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*15:31JST インテリックス Research Memo(1):電力料金値上げは「エコキューブ」販売拡大の好機に
■要約
インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンション事業の先駆け的企業で累計販売戸数は2.5万戸超と業界最大手である。2016年5月期以降は、アセットシェアリング事業(不動産小口化販売)やリースバック事業を立ち上げるなど収益ポートフォリオの多様化と安定化に取り組んできた。2021年から省エネ型リノベーション「ECOCUBE(以下、エコキューブ)」の販売を開始し、脱炭素社会に貢献しながら成長を目指す戦略を打ち出した。
1. 2023年5月期第2四半期累計業績の概要
2023年5月期第2四半期累計(2022年6月-11月)の連結業績は売上高で前年同期比4.9%増の17,927百万円、経常損失で13百万円(前年同期は400百万円の利益)となった。売上高はソリューション事業分野が物件の販売時期のズレ込み等もあって前年同期比49.8%減と落ち込んだものの、主力のリノベーション事業分野が販売件数の増加及び平均販売価格の上昇により、同18.9%増と伸長したことが増収要因となった。一方、利益面では売上総利益率の低下や新事業分野に係る開発費、ブランディング費用の増加等が響いて減益となった。なお、同社は「エコキューブ」の拡大に向け積極的な仕入れ活動を行っており、第2四半期末の販売用不動産残高は前期末比5,382百万円増の25,152百万円と順調に積み上がり、今後の売上増加が見込める状況となっている。
2. 2023年5月期業績の見通し
2023年5月期の連結業績は売上高で前期比17.4%増の42,417百万円、経常利益で同43.4%減の601百万円と期初計画を据え置いた。リノヴェックスマンションの販売件数及び平均単価が想定を上回るペースで推移していることや、下期は一棟収益物件を複数販売する予定であることから、売上高は計画を上振れする可能性がある。一方、利益面では建設資材価格の上昇の影響や「エコキューブ」のプロモーション費用増加等により、計画どおりに推移するものと予想される。減益要因は、「エコキューブ」や中古マンションの直販サイト「FLIE(フリエ)」に係る先行投資費用等を前期から約7億円積み増すことによる。「FLIE」については現在、首都圏のみの展開だが、下期中に掲載エリアを全国規模に拡大していく予定となっている。また、「エコキューブ」は2022年12月末より首都圏でテレビCMを開始したほか、交通広告やインターネット動画広告によるプロモーションを積極展開し認知度の向上に取り組んでいる。電力料金値上げにより家計負担が増すなかで、「エコキューブ」の特徴の一つである電力料金の大幅節減というメリットを訴求していくことで、販売増につなげていく考えだ。「エコキューブ」は温熱計算に基づく最適な断熱施工と高効率エアコン及び高機能換気システムの導入によって冷暖房費の大幅削減を実現しており、快適な生活や健康に良い住環境を提供する戦略商品としてFC展開も進めながら普及拡大を目指しており、今後の同社の業績をけん引していくものと期待される。
3. 中期経営計画
2022年7月に発表した3ヶ年の中期経営計画では、リノベーションでCO2削減とQOL(Quality of Life)の向上に貢献し、最終年度の2025年5月期に売上高で591億円、経常利益で23億円を目指す方針を明らかにした。初年度となる2023年5月期は先行投資負担により増収減益見込みとなるが、2024年5月期から利益ベースでも高成長ステージに移行する計画となっている。けん引役となるのは「エコキューブ」で、2025年5月期にリノヴェックスマンション販売目標1,603件のうち、約50%を「エコキューブ」とする計画である。ここ数年、同社の業績はリノベーションマンション市場における競争激化の影響で伸び悩んでいたが、「エコキューブ」の投入を機に他社との差別化を図り、再成長を目指す戦略だ。「エコキューブ」の販売価格は従来よりも1割程度高くなるものの、省エネ住宅ローン減税などの対象となっているほか2022年以降の電力料金の値上げも追い風となるため、今後販売件数が伸びる可能性は十分ありその動向が注目される。
■Key Points
・リノヴェックスマンションは販売件数、仕入件数ともに前年同期比で増加
・2023年5月期の営業利益は先行投資費用増により減益となるも期初計画どおりに推移する見通し
・「エコキューブ」の拡販と直販プラットフォーム「FLIE」の育成により、2024年5月期以降、利益は高成長ステージへ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンション事業の先駆け的企業で累計販売戸数は2.5万戸超と業界最大手である。2016年5月期以降は、アセットシェアリング事業(不動産小口化販売)やリースバック事業を立ち上げるなど収益ポートフォリオの多様化と安定化に取り組んできた。2021年から省エネ型リノベーション「ECOCUBE(以下、エコキューブ)」の販売を開始し、脱炭素社会に貢献しながら成長を目指す戦略を打ち出した。
1. 2023年5月期第2四半期累計業績の概要
2023年5月期第2四半期累計(2022年6月-11月)の連結業績は売上高で前年同期比4.9%増の17,927百万円、経常損失で13百万円(前年同期は400百万円の利益)となった。売上高はソリューション事業分野が物件の販売時期のズレ込み等もあって前年同期比49.8%減と落ち込んだものの、主力のリノベーション事業分野が販売件数の増加及び平均販売価格の上昇により、同18.9%増と伸長したことが増収要因となった。一方、利益面では売上総利益率の低下や新事業分野に係る開発費、ブランディング費用の増加等が響いて減益となった。なお、同社は「エコキューブ」の拡大に向け積極的な仕入れ活動を行っており、第2四半期末の販売用不動産残高は前期末比5,382百万円増の25,152百万円と順調に積み上がり、今後の売上増加が見込める状況となっている。
2. 2023年5月期業績の見通し
2023年5月期の連結業績は売上高で前期比17.4%増の42,417百万円、経常利益で同43.4%減の601百万円と期初計画を据え置いた。リノヴェックスマンションの販売件数及び平均単価が想定を上回るペースで推移していることや、下期は一棟収益物件を複数販売する予定であることから、売上高は計画を上振れする可能性がある。一方、利益面では建設資材価格の上昇の影響や「エコキューブ」のプロモーション費用増加等により、計画どおりに推移するものと予想される。減益要因は、「エコキューブ」や中古マンションの直販サイト「FLIE(フリエ)」に係る先行投資費用等を前期から約7億円積み増すことによる。「FLIE」については現在、首都圏のみの展開だが、下期中に掲載エリアを全国規模に拡大していく予定となっている。また、「エコキューブ」は2022年12月末より首都圏でテレビCMを開始したほか、交通広告やインターネット動画広告によるプロモーションを積極展開し認知度の向上に取り組んでいる。電力料金値上げにより家計負担が増すなかで、「エコキューブ」の特徴の一つである電力料金の大幅節減というメリットを訴求していくことで、販売増につなげていく考えだ。「エコキューブ」は温熱計算に基づく最適な断熱施工と高効率エアコン及び高機能換気システムの導入によって冷暖房費の大幅削減を実現しており、快適な生活や健康に良い住環境を提供する戦略商品としてFC展開も進めながら普及拡大を目指しており、今後の同社の業績をけん引していくものと期待される。
3. 中期経営計画
2022年7月に発表した3ヶ年の中期経営計画では、リノベーションでCO2削減とQOL(Quality of Life)の向上に貢献し、最終年度の2025年5月期に売上高で591億円、経常利益で23億円を目指す方針を明らかにした。初年度となる2023年5月期は先行投資負担により増収減益見込みとなるが、2024年5月期から利益ベースでも高成長ステージに移行する計画となっている。けん引役となるのは「エコキューブ」で、2025年5月期にリノヴェックスマンション販売目標1,603件のうち、約50%を「エコキューブ」とする計画である。ここ数年、同社の業績はリノベーションマンション市場における競争激化の影響で伸び悩んでいたが、「エコキューブ」の投入を機に他社との差別化を図り、再成長を目指す戦略だ。「エコキューブ」の販売価格は従来よりも1割程度高くなるものの、省エネ住宅ローン減税などの対象となっているほか2022年以降の電力料金の値上げも追い風となるため、今後販売件数が伸びる可能性は十分ありその動向が注目される。
■Key Points
・リノヴェックスマンションは販売件数、仕入件数ともに前年同期比で増加
・2023年5月期の営業利益は先行投資費用増により減益となるも期初計画どおりに推移する見通し
・「エコキューブ」の拡販と直販プラットフォーム「FLIE」の育成により、2024年5月期以降、利益は高成長ステージへ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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