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U-NEXT HOLDINGSのニュース

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USENNEX Research Memo(3):事業間のシナジー追及に加え、各事業で収益性の改善を推進(1)

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/16 15:43
■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の会社概要

3. 事業概要
事業セグメントは、店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、コンテンツ配信事業、エネルギー事業、メディア事業の6つとなる。主として法人や個人事業主などの中小事業所向けビジネスで構成され、子会社を通じて顧客に提供されている。店舗サービス事業では、飲食・小売などの業務店や各種施設に対して、音楽配信サービスの提供や配信機器の販売・施工、音楽著作権の管理、IoT商材など店舗経営のためのソリューションサービスを提供している。エネルギー事業やメディア事業では、そうした顧客に対し、電力・ガスの販売と「ヒトサラ」など自社メディアによる集客支援サービスを行っている。業務用システム事業では、ホテルや病院などに自動精算機やフロント管理システムを販売している。通信事業では、法人向けブロードバンドインターネット回線や個人向けMVNOサービスなどを販売している。コンテンツ配信事業では、個人向けに動画や電子書籍といったデジタルコンテンツを配信している。なお、事業間のシナジーを追求するだけでなく、販売時のワンショット収益から月次利用料を収受するランニング収益などへと、各事業においても収益性の改善を進めている。

(1) 店舗サービス事業
店舗サービス事業では、グループの主軸で祖業でもある音楽配信事業と店舗運営に関するソリューションサービスを行っている。音楽配信事業は50年以上の歴史を有し、J-POPや洋楽などの専門チャンネルからリクエストチャンネルまで、全国の店舗や施設へ向けて音楽や情報などを放送する「USEN」サービスを提供している。顧客の大多数は業務店で、特に飲食、小売、理美容、クリニックが多く、チェーン店も全国チェーンから地域密着チェーンまでと幅広い。楽曲数は950万曲以上あり、どのような業種にも業態にも適したプレイリストを作成できるうえ、来店客向けや従業員向けなど1,000種類の店内アナウンスも標準搭載している。グループで全国170拠点、営業職1,100人、技術職900人という強力なサポート体制を擁し、設置施工からアフターケアまで万全の態勢をとっている。加えて月額4,000~5,000円でCDプレイヤーの導入や継続的なソフト購入・選曲、面倒な著作権処理などの手間が解消されることを考えると、コストパフォーマンスは高く、長く続く人気の理由となっている。このため現在、顧客件数は75万件に上り、店舗・施設用BGMで90%超という圧倒的なシェアを誇っている。こうした強固な収益基盤を背景に、グループの成長戦略を資金面で支える役割も果たしている。

音楽配信事業の周辺サービスとして、店舗周りの商品やサービス、機器・内装の設置施工、音楽著作権の管理、人材獲得支援、開業支援、業務環境構築、販売促進まで、店舗運営に関する様々なソリューションサービスも提供している。近年、小売・サービス業でもIT化が進んでいるが、中小事業者が独力で最先端の機器やシステムを導入するのはハードルが高いため、同社が代わってワンストップで届けている。なかでも高い伸びを示しているのがタブレットPOSレジ「Uレジ」とキャッシュレス決済用サービス「Uペイ」である。また、無線LANの普及と業務機器のIoT化を背景に、店舗経営をスマート化するWi-Fiや店舗BGM、カメラ、分析サービスが一体となったワンストップ・ソリューション「USEN IoT PLATFORM」をスタートした。キーサービスは、「U AIR」「U MUSIC」「U EYES」である。「U AIR」は工事不要で即日使えるビジネス向けWi-Fiである。「U MUSIC」はAIが選曲するBGMで各種アナウンスや通信機能もある。「U EYES」は防犯対策と来店客分析を兼ね備えたAIカメラユニットである。同社は「USEN IoT PLATFORM」構築をバネにクロスセルを拡大していく意向である。「USEN IoT PLATFORM」は2021年8月期の経営戦略で重要な役割を果たすことから、後に詳述する。

(2) 通信事業
通信事業では、法人向けにICTソリューション「USEN GATE 02」とブロードバンドインターネット回線「USEN光」、業務店向け光回線サービス、個人向けにMVNOサービス「y.u mobile」とブロードバンドインターネット回線「U-NEXT光01」を提供している。ICTソリューションでは、Googleやサイボウズ<4776>などのクラウドサービスやモバイルサービス、データセンターサービスなどSaaSに連なるICT商材・サービスを提供しており、着実に実績を積み重ねている。常に変化し発展し続けるICT業界で4万社を超える企業にサービスを提供してきた同社の強みは、サービスラインアップの幅の広さと、ネットワーク環境に関するあらゆるニーズに1つの窓口で対応できる利便性にある。こうした取り組みが評価され、コロナ禍におけるテレワーク需要の取り込みにつながったと考えられる。個人向けでは、競争激化が続く個人向けMVNOサービスに関して、複雑な料金体系で分かりにくい「U-mobile」を見直し、分かりやすさをコンセプトにした新たな格安SIMサービス「y.u mobile」を再スタートした。小さな変化かもしれないが、実は後述する「USEN IoT PLATFORM」の構築に一枚噛む重要なアイテムとなっている。

(3) 業務用システム事業
業務用システム事業は子会社の(株)アルメックスが行っている。ビジネスホテルやシティホテル、レジャーホテル向けに自動精算機や宿泊施設管理システム、総合病院など医療機関向けに自動精算機や再来受付機、ゴルフ場向けには自動精算機やチェックイン機などを提供している。そのほかに飲食店向けにオーダー端末やオペレーティングシステムの販売も行っている。自動精算機と言うと大手電機メーカー製をイメージしやすいが、同社はシェアトップとなっている。納入先別シェアでもレジャーホテル85%、ビジネスホテル65%、大規模医療機関65%、ゴルフ場70%となっている。ファブレスメーカーとして機器やシステムの開発から販売、メンテナンスまでを独自で行っていることが強みで、グループ内では異色な存在と言える。また、省人化など顧客のオペレーション効率化ばかりでなく、施設利用者の利便性までもターゲットにした製品開発に定評があり、大きな差別化要因となっている。直近では、医療機関トータルソリューション「Sma-pa(スマパ)シリーズ」において、2021年3月のマイナンバーカードの保険証適用をにらんだ、オンライン資格確認対応の顔認証付きカードリーダー「Sma-paマイナタッチ」を発売した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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配信元: フィスコ
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