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イチネンホールディングスのニュース
■事業概要
1. 主な事業内容
イチネンホールディングス<9619>の事業セグメントは、自動車リース関連、ケミカル、パーキング、機械工具販売、合成樹脂、その他に分けられている。各セグメントの2021年3月期の売上高(内部売上高消去前の金額)は自動車リース関連51,728百万円(構成比45.6%)、ケミカル11,225百万円(同9.9%)、パーキング5,086百万円(同4.5%)、機械工具販売33,887百万円(同29.9%)、合成樹脂11,219百万円(同9.9%)、その他304百万円(同0.2%)となっている。
(1) 自動車リース関連事業
各サブセグメントの詳細売上高は開示されていないが、部門売上高に占める大体の比率は、リースが約73%、メンテナンスが約22%、燃料販売が約4%、残りがその他となっている。
a) オートリース
トヨタレンタリースやオリックス<8591>などと同様に、自動車のリースを行う事業。競合他社は多いが、特色としては比較的大型車(4トン以上)の取り扱いが少ない。またメンテナンス部門を有していることから、メンテナンス付きで受注する場合も多い。リースは一度受注すると数年間継続することから、比較的安定した部門である。
b) 自動車メンテナンス受託
全国約8,500の自動車整備工場と提携し、他のリース会社からのメンテナンス契約を受託するもの。この部門に計上される売上高は他社から受託したものだけで、自社リースに付随したメンテナンス分はオートリース売上高に含まれる。また「フォークリフトメンテナンス」などの独自サービスも行っている。今後の課題として、次世代自動車(HV、EVなど)の整備ネットワークも進めている。
c) 車両販売
リース満了車両や法人車両などを買い取り、中古車販売を行う事業。販売について現状は国内オートオークションでの売却が中心となっている。今後は、収益増強のため2016年10月に設立したICHINEN AUTOS (N.Z.) LIMITEDを中心に販売方法の多様化を図っていく。
d) 燃料販売
石油元売各社から発行されるガソリンスタンド(GS)用の給油カードを主に販売する事業。車両1台に対して1枚のカードが発行されるが、販売先は必ずしも同社のリース先とは限らない。ガソリンの販売価格は同社が決定し全国一律価格で提供される。顧客にとっては、全国の支店や事業所等での利用を同一価格で一括請求してもらえるため、業務効率の改善につながるメリットがある。なお同社の売上高として計上されているのは、末端販売金額から仕入金額を差引いた分だけである。
e) 車体修理管理サービス
主に鈑金修理の斡旋を行う事業である。損害保険会社出身のアジャスター(損害査定士)と呼ばれる社員が、顧客からの修理依頼に基づいて適正価格の見積もりを行い、全国各地の鈑金工場と交渉を行う。引取手数料無料、代車の無料手配、修理箇所の永久保証などのサービスを付加し他社との差別化を図っている。
(2) ケミカル事業
主力製品は、プロ向けケミカル(潤滑剤、防錆剤、各種洗浄剤、補修塗料等)。そのほかには発電用大型ボイラー及び船舶エンジン向け燃料添加剤、一般消費者向けケミカル(自動車用クリンビュー等)、特殊ケミカル(ゴム、エラストマーなどの難密着素材へのコーティングや各種OA部品向けケミカル製品等)などを扱っている。部門の約76%が自社製品で残り約24%が仕入商品であるため、部門の粗利率は高い(30~50%)。
(3) パーキング事業
土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など契約形態は様々である。全国展開しているが、関西地区の比率(約62%)が高くなっている。また最近では、総合病院や大型の商業施設に付帯する駐車場の運営管理にも注力している。
(4) 機械工具販売事業
既述のように同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約8,500の自動車整備工場と提携しているが、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーが得られるとして、この事業に参入した。複数の子会社で事業を行っているが、歴史が長い(株)イチネン前田(現 (株)イチネンMTM)は主に自動車用工具と産業用工具を扱ってきた。(株)イチネンTASCOは空調工具、環境計測器を扱っているが、空調工具では業界一の売上実績があり「TASCO」ブランドは高い信頼を得ている。また(株)イチネンミツトモ(現 イチネンMTM)は電動工具やDIY用品を扱ってきたが、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインナップを揃えている。近年は、子会社(株)イチネンネットをとおしてネット販売も強化している。また海外展開の強化として、2015年4月にタイで合弁会社を設立した。
また2018年8月に(株)トヨシマの事業を吸収分割により継承したが、2019年4月1日付でトヨシマを存続会社としてイチネン前田、イチネンミツトモ、(株)ゴンドー、(株)イチネンSHOKOの4社を吸収合併し、イチネンMTMに商号変更している。また2019年11月に会社分割による事業継承で新規連結子会社となった(株)アクセスもこの部門に含まれる。
(5) 合成樹脂事業
このセグメントはさらに3つのサブセグメントに分けられるが、合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っている。アミューズメント事業は、主にパチスロ機の筐体部分を設計・製造するもので、商社及びメーカー機能を併せ持っている。科学計測器事業では酸素濃度計、ガス検知警報機の開発・製造・販売も行っている。また2020年3月から新規連結子会社となった(株)浅間製作所もこの部門に含まれるが、主な事業内容はパチンコ機向けの部品の製造等であり、既存事業(パチスロ向け合成樹脂製造)とのシナジーが期待される。
(6) その他
新規事業である農業、不動産の賃貸・管理事業などが含まれる。農業分野は、ミニトマトの生産を行っているが、生産量は順調に拡大している。
2. 特色、強み
(1) 変化に強く、安定性がある
多角化経営により、環境の変化に対して柔軟な対応が可能。さらに業績の増減をそれぞれの事業でカバーし合うことで、全体としては安定した経営を継続的に行うことが可能である。
(2) グループ一体経営
グループ間のシナジーを最大限に生かし、グループ全体で成長を続けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
1. 主な事業内容
イチネンホールディングス<9619>の事業セグメントは、自動車リース関連、ケミカル、パーキング、機械工具販売、合成樹脂、その他に分けられている。各セグメントの2021年3月期の売上高(内部売上高消去前の金額)は自動車リース関連51,728百万円(構成比45.6%)、ケミカル11,225百万円(同9.9%)、パーキング5,086百万円(同4.5%)、機械工具販売33,887百万円(同29.9%)、合成樹脂11,219百万円(同9.9%)、その他304百万円(同0.2%)となっている。
(1) 自動車リース関連事業
各サブセグメントの詳細売上高は開示されていないが、部門売上高に占める大体の比率は、リースが約73%、メンテナンスが約22%、燃料販売が約4%、残りがその他となっている。
a) オートリース
トヨタレンタリースやオリックス<8591>などと同様に、自動車のリースを行う事業。競合他社は多いが、特色としては比較的大型車(4トン以上)の取り扱いが少ない。またメンテナンス部門を有していることから、メンテナンス付きで受注する場合も多い。リースは一度受注すると数年間継続することから、比較的安定した部門である。
b) 自動車メンテナンス受託
全国約8,500の自動車整備工場と提携し、他のリース会社からのメンテナンス契約を受託するもの。この部門に計上される売上高は他社から受託したものだけで、自社リースに付随したメンテナンス分はオートリース売上高に含まれる。また「フォークリフトメンテナンス」などの独自サービスも行っている。今後の課題として、次世代自動車(HV、EVなど)の整備ネットワークも進めている。
c) 車両販売
リース満了車両や法人車両などを買い取り、中古車販売を行う事業。販売について現状は国内オートオークションでの売却が中心となっている。今後は、収益増強のため2016年10月に設立したICHINEN AUTOS (N.Z.) LIMITEDを中心に販売方法の多様化を図っていく。
d) 燃料販売
石油元売各社から発行されるガソリンスタンド(GS)用の給油カードを主に販売する事業。車両1台に対して1枚のカードが発行されるが、販売先は必ずしも同社のリース先とは限らない。ガソリンの販売価格は同社が決定し全国一律価格で提供される。顧客にとっては、全国の支店や事業所等での利用を同一価格で一括請求してもらえるため、業務効率の改善につながるメリットがある。なお同社の売上高として計上されているのは、末端販売金額から仕入金額を差引いた分だけである。
e) 車体修理管理サービス
主に鈑金修理の斡旋を行う事業である。損害保険会社出身のアジャスター(損害査定士)と呼ばれる社員が、顧客からの修理依頼に基づいて適正価格の見積もりを行い、全国各地の鈑金工場と交渉を行う。引取手数料無料、代車の無料手配、修理箇所の永久保証などのサービスを付加し他社との差別化を図っている。
(2) ケミカル事業
主力製品は、プロ向けケミカル(潤滑剤、防錆剤、各種洗浄剤、補修塗料等)。そのほかには発電用大型ボイラー及び船舶エンジン向け燃料添加剤、一般消費者向けケミカル(自動車用クリンビュー等)、特殊ケミカル(ゴム、エラストマーなどの難密着素材へのコーティングや各種OA部品向けケミカル製品等)などを扱っている。部門の約76%が自社製品で残り約24%が仕入商品であるため、部門の粗利率は高い(30~50%)。
(3) パーキング事業
土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など契約形態は様々である。全国展開しているが、関西地区の比率(約62%)が高くなっている。また最近では、総合病院や大型の商業施設に付帯する駐車場の運営管理にも注力している。
(4) 機械工具販売事業
既述のように同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約8,500の自動車整備工場と提携しているが、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーが得られるとして、この事業に参入した。複数の子会社で事業を行っているが、歴史が長い(株)イチネン前田(現 (株)イチネンMTM)は主に自動車用工具と産業用工具を扱ってきた。(株)イチネンTASCOは空調工具、環境計測器を扱っているが、空調工具では業界一の売上実績があり「TASCO」ブランドは高い信頼を得ている。また(株)イチネンミツトモ(現 イチネンMTM)は電動工具やDIY用品を扱ってきたが、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインナップを揃えている。近年は、子会社(株)イチネンネットをとおしてネット販売も強化している。また海外展開の強化として、2015年4月にタイで合弁会社を設立した。
また2018年8月に(株)トヨシマの事業を吸収分割により継承したが、2019年4月1日付でトヨシマを存続会社としてイチネン前田、イチネンミツトモ、(株)ゴンドー、(株)イチネンSHOKOの4社を吸収合併し、イチネンMTMに商号変更している。また2019年11月に会社分割による事業継承で新規連結子会社となった(株)アクセスもこの部門に含まれる。
(5) 合成樹脂事業
このセグメントはさらに3つのサブセグメントに分けられるが、合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っている。アミューズメント事業は、主にパチスロ機の筐体部分を設計・製造するもので、商社及びメーカー機能を併せ持っている。科学計測器事業では酸素濃度計、ガス検知警報機の開発・製造・販売も行っている。また2020年3月から新規連結子会社となった(株)浅間製作所もこの部門に含まれるが、主な事業内容はパチンコ機向けの部品の製造等であり、既存事業(パチスロ向け合成樹脂製造)とのシナジーが期待される。
(6) その他
新規事業である農業、不動産の賃貸・管理事業などが含まれる。農業分野は、ミニトマトの生産を行っているが、生産量は順調に拡大している。
2. 特色、強み
(1) 変化に強く、安定性がある
多角化経営により、環境の変化に対して柔軟な対応が可能。さらに業績の増減をそれぞれの事業でカバーし合うことで、全体としては安定した経営を継続的に行うことが可能である。
(2) グループ一体経営
グループ間のシナジーを最大限に生かし、グループ全体で成長を続けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
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