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イオンのニュース
■業績動向
1. 2019年3月期の業績概要
CDG<2487>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.2%減の10,260百万円、営業利益が同55.2%減の285百万円、経常利益が同52.6%減の311百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.2%減の374百万円と2期連続の減収減益となった。
国内景気が緩やかに回復基調を続けるなかで、セールスプロモーション市場においては、SNSを活用したプロモーションやインターネット上の行動履歴に基づいたターゲティング広告等の費用対効果の高いデジタルプロモーション施策を積極的に行う企業が増える一方で、販促グッズを用いたプロモーションの需要減少傾向が続いたことが収益悪化の主因となった。また、主要顧客において一時的に販売促進施策が変更されたことも減収要因となっている。2019年3月期の販促用グッズを中心とした仕入原価について見ると、前期比4.0%減の7,371百万円と2期連続で減少している。
一方で、デジタル関連プロモーションの売上高は、前期比83%増の約11億円と順調に拡大した。ただ、プロモーション内容が、SNSを使ったデジタル抽選やイベント、拡散というように複数機能との連動が求められ、案件が複雑化することにより、一時的に生産性が低下する案件も出るなど、売上総利益率を押し下げる要因ともなった。販売費及び一般管理費については前期比2.6%増となったが、主には専門的な知識を必要とするデジタルマーケティング領域の人材採用等を進めたことによる人件費の増加が要因となっている。
販促用グッズを用いたプロモーション売上の減少とデジタルプロモーション案件の一部生産性低下、及び人材投資の拡大が営業利益の減益要因となった。なお、特別利益として投資有価証券売却益188百万円や保険解約返戻金59百万円等を特別利益として計上し、当期純利益の減益率については19.2%減に抑えた格好となっている。なお、会社計画比で売上高、営業利益ともに若干未達となったが、これは製薬業界の規制強化により医療関係者等へのギミック(ノベルティグッズ)の配布が禁止されたことが影響している。
2. 業種別売上動向
主要業種別の売上動向を見ると、11業種中増収となったのは3業種にとどまった。このうち、最も売上規模の大きい自動車・関連品は前期比13.2%増となった。主要顧客である本田技研工業<7267>からのプロモーショングッズ制作が堅調に推移したほか、中古車販売大手のIDOM<7599>から資材調達業務に関するサポート業務を新規に受注したことが増収要因となった。飲料・嗜好品は同16.4%増と2期連続で2ケタ増収となった。前期に引き続きサントリー食品インターナショナル<2587>、アサヒグループホールディングス<2502>から、人気キャラクターとのコラボ企画による店頭でのプロモーション施策や大型キャンペーンを受注したことが増収要因となった。外食・各種サービスは同16.9%増と2期ぶりに増収に転じた。ゼンショーホールディングス<7550>の「なか卯」「すき家」、B-Rサーティワン アイスクリーム<2268>などでLINEを活用したプロモーション施策の受注が好調に推移した。
一方、減収となった業種のうち、ファッション・アクセサリーは前期比15.4%減と減収に転じた。主要顧客であるファーストリテイリング<9983>が年2回実施する大型キャンペーン用のプロモーショングッズを受注し、ここ数年売上を伸ばしてきたが、当期は顧客の販売促進施策の変更で案件が消失したことが減収要因となった。ただ、2020年3月期は品質面が評価され再び受注を獲得している。情報・通信も同20.6%減と減収に転じた。UQコミュニケーションズ(株)など格安スマホ業者向けは堅調に推移したものの、au(KDDI<9433>)向けの落ち込みが足を引っ張った。流通・小売業は同10.1%減と2期連続で減少した。主要顧客であるセブンイレブン(セブン-イレブン・ジャパン)向けでキャラクターを使用した販売キャンペーンの件数が減少したことが要因だ。
また、薬品・医療用品は同33.4%減と大きく減少し、詳細な業種別売上高を開示した2015年3月期以降、連続で減収が続いている。日本製薬工業協会(製薬協)が2015年7月に発表した指針に基づいた自主規制によって、医薬品の販促施策としてギミック(ノベルティグッズ)の利用が年々減少してきている。そのほか、化粧品・トイレタリーは前期に寄与したポーラ・オルビスホールディングス<4927>からの受注案件が無くなったこと等により同17.7%減となったほか、不動産・住宅設備では主要顧客である大東建託<1878>からの受注が減少し、同27.5%減と減収基調が続いた。
※医薬品の販促施策として、ペンやノート等に「医薬品名」を記載して配布してきたが、これが禁止された。
3.子会社の動向
ゴールドボンドについては売上高が約2億円、営業損失が約40百万円となり前期比で減収減益となった。また、米子会社についても売上高で1億円強、営業利益で若干の黒字となり、前期比では減収減益となっている。前述した通り、ゴールドボンドについては2019年3月で売却しており、米子会社についても2019年9月末を目途に清算する予定となっており、2021年3月期の業績には影響しないことになる。なお、岐阜クリエートについては、ポケットティッシュの生産個数で前期比15.8%減の118百万個と減少トレンドが続いているものの、残存者利益が得られる構造となってきており、営業利益は15百万円と黒字を維持している。業界全体が縮小するなかで大量ロットの発注に応えられるメーカーが少なくなっているためだ。このため、外部顧客(ドラッグストアやイオン<8267>等)の開拓に注力しており、現在、約3割の外部顧客売上比率をさらに引き上げていく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2019年3月期の業績概要
CDG<2487>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.2%減の10,260百万円、営業利益が同55.2%減の285百万円、経常利益が同52.6%減の311百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.2%減の374百万円と2期連続の減収減益となった。
国内景気が緩やかに回復基調を続けるなかで、セールスプロモーション市場においては、SNSを活用したプロモーションやインターネット上の行動履歴に基づいたターゲティング広告等の費用対効果の高いデジタルプロモーション施策を積極的に行う企業が増える一方で、販促グッズを用いたプロモーションの需要減少傾向が続いたことが収益悪化の主因となった。また、主要顧客において一時的に販売促進施策が変更されたことも減収要因となっている。2019年3月期の販促用グッズを中心とした仕入原価について見ると、前期比4.0%減の7,371百万円と2期連続で減少している。
一方で、デジタル関連プロモーションの売上高は、前期比83%増の約11億円と順調に拡大した。ただ、プロモーション内容が、SNSを使ったデジタル抽選やイベント、拡散というように複数機能との連動が求められ、案件が複雑化することにより、一時的に生産性が低下する案件も出るなど、売上総利益率を押し下げる要因ともなった。販売費及び一般管理費については前期比2.6%増となったが、主には専門的な知識を必要とするデジタルマーケティング領域の人材採用等を進めたことによる人件費の増加が要因となっている。
販促用グッズを用いたプロモーション売上の減少とデジタルプロモーション案件の一部生産性低下、及び人材投資の拡大が営業利益の減益要因となった。なお、特別利益として投資有価証券売却益188百万円や保険解約返戻金59百万円等を特別利益として計上し、当期純利益の減益率については19.2%減に抑えた格好となっている。なお、会社計画比で売上高、営業利益ともに若干未達となったが、これは製薬業界の規制強化により医療関係者等へのギミック(ノベルティグッズ)の配布が禁止されたことが影響している。
2. 業種別売上動向
主要業種別の売上動向を見ると、11業種中増収となったのは3業種にとどまった。このうち、最も売上規模の大きい自動車・関連品は前期比13.2%増となった。主要顧客である本田技研工業<7267>からのプロモーショングッズ制作が堅調に推移したほか、中古車販売大手のIDOM<7599>から資材調達業務に関するサポート業務を新規に受注したことが増収要因となった。飲料・嗜好品は同16.4%増と2期連続で2ケタ増収となった。前期に引き続きサントリー食品インターナショナル<2587>、アサヒグループホールディングス<2502>から、人気キャラクターとのコラボ企画による店頭でのプロモーション施策や大型キャンペーンを受注したことが増収要因となった。外食・各種サービスは同16.9%増と2期ぶりに増収に転じた。ゼンショーホールディングス<7550>の「なか卯」「すき家」、B-Rサーティワン アイスクリーム<2268>などでLINEを活用したプロモーション施策の受注が好調に推移した。
一方、減収となった業種のうち、ファッション・アクセサリーは前期比15.4%減と減収に転じた。主要顧客であるファーストリテイリング<9983>が年2回実施する大型キャンペーン用のプロモーショングッズを受注し、ここ数年売上を伸ばしてきたが、当期は顧客の販売促進施策の変更で案件が消失したことが減収要因となった。ただ、2020年3月期は品質面が評価され再び受注を獲得している。情報・通信も同20.6%減と減収に転じた。UQコミュニケーションズ(株)など格安スマホ業者向けは堅調に推移したものの、au(KDDI<9433>)向けの落ち込みが足を引っ張った。流通・小売業は同10.1%減と2期連続で減少した。主要顧客であるセブンイレブン(セブン-イレブン・ジャパン)向けでキャラクターを使用した販売キャンペーンの件数が減少したことが要因だ。
また、薬品・医療用品は同33.4%減と大きく減少し、詳細な業種別売上高を開示した2015年3月期以降、連続で減収が続いている。日本製薬工業協会(製薬協)が2015年7月に発表した指針に基づいた自主規制によって、医薬品の販促施策としてギミック(ノベルティグッズ)の利用が年々減少してきている。そのほか、化粧品・トイレタリーは前期に寄与したポーラ・オルビスホールディングス<4927>からの受注案件が無くなったこと等により同17.7%減となったほか、不動産・住宅設備では主要顧客である大東建託<1878>からの受注が減少し、同27.5%減と減収基調が続いた。
※医薬品の販促施策として、ペンやノート等に「医薬品名」を記載して配布してきたが、これが禁止された。
3.子会社の動向
ゴールドボンドについては売上高が約2億円、営業損失が約40百万円となり前期比で減収減益となった。また、米子会社についても売上高で1億円強、営業利益で若干の黒字となり、前期比では減収減益となっている。前述した通り、ゴールドボンドについては2019年3月で売却しており、米子会社についても2019年9月末を目途に清算する予定となっており、2021年3月期の業績には影響しないことになる。なお、岐阜クリエートについては、ポケットティッシュの生産個数で前期比15.8%減の118百万個と減少トレンドが続いているものの、残存者利益が得られる構造となってきており、営業利益は15百万円と黒字を維持している。業界全体が縮小するなかで大量ロットの発注に応えられるメーカーが少なくなっているためだ。このため、外部顧客(ドラッグストアやイオン<8267>等)の開拓に注力しており、現在、約3割の外部顧客売上比率をさらに引き上げていく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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