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日本プロセスのニュース
■業績動向
1. 2020年5月期第2四半期累計実績
日本プロセス<9651>の2020年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比11.9%増の3,672百万円、営業利益が14.4%増の342百万円、経常利益が14.2%増の372百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が1.1%増の250百万円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は前期計上の特別利益(負ののれん発生益30百万円)が剥落して小幅増益にとどまったが、受注が好調に推移して2桁増収、2桁営業・経常増益となった。
なお連結子会社の国際プロセスを期首(2019年6月1日付)に吸収合併し、オフショア開発子会社の中国・IPD大連を重要性が増したため新規連結対象とした。
自動運転・ADAS関連を中心とする受注の拡大、サービス価値向上や請負化進展に伴う受注条件の改善、オフショア開発活用による開発リソースの拡大、プロジェクト管理強化による生産性向上などの効果で、人員増や待遇改善による人件費増加など持続的成長に向けた先行投資に伴う費用増加を吸収した。セグメント別には、特に自動車システム、特定情報システム、産業・公共システムが大幅伸長し、組込システムも好調だった。全社ベースの売上総利益率は22.1%で横ばいだったが、労務費増加などを受注条件改善や生産性向上効果で吸収した形である。販管費率は12.8%で0.2ポイント低下した。
期初計画(売上高3,650百万円、営業利益350百万円、経常利益370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円)との比較では、子会社アルゴリズム研究所において上期検収予定案件の一部が下期検収にずれ込んだ影響で、営業利益がわずかに計画を下回ったが、売上高、各利益ともおおむね計画水準で着地した。
2. セグメント別動向
セグメント別の動向は以下のとおりである。
(1) 制御システム
制御システムは、売上高が前年同期比1.5%増の551百万円、セグメント利益が同6.3%減の125百万円だった。エネルギー関連は、火力発電所向け監視・制御システムの開発量が減少し、プラント制御関連や配電自動化関連にシフトした影響で利益率がやや低下した。鉄道関連は、東京圏輸送管理システム(ATOS)と在来線運行管理システムの開発量が増加した。新幹線運行管理システムは横ばいだった。オフショア開発のIPD大連を活用して体制を拡大した。
(2) 自動車システム
自動車システムは、売上高が同14.0%増の969百万円、セグメント利益が同30.5%増の241百万円だった。車載制御では電動化案件や変速機制御案件が横ばい、新車開発関連のエンジン制御案件が減少したが、注力分野の自動運転・ADAS関連で車載ネットワーク制御や基盤ソフトウェアが大幅伸長した。受注条件の改善、オフショア開発のIPD大連の生産性向上などの効果も寄与して、利益率は3.1ポイント上昇した。
(3) 特定情報システム
特定情報システムは、売上高が同42.8%増の317百万円、セグメント利益が同28.3%増の60百万円だった。危機管理関連の開発案件の増加に加えて、前期は検収が下期に集中していたことや、一時的な作業効率悪化が発生していた案件が一巡したことも寄与して大幅増収増益となった。自動運転・ADAS関連(車載カメラによる道路標識画像認識・識別)は横ばいで推移した。
(4) 組込システム
組込システムは、売上高が同8.5%増の512百万円、セグメント利益が同6.7%増の124百万円だった。ストレージデバイスと大規模クラウド向け新ストレージ開発が堅調だった。また、IoT建設機械関連(産業・公共システムに含めていた案件を2020年5月期から組込システムに集約)では、オペレーティングシステム周辺の開発案件に参画した。自動運転・ADAS関連では基盤ソフトウェア開発の新規案件を受注した。
(5) 産業・公共システム
産業・公共システムは、売上高が同21.0%増の915百万円、セグメント利益が同9.7%増の196百万円だった。航空・宇宙関連、AI関連、IoT関連は横ばいだったが、鉄道保守・設備管理関連、駅務機器開発、鉄道子会社向けエンジニアリングサービスが好調に推移し、前期から継続しているロボティクス関連(eコマース物流分野)の開発規模が拡大した。また、医療分野を含めたフォトイメージング関連の体制を拡大し、顧客開拓を推進している。医療分野では、2019年3月に業務資本提携したインドのTrenser Technology Solutionsをオフショア開発拠点として活用する。
(6) ITサービス
ITサービスは、売上高が同7.2%減の407百万円、セグメント利益が同13.6%減の67百万円だった。保守・運用サービスで規模の小さい低収益案件から撤退するなど、収益力向上に向けて構造改革を推進中のため減収減益となった。今後はパブリッククラウドのシステム構築を主力事業にすべく取り組みを強化する。
3. 財務健全性
財務面で見ると、2020年5月期第2四半期末の総資産は10,527百万円で2019年5月期末比101百万円減少した。資産の部では、有価証券、売上債権、仕掛品などが増加した一方で、現金及び預金、繰延税金資産などが減少した。負債の部では、未払法人税や賞与引当金が減少した。純資産は9,155百万円で前期末比333百万円増加した。この結果、2020年5月期第2四半期末の自己資本比率は87.0%まで上昇した。無借金経営で、内部留保は潤沢である。財務健全性は極めて高いと言えるだろう。
なお2019年5月期から、税効果会計にかかる会計基準の一部改正(企業会計基準第28号、平成30年2月16日)等を適用している。このため「主要経営指標」では2017年5月期まで適用前の数値を記載している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2020年5月期第2四半期累計実績
日本プロセス<9651>の2020年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比11.9%増の3,672百万円、営業利益が14.4%増の342百万円、経常利益が14.2%増の372百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が1.1%増の250百万円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は前期計上の特別利益(負ののれん発生益30百万円)が剥落して小幅増益にとどまったが、受注が好調に推移して2桁増収、2桁営業・経常増益となった。
なお連結子会社の国際プロセスを期首(2019年6月1日付)に吸収合併し、オフショア開発子会社の中国・IPD大連を重要性が増したため新規連結対象とした。
自動運転・ADAS関連を中心とする受注の拡大、サービス価値向上や請負化進展に伴う受注条件の改善、オフショア開発活用による開発リソースの拡大、プロジェクト管理強化による生産性向上などの効果で、人員増や待遇改善による人件費増加など持続的成長に向けた先行投資に伴う費用増加を吸収した。セグメント別には、特に自動車システム、特定情報システム、産業・公共システムが大幅伸長し、組込システムも好調だった。全社ベースの売上総利益率は22.1%で横ばいだったが、労務費増加などを受注条件改善や生産性向上効果で吸収した形である。販管費率は12.8%で0.2ポイント低下した。
期初計画(売上高3,650百万円、営業利益350百万円、経常利益370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円)との比較では、子会社アルゴリズム研究所において上期検収予定案件の一部が下期検収にずれ込んだ影響で、営業利益がわずかに計画を下回ったが、売上高、各利益ともおおむね計画水準で着地した。
2. セグメント別動向
セグメント別の動向は以下のとおりである。
(1) 制御システム
制御システムは、売上高が前年同期比1.5%増の551百万円、セグメント利益が同6.3%減の125百万円だった。エネルギー関連は、火力発電所向け監視・制御システムの開発量が減少し、プラント制御関連や配電自動化関連にシフトした影響で利益率がやや低下した。鉄道関連は、東京圏輸送管理システム(ATOS)と在来線運行管理システムの開発量が増加した。新幹線運行管理システムは横ばいだった。オフショア開発のIPD大連を活用して体制を拡大した。
(2) 自動車システム
自動車システムは、売上高が同14.0%増の969百万円、セグメント利益が同30.5%増の241百万円だった。車載制御では電動化案件や変速機制御案件が横ばい、新車開発関連のエンジン制御案件が減少したが、注力分野の自動運転・ADAS関連で車載ネットワーク制御や基盤ソフトウェアが大幅伸長した。受注条件の改善、オフショア開発のIPD大連の生産性向上などの効果も寄与して、利益率は3.1ポイント上昇した。
(3) 特定情報システム
特定情報システムは、売上高が同42.8%増の317百万円、セグメント利益が同28.3%増の60百万円だった。危機管理関連の開発案件の増加に加えて、前期は検収が下期に集中していたことや、一時的な作業効率悪化が発生していた案件が一巡したことも寄与して大幅増収増益となった。自動運転・ADAS関連(車載カメラによる道路標識画像認識・識別)は横ばいで推移した。
(4) 組込システム
組込システムは、売上高が同8.5%増の512百万円、セグメント利益が同6.7%増の124百万円だった。ストレージデバイスと大規模クラウド向け新ストレージ開発が堅調だった。また、IoT建設機械関連(産業・公共システムに含めていた案件を2020年5月期から組込システムに集約)では、オペレーティングシステム周辺の開発案件に参画した。自動運転・ADAS関連では基盤ソフトウェア開発の新規案件を受注した。
(5) 産業・公共システム
産業・公共システムは、売上高が同21.0%増の915百万円、セグメント利益が同9.7%増の196百万円だった。航空・宇宙関連、AI関連、IoT関連は横ばいだったが、鉄道保守・設備管理関連、駅務機器開発、鉄道子会社向けエンジニアリングサービスが好調に推移し、前期から継続しているロボティクス関連(eコマース物流分野)の開発規模が拡大した。また、医療分野を含めたフォトイメージング関連の体制を拡大し、顧客開拓を推進している。医療分野では、2019年3月に業務資本提携したインドのTrenser Technology Solutionsをオフショア開発拠点として活用する。
(6) ITサービス
ITサービスは、売上高が同7.2%減の407百万円、セグメント利益が同13.6%減の67百万円だった。保守・運用サービスで規模の小さい低収益案件から撤退するなど、収益力向上に向けて構造改革を推進中のため減収減益となった。今後はパブリッククラウドのシステム構築を主力事業にすべく取り組みを強化する。
3. 財務健全性
財務面で見ると、2020年5月期第2四半期末の総資産は10,527百万円で2019年5月期末比101百万円減少した。資産の部では、有価証券、売上債権、仕掛品などが増加した一方で、現金及び預金、繰延税金資産などが減少した。負債の部では、未払法人税や賞与引当金が減少した。純資産は9,155百万円で前期末比333百万円増加した。この結果、2020年5月期第2四半期末の自己資本比率は87.0%まで上昇した。無借金経営で、内部留保は潤沢である。財務健全性は極めて高いと言えるだろう。
なお2019年5月期から、税効果会計にかかる会計基準の一部改正(企業会計基準第28号、平成30年2月16日)等を適用している。このため「主要経営指標」では2017年5月期まで適用前の数値を記載している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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