資有価証券が283百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比214百万円減の4,966百万円となった。このうち流動負債は同115百万円減少したが、主に未払法人税等が減少したことによる。固定負債は同99百万円減少したが、主に退職給付に係る負債が減少したことによる。
純資産合計は前期末比478百万円増の7,973百万円となった。主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が325百万円増加したことによる。
流動比率は280.7%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は61.6%であり、中長期の安全性も高い。2023年2月のM&A後も健全な財務体質を維持しており、将来的にはさらなるM&Aに向けた財務的な余力も十分ある。
2024年3月期は売上高・営業利益ともに約7%成長を予想。足元の受注環境は良好であり、業績は上振れる可能性あり
3. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績については、売上高で前期比6.8%増の21,570百万円、営業利益で同7.0%増の1,561百万円、経常利益で同6.1%増の1,626百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.5%増の1,094百万円と増収増益を見込んでいる(期初予想どおり)。
受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化(DX)による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。長期化するウクライナ情勢等に起因する物価高騰や世界的な金融引き締めによる景気への影響など経済の先行きに不透明感は残るものの、システムインテグレーション業界への影響は軽微であると考えられる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2023年4月に74名を新卒採用)に加えて、中途採用(年間10人前後)及びパートナーとの連携も強化しており、機会を逃さない体制が整う。育成に関しては、PM育成や新技術習得(AWS、Azureの認定資格取得など含む)を継続して強化する。2023年2月に子会社化したシーアンドエーコンピューターの売上高(連結前の売上規模で約7億円)も通期で追加される。通期売上高予想に対する、第2四半期進捗率は、50.8%(前年同期は50.0%)であり、前期を上回り順調に推移している。
営業利益は前期比7.0%増、営業利益率で7.2%(前期と同じ)を見込む。売上総利益は同11.2%増、売上総利益率は20.8%(前期比0.8ポイント上昇)と堅調に増加するものの、販管費は同13.7%増、販管費率13.6%(同0.9ポイント増)と増加幅が大きくなる。人財の処遇改善を目的に、ベースアップや賞与の上昇などを過去最大規模で行っており人件費が上昇するためだ。通期営業利益予想に対する、第2四半期進捗率は、56.1%(前年同期は58.7%)であった。弊社では、上期の好業績に加え、同社の顧客ポートフォリオが多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、DX・クラウド化の動きが依然として活発であること、M&Aによる土木建築システム分野への進出、人財投資の充実等から、通期業績予想は達成可能であり、むしろ上振れる可能性が高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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