ゼロのニュース
【QAあり】ゼロ、自動車市場の回復、新規案件獲得などにより上半期で増収増益 2024年問題への取り組みを推進
2024年6月期第2四半期決算説明会
北村竹朗氏(以下、北村):みなさま、こんにちは。代表取締役社長の北村です。本日は、当社の上半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
まず最初に、今年は年始早々、非常に悲しいニュースでの幕開けとなりました。元日に最大震度マグニチュード7.6を観測する能登半島地震が発生しました。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されたすべてのみなさまに対して、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。1日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
そして、1月2日には羽田空港において、民間の旅客機と海上保安庁の航空機との衝突事故が発生しました。旅客機の乗客乗員は、全員奇跡的な脱出をしたわけですが、能登半島の被災地に救援物資を届ける予定だった海上保安庁におかれましては、乗務員の尊い命が失われました。あらためまして、謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
目次
本日は、上半期の振り返りと通期の見通しについては、すでに短信を発表していますので、簡単にご説明し、いよいよ再来月施行される2024年問題について詳しくお話をしたいと思います。
2024年6月期上半期の外部環境
最初に、上期の振り返りです。スライドは為替と原油価格の動向をコロナ禍が発生した2020年から2023年末まで月の平均でプロットしたものです。
為替レートは2023年末の数字ですので、ご承知のように現在は150円を超えているのではないかと思います。それから、原油についても80ドルを超えているのが足元だと思いますが、このようなかたちで推移をしています。
当社は、新車にはすでに導入していた燃料サーチャージ制を一昨年、中古車に対して導入しました。時期のズレはありますが、燃料価格の経営へのインパクトは、基本的にはない仕組みを導入しています。
実は政府の燃料油補助金がもうすでに6兆円を超えています。先日も以前から議論になっているトリガー条項の凍結解除に向けて、国民民主党が命がけで取り組んでいました。しかし現在の政治資金の問題で後回しにされ、おそらくこれは難しいだろうということで、4月末で期限を迎えると言われている補助金について、さらに延長が予定されているようです。
2024年6月期上半期の国内自動車総市場(新車・中古車)
自動車市場の動向についてです。棒グラフは2019年から2023年の暦年の数字です。半導体の問題が解消され、いわゆる受注停止の状態も落ち着いてきて、2023年1年間で約478万台という数字となりました。
5年ぶりに前年を上回ったわけですが、2022年の420万台は統計史上一番低いと言える数字であり、当然と言えば当然ですが、コロナ禍でまだ元に戻っていないというのが、昨年1年間の新車販売市場でした。
右側の折れ線グラフは、2023年の月別販売台数について、前年との比較をパーセンテージで表しています。下の赤線は、コロナ禍以前の2018年の各月との比較を表しています。
本来であれば、2019年と比較するのですが、ご承知のように、2019年10月に消費税の10パーセントへの引き上げがあったため、毎月の動きが通常の月と違います。2019年9月までは駆け込み需要があり、10月以降はその反動があった特例的な年のため、前年の2018年と比較しています。
グラフのとおり、100パーセントを超えた月はなく、まだまだコロナ禍以前の水準には戻っていないという現状です。
下のグラフが中古車登録・販売台数(暦年)です。2023年は643万台で微増です。ご承知のように夏から中古車業界で混乱が生じ、大手の中古車専門業者は非常に苦しい状態に追い込まれています。オークション会場への出品台数は前年に対して14パーセント伸びています。しかしながら成約率が低いため、最終的にはこのような数字に落ち着きました。
一方、円安が進んでいるため、中古車輸出は150万台を超える過去最高の台数となり、トータルすると、中古車の登録・販売台数が643万台という数字になりました。
私が、車両輸送物流を考えた場合の目安としているのが、新車販売台数の場合は500万台、中古車の場合は、販売と登録変更の数字の合計で700万台です。
市場がどのように動いているのかを、新車・中古車販売の合計で1,200万台を1つのベンチマークとして見ていますが、グラフを見ていただいてわかるように、まだ新車も中古車もその水準には達していないです。
2024年6月期上半期の業績概要と業績分析 ①業績概要
このような市場環境で、すでに短信で出しましたが、2024年6月期上半期売上高は約640億円、営業利益は約23億円で2023年6月期上半期を上回ることができました。
2024年6月期上半期の業績概要と業績分析 ②業績分析(売上収益)
セグメント別の売上高推移です。2023年6月期に対して売上が伸びているセグメントは2つあります。1つが国内自動車関連事業です。もう1つが人材サービス事業などのヒューマンリソース事業です。
何が起きているのかというと、国内自動車関連事業では、新車販売台数に動きが出てきたことに伴い、下取りの車も増えてきたため、2023年6月期に対して10万台以上受託台数が増えた結果です。
人材サービス事業もコロナ禍が収束して、かなりの人材の需要があり売上高が上がりました。
一方、一般貨物事業と海外関連事業は、減収となっています。一般貨物事業は、倉庫・運輸事業で不採算のお客さまに対して料金改定等をお願いしています。そこで失注する部分もあり、微減となっていますが、不採算事業を切り離したと理解いただければと思います。
海外関連事業は、2022年6月期からマレーシア向けの中古車輸出の特需が起きたため、その反動があります。2023年6月期上半期に対して約200台、出荷台数が減少しているという数字になります。
2024年6月期上半期の業績概要と業績分析 ③業績分析(営業利益)
このように、売上収益では国内自動車関連事業、人材サービス事業が増収、一般貨物事業と海外関連事業が減収ですが、営業利益は反対のことが起きており、国内自動車関連事業、人材サービス事業が減益となります。
販売台数は伸び、需要は高いのですが、人材募集の人件費が高騰するため、その影響でこのような現象が起きていると理解していただければと思います。
一方、一般貨物事業と海外関連事業は、売上収益は減収ですが、営業利益は増益になっています。運輸・倉庫事業は、不採算事業を切り離したため、ほとんど営業利益へのインパクトはありません。
港湾荷役事業は、バイオマス燃料の荷役として、バイオマス発電用のチップ、あるいは木くずなどの荷役作業が増えているため増益となっています。
海外関連事業は、CKDの部品輸出と中国の事業が好調に推移したことが増益要因です。新聞で「中国ではEV車が中心となっていて、日本車が非常に苦戦している」という報道があります。
しかし今までは約95パーセント、日産関係の仕事をしていましたが、現在はトヨタやBYDなどの輸送事業を行っていることが営業利益を押し上げています。まだシェアは低いのですが、今後は伸ばしていく計画です。
2024年6月期の通期業績予想
通期の業績予想は、据え置きとしました。据え置いた理由として、現在、市場は少し見通しがつきにくい状況だからです。
2023年はビッグモーターの不祥事がありました。新聞には伊藤忠グループが200億円程度の出資を行うのではないか、というような話がありましたが、まだそのような状態にあるということで、中古車市場は先行きが見通せないです。
新車市場では、ダイハツの不祥事がありました。ダイハツの生産車種は、全部で45車種ほどあるのですが、国交省が1車種ごとに立会い検査をして出荷を認めています。
ダイハツの一番の量販車種「タント」は年間15万台ぐらい売れます。「ムーヴ」は5万台から6万台売れる車ですが、この2車種の立会い検査はまだ終わっていません。そのような理由から、2024年1月のトヨタ系の新車販売台数が前年比で減少しています。
日産、三菱、ホンダ、スズキは前年比で増えていますが、全体として17ヶ月ぶりに前年より減少しており、ダイハツグループの動きもまだ見通せない状況です。
トヨタグループ関連では、豊田自動織機のエンジン不正の問題があります。ハイエースが中心だと思いますが、実はアルファードとヴェルファイアのラインが止まっているということです。
これは、同じラインでの混流生産であり、併せて生産を止めているということで、いつ生産が再開するのかわからない状態であるため、やはり新車についてはまだ見通しが立ちにくいと思います。
それから、能登半島の地震の影響です。能登半島には部品メーカーがたくさんあります。その供給に少し陰りが出ているということで、生産にどのような影響が出るのかということもあります。
最後に、消費者マインドの低下です。ご承知のように4年間、みなさん苦労して自粛したので、今はレジャーや観光にお金を使い始めています。自動車にお金を使わず、そのようなことにお金を使っていくことが今の動きのため、今後、新車の需要がどのように動くのかは不明です。
ただし、おそらく3月になると、中古車市場も新車市場も動き出すと思います。そうなると、トヨタグループでは受注残が溜まっているので、一気に出てくるということになります。今の状態から繁忙期に入り、そのままどこまで続くのかということが、まだ見通しとしては立ちにくいため、ひとまず中間については、業績の見通しを据え置いています。
2024年問題の概要 〜改善基準告示の改正について〜
2024年問題について少しおさらいです。改善基準告示の内容がスライドに掲載されていますが、働き方改革関連法は時間外労働の時間を、年間で960時間以内にしましょうという話です。
一方、厚労省の出している改善基準告示では、現在の年間3,516時間の拘束時間を原則3,300時間に落とし、条件を満たせば100時間増やした3,400時間にするという内容です。
これがどのようにして作られたのかというのがスライド左下にあります。今、労働基準法上は週40時間の勤務になっています。年間で52週ありますので、掛け算すると2,080時間という数字になります。
1日8時間とした場合に、2,080時間を8で割ると260日が基本的な稼働日数となります。1日1時間の休憩時間を取らないといけないので、260時間が休憩として使われるということになります。そこに960時間の時間外労働を合わせて3,300時間になるという計算です。
とはいえ、ここまで減らしてしまうとトラックドライバーの業務が回らないだろうということで、休日出勤を月に1日認めることになり、休日勤務の100時間が3,300時間に上乗せされ、3,400時間となりました。このようにしてできた改善基準告示がいよいよ2024年4月から適用されます。
2023年3月に閣僚会議が発足し、6月末に2024年問題に対する「物流革新に向けた政策パッケージ」が発表になりました。さらに10月には、頭に「緊急」が付く「物流革新緊急パッケージ」ができました。
2024年問題へのチャレンジ(チャレンジ方針と取り組みの方向性)
それを受け、我々はいろいろチャレンジをしています。まずゼログループとしてのチャレンジをスライドに2つ記載しています。
1つは「お客さまの輸送依頼をお断りしないことにチャレンジする事」です。どこまで運べるかという問題はありますが、「断る」という姿勢はいけないだろうということで、「断らないことにチャレンジする」ということを、私は社内で発信しています。
2つ目は「乗務員のハンドルを握っている時間を削減しないことにチャレンジする事」です。過去3年間、乗務員一人ひとりがどのように仕事をしているのかということを分析しています。
労働時間全体の中で、ハンドルを握っている時間が約52パーセントです。残りの48パーセントは、車を運んでいない時間であり、乗務員は付帯作業と呼ばれる業務を通常行っています。
典型的な例として、野田にある日本最大のオートオークション会場USS東京には大量の車が並んでいます。乗務員はそこまで行って、自分が運ぶ車を探し、引き出して積み込む作業を行っており、これだけで約3時間かかります。
このような作業をほかの人に分担してもらうことによって、全体の時間を下げながら乗務員がハンドルを握っている時間は下げないということに、この3年間チャレンジしてきました。
いろいろとスライドに書いてありますが、まずは戦力を無駄にしない運び方をしたいということです。単純にA地点からB地点へ運ぶというオーダーに対して、途中でどこかに寄り、別の荷物を積むことで、空車の状態で走るような無駄が発生しない運び方をしていこう、空車区間を埋める営業活動をしようということです。加えて、付帯作業の分業体制を組もうということです。
さらに、事故への対応は非常に時間がかかるため、職場全体で事故をなくす風土作りに取り組んでいこうと、様々なトライアルをしながら進んできました。
また、当社には約1,000名の乗務員がいますが、各々の勤務時間が違います。事情があって残業ができない、休日出勤ができないという人がいますが、それをなるべく平準化し、みんなで忙しくなることで、解決する部分が多くあります。
この取組みをぜひ実行していきたいと、いろいろ分析をしながら動いていますが、当社の活動だけでは、2024年問題は解決できないため、お客さまや行政にお願いするということに、日本陸送協会としても取り組んでいます。
「陸送版 2024年問題」への取り組み概要
スライドは先ほどお話しした「物流革新緊急パッケージ」を受け、「陸送版2024年問題」への取り組み概要を国交省と協議をしてまとめたものです。
まず、左上の紺色の部分が、自分たちで努力をする部分です。乗務員の採用強化や勤務体制見直しは当然ですが、分業体制などで時間を作る、あるいは長距離便についてはドッキング輸送・リレー輸送などを行うことです。
東京・大阪間を往復すると時間オーバーになるので、静岡のどこかで荷物を組み合わせることができないだろうかというようなことがドッキング輸送です。あるいは、長距離輸送は一方通行になるので、途中でリレーをすることで時間を稼げないかなどです。加えて、共同輸送等を含めて陸送業者が行う活動を記載しています。
右上の緑色の部分が、お客さまにお願いすることです。料金改定、つまり運賃の値上げに加えて、運賃とは別のかたちで付帯作業の料金をいただけないかという2つが料金の問題です。
オフタイムデリバリーとは、いわゆる交通渋滞が少ない早朝や、深夜の時間帯に車をお預かり、またはお届けすることです。
一番下に記載していますが、オートオークションには必ず搬出期限があり、その期限内に搬出しないと、ペナルティが発生します。そこで、搬出期限を延ばしてもらうことで、もう少し全体的に楽になるということを含めて、お客さまやオークション事務局にお願いしていく内容を記載しています。
スライドの下側は、行政に対する規制、あるいは運用の緩和です。左側がキャリアカーでの輸送、右側が自走での輸送です。
陸送協会では、この中のどの提案に優先順位をつけるかを選んでおり、黄色でハイライトしています。トレーラーについては、2022年に前後はみ出し1メートルまで許容するという規制緩和がなされました。この要望で対象となるのは、トレーラー以外の単車と呼ばれるキャリアカーで、1メートルのオーバーハングを認めてほしいという内容です。
また、現在の日本の道路法における車の高さは、トレーラーも含めて3.8メートルまでという規定です。また、毎年国交省に対して、経路の指定をしたうえで、4.1メートルまで運べるように認めてもらっています。それをさらに10センチメートル高く伸ばしてほしいという要望です。
最近、SUVやミニバンなどのように、車体のサイズが大きくなっているため、高さの制限内に納まらないことがあります。あと10センチメートル高く伸ばすことが認められれば、これらの大きな車も積んで運べるようになるため、お願いをしています。
スライドの右側は自走についてです。自走には大きく2つあり、1つ目はトラックの自走です。トラックの工場からオフラインした架装前の車両は、まだ完成車ではありません。架装メーカーに届けてダンプカーや冷凍車、キャリアカーに架装されますが、完成車ではないためナンバープレートが付いていません。したがって、自走する場合には、仮ナンバーを付ける必要があります。
2つ目は、リースアップされた車の車検が切れている場合であり、これも仮ナンバーが必要です。このように2つに分かれますが、仮ナンバーの取り付けをより簡素化することが求められています。
例えば、乗用車の後部ナンバーは封印されているため、外して付けることは現実的ではありません。しかし、仮ナンバーを取り付けるよう指導されています。
どのように取り付ければよいのか分からず、結局、多くの乗務員は仮ナンバーを取り付けずに持ったままにしています。何かあった時は見せますが、そうすると「仮ナンバーを持っていてはいけません。付ける決まりです」と言われて、「どこに付けるのでしょうか?」となるのです。
本当に付ける必要があるとすれば、取り付けにかなりの時間がかかることを考慮し、簡素化してほしいと考えています。
また、「取り付け免除の拡大」とは、港とその付近のヤード間など、短い距離の公道を走らせる場合は、仮ナンバー無しが少しずつ許容されてきており、それをもう少し拡大してほしいという要望です。
下に黄文字で記載されているのが、数年前から取り組んでいるETCの専用化についてです。現在、首都高速道路ではかなり進んでいて、一般的にはETC車の場合は紫色の看板、一般車の場合は黄緑色の看板のレーンに分かれています。しかし、首都高速道路のETC専用ICでは、仮ナンバー車が通るのは白い看板のサポートレーンです。先ほど述べたトラックや、車検の切れた車も同様です。
サポートレーンに入ってまずインターホンのボタンを押し、自分の名前と会社名、ETCが搭載されていない理由を述べて、入れてくださいと伝えて高速道路に入ります。その後で請求書が送られてくるのですが、この請求書の処理もかなり煩雑です。
みなさまご承知のように、ETCを使う場合は入ったところと出たところによって料金が決まりますが、ETCを使えない仮ナンバーの場合は利用した区間ではなく、最大料金を支払う必要があります。そこで、ポータブルETCの運用を国交省や東京都に対して申し入れています。
話は進んでいるものの、最終的にポータブルが利用できるかはわかりません。しかしながら、問題だということは、十分に理解してもらえているようです。
スライドの上部に書いているのは、我々陸送業界に関連するものだけです。下部にはトラック協会について記載しています。例えば高速道路におけるトラックの最高速度を時速80キロメートルから時速90キロメートルに引き上げる提案や、トラックドライバーを特定技能として外国人が就労可能な業種として認めるような提案を推進しています。これは我々だけが動かなくても、トラック協会という大きな組織で動いた方が早いので、このような記載としています。
スライド右下は産業政策についてです。昨年1年間で、新車が478万台売れたとお伝えしましたが、EVの販売台数は9万台でした。東京都の場合、EVの購入時には国と東京都双方から補助が受けられるため、約100万円の補助金がつきます。ただし、この補助金には4年間車を保持し続けなければならないという条件があり、4年以内に第三者に売却した場合には、全額払い戻しをしなければならない規定があります。
そのため、EVは恐らく4年間は所有され、9万台のEVは3年後から中古車市場に出てくると予想されます。
現在、火災を心配して、ほとんどの船会社が内航船で中古EVは積まないと取り決めています。そのため、来年度の国の予算で、EVに対して何百億円もの予算を組もうとしていますが、これらのEVをどのように運ぶのかが問題です。「船員の安全のため、火災の要因となるものは乗せられない」となったときに、「陸送のトレーラーの乗務員の安全はどうなのか」という話になります。
ここはやはり産業政策として、対応に取り組む必要があると思います。このような話は、分野が異なる話のため、国土交通省はあまり興味がないかもしれず、経済産業省に持っていく必要があるのだろうと思います。
そして、以前よりお伝えしていますが、13年前の東日本大震災に関連して、内航船に中古車を積む際に放射線量の検査を行っていることに疑問があります。義務化の撤廃は日本港運協会が通達をしていますが、作業はまだ行われています。
現在、新車に対する放射線量検査は必要ありません。中古車は13年前には新車だったわけですが、この13年間のうちにどこで被ばくするというのでしょうか。対象となる車がないのにまだ測っています。この問題についても、何らかの形で対応が必要だと思っています。
さらには潜在的な問題として、道路上での車両の荷扱いや、3月に新車がたくさん売れるという繁閑差についても、やはり産業政策の観点から考える必要があると思います。
このようなことを全部解決しなければ、2024年問題と、口だけで言っていても解決しないと考えています。すでに国土交通省に対しては、先ほどお伝えした4つの項目について提案を行い、協議を行っているところですが、政府の対応は遅いです。間違いなく先に進んではいますが、時間がかかるため粘り強く取り組む必要があります。
「陸送版2024年問題」への取り組み概要
すでに閣議決定が行われたため、おそらく来月には物流関連2法案が成立します。内容を詳しく見ないとわかりませんが、物流業界には下請けの多重構造があるため、これを適切に管理することを目的として法律化されるようです。
例えば、荷主がいて、元請け会社がいて、さらに協力会社があり、1次、2次、3次と間に会社が入る分だけマージンが発生します。そうすると、第4次、第5次の時点で、どのぐらい運賃が下がるのかという問題があります。そのようなことを含めて、きちんと管理してくために、我々がすべきことは、「荷主とは誰を指しているのか」「元請け業者とは誰のことか」「自前でトラックを所有していない利用運送業者の位置づけは何なのか」といったことをまず定義づけ、明確にしなければならないと思います。
例えば、日産自動車と我々の関係で言えば、日産自動車が荷主です。我々は出荷された車両すべてを管理しているため、我々が元請けになるのは間違いありません。これは明確です。
現在、第1次協力会社が約70社あります。毎年調査を行い、我々の仕事をどの程度運んでいるかについてすべて把握しているため、ここまでは問題ありません。しかし、協力会社がさらに下請けの業者を使う場合、我々はその詳細を知りません。新しい法律は、このような状況でも管理を強化するよう求める改正だと思います。
いずれにしても、来月にはこれらが明確になるため、定義づけを行いながら、協会としてどのように取り組むかを考えていくことになると思います。
2024年問題への対応~車両輸送事業における料金改定~
料金改定についてです。すでに新聞に報道が出ていますが、運賃を平均で20パーセント上げて、1月の輸送分から適用しています。その背景を記載しています。
まず1つ目は、2024年問題への対応です。乗務員の採用や時給の上昇に対応しなければなりません。さらに、業務時間を下げるために付帯作業を分業化する場合、そこでも費用が発生します。そこにかかる費用や、協力会社への支払いを増やす必要があることが、2024年問題への対応の背景です。
2つ目は、環境問題への対応です。船の運賃は、硫黄酸化物(SOx)の規制があり、よりクリーンな重油を使おうという流れから、数年前に自然と運賃が上がりました。重油をクリーンにするためのコストがかかっているため、従来の重油価格が高いためです。さらには、先ほどお伝えした放射線の線量検査でも費用がかかっています。
2年前に開発したZモデルは積載効率が高いものの、費用も高いため、代替を促進することも環境問題への対応の一環です。
3つ目として、陸送業界の地位の向上も目指しています。我々は、物流業界であるのと同時に、車を工場から販売会社に運ぶという意味で自動車産業の中にもいます。
自動車産業の中では、非常に労働時間が長く、賃金が安いという問題があるため、乗務員の流出を避けるためにも、地位の向上を進める必要があります。
これらの背景を含めて、運賃を平均で20パーセント値上げさせていただきました。
2024年問題への対応 ~株式会社ソウイングの子会社化~
2023年にソウイングという会社の買収が決まりました。すでに発表していますが、ソウイングは車両の輸送だけでなく、オートオークションや入札会の構内作業も手がけています。スライドにあるように、当社のお客さまとかなり重複しています。
特にソウイングが得意な部分は構内作業です。輸送に関しては、ゼロの方がはるかに大きな規模で動いていますが、この2つを融合させることで、将来的に構内作業を含む車両輸送の周辺ビジネスを、さらに良いサービスにしていきたいと考えて買収しました。現在、順調に推移しているところです。
質疑応答:「運びきる」ことと品質確保を両立するために重視していることについて
質問者:ゼログループとしてチャレンジする方針の1つに「運びきる」があり、「お客さまの輸送依頼をお断りしないことにチャレンジする」という話がありました。
この「運びきる」に挑戦するなかで、おそらくゼロとして守らなければいけない品質があると思います。この品質を守りながら「運びきる」ことに果敢にチャレンジすることに関して、社長が大事にしていることや気をつけていることがあれば教えてください。
北村:品質は確かに難しい問題です。以前からこの「運びきる」という目標を掲げており、自助努力をもって尽力してまいりましたが、もうそれでは限界が来ているというのが今回の2024年問題です。
特に新型コロナウイルス感染症の影響や、半導体不足の問題があり、お客さまの納車が大幅に遅れたり受注停止に追い込まれたりしました。
それが去年後半から現在にかけてやっと復活しており、お客さまからすると、待ちに待った納車であるため、その車で事故を起こすということは最もあってはいけないことです。ここについては「本当に丁寧に行動する必要がある」と社内でも話をしてきました。
我々に限らず、陸送業界全体で昔に比べて事故が増えていると問題になっており、特にバック事故が多いと言われています。これは陸送業界全体に限らず、陸送業界以外でも多いと聞いています。
この原因をはっきりさせたいのですが、簡単ではありません。スライドに「職場風土」作りと書いてありますが、実はこのスライドは、社内的に使用する場合この色を変えて強調しています。また、社内には安全・品質本部がありますが、いくら話しても全体的に事故が増え続けています。
私は個人的に、社員全員で事故に対する意識をもっと強く持たなければならないのだろうと考えています。それがここでお伝えしている「職場風土」です。
例えば、乗務員1人だけに「事故をなくせ」と言うのではなく、その事務所にいる人全員で声をかけ合うことが根本として必要であり、そのような基本に立ち返る必要があると思います。
昔は厳しい指導も行われていましたが、今はそのような時代ではありません。だからこそ全体でどのようにムードを作っていくのかが重要だと強く思っています。
柴崎康男氏(以下、柴崎):コロナ禍の間に大勢の乗務員が辞め、新しい人材に入れ替わっています。極端なことを言うと、毎年100人が入ってきて、100人辞めるという中で、乗務員のスキルが落ちていると感じています。
もちろん一人ひとりのスキル向上に努めていく必要がありますが、離職防止のための活動も考えています。また、北村がお伝えしたように、全員が声をかけ合えるような組織を作る必要があります。
従来はチーフパイロットと呼ばれる乗務員上がりの管理職が、事務所の乗務員全員の面倒を見ていましたが、1人では何十人もの乗務員を見ることは難しいです。そこで、その下に班長を置いて、日々の面倒を見たり悩みを聞いたり、行く場所がわからない場合は丁寧に教えられる体制を作っていくのが1つです。
また、事故の要因として多く挙げられるのは、焦りがあることです。時間管理が厳しくなると、余計に焦りが出てきます。2024年問題で、この問題はより大きくなる可能性があります。この問題に対しては、乗務員が当日運ぶ場所を事前に勉強できるような仕組みづくりなど、デジタル化による情報でのサポートを考えています。
質疑応答:ソウイングの子会社化について
質問者:ソウイングの子会社化について、車両輸送と構内作業の融合ということが、社長のお話の中でありました。2024年度に、直近でなにか具体的に新しい取り組みをするものがあれば教えてください。また、なにか売上や利益をアップさせるような影響があれば教えてください。
北村:まず、この買収を発表したとき、業界でどのような動きがあったかというと、「いよいよゼロが本気で構内作業に入るのだな」というコメントを多くいただきました。スライドに掲載しているお客さま以外のところからも、現在多くの構内作業の引き合いをいただいています。というのも、オートオークションの構内作業は、自社で行うと大変な部分があり、ソウイングのような専門の会社に頼みたい、というニーズがあるので、多くのお客さまから問い合わせをいただいております。2番目のご質問である売り上げ等の業績については、そのような引き合いがあるということで、まずご理解いただければと思います。
効率化を含めたことに関して、ソウイングが行っている車両輸送は、1次、2次と、その下ぐらいに位置していると思います。ここにゼロが入ることにより、下請けの構造についてしっかりと確認することは、今度法整備されるという多重化の話においても非常に大事なことだと思います。それから、ソウイングは非常に小回りが利きます。例えば、我々が同じ構内作業を応札しても、彼らに負けるときがあるのです。
やはり彼らの方が、お客さまに対して丁寧に寄り添いながら作業しているということで、非常に勉強になります。
髙橋俊博氏(以下、髙橋):ソウイングの創業者である丹羽会長とのお話の中で、「構内作業というのは、お客さまに非常に寄り添って行うことで、収益と宝になる」とのことでした。それを行うためには、そんなに儲からないかもしれないけれど輸送をする、もしくはオートオークション会場のお客さんになるために、車の売買をするということによって、構内の仕事を取りに行くということをされていたのです。
ゼログループで考えると、輸送は全国で行っています。さらに子会社のワールドウインドウズでは、月間800台から1,000台ぐらいオークションで売買しています。
なぜ構内作業をしなかったのかと考えたときに、やはりゼロの元々の母体が日産陸送ということで、工場で生産された車両をディーラーに届けるということが、我々の文化の中に染みついています。
構内作業へ積極的に参入できなかったのは、そういったゼロの文化がありました。そのような状況を打開するためにも、ゼロで請け負っている構内作業をソウイングへすべて集約し、輸送に関してはゼロのノウハウを生かすために吸収することで、相互のメリットを生み出すために会社の買収を行いました。
北村:「今後の日本の市場では、EVがどうなるか?」ということについて、昨年のEVの販売台数が9万台と先ほどお伝えしましたが、これはパーセンテージで言うと3パーセントにも満たないです。
もう少し増えるとは思いますが、例えば「お客さまへ最終的にお届けするときに、どのぐらいの充電をしておかなくてはいけないのか」というノウハウを、構内作業を通じて手広く蓄積できることは、非常に魅力に映るであろうということを含めてスライドに記載しています。
EVについて今後どのような市場になってくるのか、日本の場合まだ少し読めない部分がありますが、中古のEVが本格的に市場で流通する時代に向けて、このような会社を利用できればと思っています。
質疑応答:ドッキング輸送・リレー輸送について
質問者:ドッキング輸送・リレー輸送についてご質問します。この週末も、三陸高速道路でゼロのキャリアカー、それも6台の車両を積載しているキャリアカーを数多く拝見しました。ドッキングとリレーを行うということで、その中継の場所をどこにするのか、という議論が浮上してくると考えています。
1つはサービスエリアが挙げられますが、非常に混雑しており、なおかつ一般道と異なり、上り下りの制約といったハードルもあると思います、また、例えば一般道のインターチェンジに近い交通の要衝であると、昨今の中古車業者の問題に発端する等、キャリアカーの交通量のピークや場所も刻一刻と変化するのではないかと考えています。中継地点の場所の候補について、優先度合い等の考えがあればお聞かせください。
北村:まずドッキングの方法は基本的に3種類あります。例として首都圏出発大阪行き、大阪出発首都圏行きというもののドッキングをする場合に、1つ目はある場所で荷物を入れ替えるというものです。
2つ目は、前方のトラクターヘッド部分と、後方のトレーラー部分を切り離して、既に車両を積んだ別のトレーラー部分をそのトラクターヘッドに接続すると、荷扱いの時間を省略できるという方法があります。3つ目は乗務員の乗せ替えです。この3種類について全部トライアルを行ってきました。
一番安易で、スペースを省略できるのは乗務員の入れ替えです。この方法については、車両輸送を行うブロック会社が5つありますので、今回の例であればゼロ・プラス関東とゼロ・プラス西日本の間で契約を結べば、物理的にも法律的にも可能であり、このトライアルをずっと続けてきました。
また、東名高速では上り下りが同じサービスエリア、というところが多くあります。どこが一番良いかを何ヶ所かでトライアルしていますが、まだ完全には決まっておらず、裏を返せばすべての方法を取ろうということではありません。
一番良いのは、自社でインターチェンジの近くに土地を借りてしまうことですが、この施策を実行するには平均20パーセントの料金改定だけでは難しいため、複数のサービスエリアを使うことを考えています。
こういったトライアルの中で生じた課題が2つあります。1つは、乗務員を入れ替えるため、他の人が積んだ車を自分が下ろすということになり、他人が行った車両の緊締に対して運転中に不安が生じるということです。
もう1つは、ドッキング時の時間のロスです。例えば、ドッキングもしくはリレーを行う拠点への所要時間を、大阪発のトレーラーと東京発のトレーラーで合わせることは難しく、30分以上待たなければいけない可能性もあります。これが2024年問題に対してどう影響するか分かりませんが、できる部分から始めているというのが今の実態です。
柴崎:現在東名阪において、4経路でドッキングを行っています。現在使用しているのは浜名湖のサービスエリア、それから関東と金沢では上信越自動車道の松代パーキングエリアであり、上下で同じ場所を使えるということで使用しています。
先ほどご質問があったように、夜はサービスエリアがいっぱいで、現在夜勤では実施できていません。ただ、夜勤で実施できないと本当の効果が出せず、本当は昼夜両方で行いたいのですが、しばらく様子を見ながら昼だけ実施しています。
北村から話があったように、インターチェンジ付近に十分な土地があればそこを借りて、そこでドッキングを行いたいと思っていますが、政府の物流革新のパッケージでは、サービスエリアを拡張するとのことであり、そちらにも期待しています。
質疑応答:料金の値上げについて
質問者:放射線量検査について、これは料金改定からこの分をもらうという認識でよいのでしょうか。また、検査が取りやめになった場合、その分また値上げした分は下げるという受け取り方でよろしいでしょうか。
北村:説明不足で申し訳ありません。これでお客さまからお金をいただくということではありません。
すでに費用として発生しておりますが、13年前にこれが起きたときから、その分お客さまにいただく、というようなことはしていません。ただ費用として当社が負担しています。
なぜもらわなかったのかというと、お客さまの要望というのは、「A地点からB地点に運んでください」というものです。そこで海路を使うか陸路を使うかは我々の裁量で決めます。例えば高速道路を使う、使わないというのも同様です。
長距離の輸送となれば、モーダルシフトといった話もあります。当社の場合は陸路の代わりに海路を使うことなのですが、その分費用が多くかかるのであれば陸路で行きますし、実は陸路を行った方が早いのです。
船の場合には、港まで行って船に載せ、港に到着したらそれをまた運びます。それを陸路で直接行ってしまった方が当然早いわけです。おそらく費用もそちらのほうが安いでしょう。そのため、お客さまから「陸路で行ってくれ」と言われたら終わってしまいますし、それに対しての追加料金はいただいていませんが、費用としては発生しています。よって、今回のお客さまからいただいたものも、このような費用の一つの吸収として使わせていただくということです。つまり、ご質問いただいた「これから取るのか」ということの回答としては、取りません。
質疑応答:2024年問題に対する具体的なアクションについて
質問者:新年度の具体的なアクションとして、なにか計画しているものがあれば教えてください。
北村:去年の8月に、原子力発電所の処理水を海へ放出したときは一つのきっかけだと思ったのですが、先ほど少しお話ししたように、日本政府はすでに放射線量検査が必須ではないという結論を出しています。それから国交省も通達を出しています。
あとは、港湾組合がどう判断するかであり、ここについて我々は入り込む余地がありません。我々は船会社に対して線量検査の料金をお支払いしています。船会社が港湾の会社にお支払いし、検査会社にお支払いするというような構造になっているため、港湾関係と船会社の間で決めてもらわなければいけないということです。
船を使っている我々が半分お支払いし、船会社も半分出しているということで、両方で払っています。その検査会社そのものは、未だに検査をしっかりと行っており、検査完了の印としてシールを貼っています。
船積みの前に検査を行うため、港への搬入時間が決まっており、これも2024年問題からすると、自由度を奪っているということになるため、この項目の中に入れてあります。しかし、具体的に我々が動けるのかというと、動けないのです。
逆になにか、マスメディアのみなさまの力で、「おかしいだろう」というようなことを主張することができれば、改善されるかもしれないと思います。いずれにしても繰り返しになりますが、日本政府としても国交省としても、もう必要ないという結論を出しています。
2023年、2024年に、国交省とお会いする機会がありましたが、彼は現状をよく理解していました。この話をしたときに「それをちゃんと勉強し、もう必要ないという結論を出しました。ただ、これは労使交渉として任せてあります」とおっしゃっており、それに対して私が言ったのは「港湾の会社と組合との交渉であるため、我々は労使交渉に入れないのです。しかし、お金を払っているのはこちらなのです」というような話をしました。
「そのような構造になっているのですか」と認識はしてもらいましたが、その先になにか、というのは現時点ではありません。もし、これをお調べになるということであれば、当然国交省にもう1回裏取りをされる、あるいは港湾関係へのインタビューしていただく、あるいは実際に港でシールを貼っていますから、そちらを見てもらうなど、そのようなことをすると理解が深まると思います。
質疑応答:物流DXについて
質問者:自社での取り組みの青で囲んでいる部分の一番下に「物流DX」という言葉があります。今はゼロの場合ですと「moℓa」というアプリを使って車両お預かり書のデジタル化に取り組まれていると思うのですが、これから取り組む領域などがあれば教えてください。
北村:今「moℓa」の話が出ましたが、実際にゼロの輸送の売上を作っているのは受注係であり、利益を作っているのは配車係です。つまり営業がいて、受注を行い、それをシステムにインプットするのが受注係の人たちで、それをいつまでにどう運ぶのかを考えて、配車をしているのが配車係です。この2つの機能で売上と利益ができるのですが、最終的にはこの業務がなくなることがベストです。
例えば、いろいろな問題も抱えていますが、クロネコヤマトのアプリなどは素晴らしいです。これだけ知能化が進んできているのであれば、何万種類もある経路を覚えさせ、どのような経路でどう運ぶのが一番適切であるのかを、自動化できるのではないかと思いますし、このような領域に入っていけたらいいと思います。
髙橋:「moℓa」は、私が本部長を務めるグループ戦略本部が担当しており、若手中心で推進しています。ご存知のようにこの業界で車を運んでいる乗務員たちは、どちらかというとデジタルが苦手な方が多いです。
したがって、なるべくわかりやすく、見やすいもので慣れてもらう、という方向で展開しています。これから夏に向けて、北海道と沖縄を除く全国のゼログループおよび協力会社の手に渡ることになり、実施率としては8割を超えており、実際に利用が進んでおります。
スケジュールとしては、夏頃にオークション関係の中古車を「moℓa」で管理し始める予定です。そうしますと、ほぼ全体の8割以上の車両が、すべてこの「moℓa」で管理できることになります。
現在、受注伝票などの書類は8、9種類くらいあり、お客さまごとに書類の様式が違います。ゼロや協力会社の乗務員からすると、ただでさえゼロの書類が8種類ぐらいあるのに、トヨタやホンダになるとまた違う種類があり、大混乱に繋がります。「一般貨物に比べて車両輸送の乗務員は大変だ」という原因にもなりかねないため、なるべく1つのアプリの中に集約させるということに取り組んでいます。
この先としては、乗務員の経費精算や走行距離、今どこにいるのかということなども、すべてここに集約することにより、タブレット1台とアプリさえあればすべてが完結できるようなことを目指しています。
トライアンドエラーしつつ、システム会社ともしっかり連携を取りながら、若手が中心になって行っているということで、今のところ非常に順調に進んでいます。デジタルに対するアレルギーも特になく、乗務員からもダイレクトに電話がかかってくるようなかたちをとっているため、その場で解決できるというのも非常に大事なことです。業界としては初めての試みですが、こういった対応をしながら、前に進んでいる状況です。
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