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シナネンホールディングスのニュース
*16:14JST シナネンHD Research Memo(4):生活を豊かにし、サステナブルな社会を実現する
■事業内容
3. 非エネルギー事業
シナネンホールディングス<8132>はBtoC事業、BtoB事業以外にも、ビジネスや人々の生活を豊かにし、サステナブルな社会を実現することを目的に、非エネルギー分野の事業を多角的に展開している。
(1) 自転車事業
国内有数の自転車輸入商社であるシナネンサイクル(株)が展開している事業である。安価で高品質な自転車や「DAHON(R)」など海外有名ブランドの自転車を輸入販売しているほか、法人向けにOEM自転車の開発も行っている。また、卸売にとどまらず小売にも進出しており、自転車専門店「ダイシャリン」は関東と東北を中心に38店舗(2023年9月現在、パートナーショップ含む)を有している。
(2) シェアサイクル事業
シナネンモビリティPLUS(株)は、ソフトバンクグループ<9984>のOpenStreet(株)が提供するシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING(R)」を活用し、シェアサイクル「ダイチャリ(R)」を運営している。ステーションがあればどこでも自転車のシェア(貸し出し・返却)ができること、最初の30分が130円から、延長は15分単位(最安50円)で利用できることなど、利便性の高いサービスが人気となっている。首都圏の駅やコンビニエンスストア、公共施設、商業施設などとの連携や、収益性の高いエリアに高密度で拠点を展開するドミナント戦略、事業拡大と並行して収集した大量の利用データを活用した効率的な運営は、競合企業に対する大きな差別化要因になっている。また、オフィスやマンション、観光地向けに利用者を限定したサービスや、他社を含めた「HELLO CYCLING(R)」全体の運営品質向上に向けたメンテナンス体制の構築、イベント開催時などに短期的にステーションを設置し交通手段に活用できる「ダイチャリ短期設置プラン」の開発など、シェアサイクル業界全体の強化につながる取り組みも進めている。このため2017年の事業化当初から急成長、ステーション数3,300ヵ所超、設置自転車数11,000台超(2023年9月末現在)とシェアサイクル事業者として国内トップクラスの運営実績を誇る規模となり、2023年3月期には初の黒字化を達成した。
(3) 環境・リサイクル事業
シナネンエコワーク(株)は、千葉県千葉市と埼玉県白岡市にリサイクルセンターを有し、廃木材(木くず)から発電用や建材用の木質チップをリサイクル製造している。そのほか金属やRPF※といった各種産業廃棄物の処理・リサイクルや、適正なリサイクル処理の提案などを行っている。こうした環境・リサイクル関連の事業はニーズが強く、現在、新工場の建設を検討しているところである。
※RPF(Refuse derived paper and Plastics densified Fuel):リサイクルが難しい古紙や廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料。
(4) 抗菌事業
(株)シナネンゼオミックでは、世界初の銀系無機抗菌剤「ゼオミック(R)」のほか、消臭・吸着剤「ダッシュライト(R)」、ハイブリッド防カビ剤「エッセンガード(R)」などを製造販売している。「ゼオミック(R)」は優れた抗菌効果や高い安全性、樹脂・繊維・塗料など用途の幅広さといった特徴から、日用品メーカー、繊維製品メーカーなど国内外の多くの企業から高い評価を得ており、銀系無機抗菌剤では業界2位となっている。また、フィンランドNordic BioTech Group社と「NordShield(R)」の日本及び韓国での独占販売代理契約を締結し、天然系抗菌剤の分野にも参入した。
(5) システム事業
(株)ミノスは、主力のLPガスのクラウド型基幹業務システム「Power Net G4(R)」のほか、口座振替収納代行サービスや集中監視システムなどを開発、外販も行っている。電力自由化に対しては、小売電気事業者向けクラウド型電力顧客管理システム「Power Net 電力CIS(R)※」を提供しており、顧客管理件数が870万件を超える規模にまで拡大している。現在、2028年3月期中のリリースに向けて、次世代システムの開発を進めている。
※CIS(Customer Information System):顧客情報の管理から契約形態に合わせた料金計算、請求までの業務を一括で管理できる顧客情報システム。
(6) 建物維持管理事業
タカラビルメン(株)を中心に、建物の維持・管理・運営、清掃、警備、各種工事などの業務に携わっている。中核となるタカラビルメンは、オフィスビル・工場・病院・ショッピングセンターなど、建物用途に合わせた幅広いサービスをワンストップで提供しており、特に病院や斎場を運営するファシリティマネジメントに強みがある。また、(株)インデスは、アパート・マンションの管理・人材派遣、清掃、設備メンテナンスから原状回復工事に至るサービスを展開している。2023年10月に同社はグループの建物維持管理4社を統合して、総合建物メンテナンス会社「シナネンアクシア(株)」を設立した。グループシナジーや営業・採用面でのスケールメリットを追求するとともに、集合住宅のメンテナンスやビルメンテナンスへと業務範囲を拡大する方針である。
エネルギー専門商社としての事業推進力という強み
4. 強みを効果的に生かす
同社の強みは、国内トップクラスのLPガス取扱量や約130万キロリットルに達する灯油取扱量という規模や実績に基づくエネルギー専門商社としての事業推進力、好財務体質や約60万世帯のLPガス顧客など堅い経営基盤、長年かけて構築してきた販売店ネットワークや豊富なトレーディングノウハウなどによる高い参入障壁の3つである。このうちエネルギー専門商社としての事業推進力という強みは、規模ばかりでなく、安定した調達力や効率的な物流網、法定点検以上の保安体制、時流に沿った新規事業展開など、ノウハウや総合力といった面での強みにもつながっている。
こうしたエネルギー専門商社として強みを支えているのが、全国に26ヶ所あるLPガス充填基地や約1,000社にのぼる販売店ネットワーク、78ヶ所ある石油中継基地(オイルスクエア・灯油センター)などエネルギー事業の拠点網である(2023年3月末現在)。拠点が多い分、全国の販売店や消費者へのリーチが短くなってサービスが厚くなり、販売店から同社への信頼も厚くなる。また、経営者の高齢化という課題に対して、販売店の営業権買収による直営化という解消策をとることが可能で、結果的に効率化とシェアアップによる収益拡大を同時に進めることができる。さらに、リーチが短い分、消費者との直接的な接点が増えるため、リフォームや水回り修繕など消費者に密着した非エネルギーサービスを強化することもできる。このように、エネルギー事業の強みがあるからこそ、エネルギー事業の収益改善だけでなく化石燃料依存からの脱却を目指した新規事業の育成という、異なるベクトルを持つ2つの戦略を同時に進めることができるのである。なお、同社は現在、従来の石油出荷施設「灯油センター」から、軽油出荷能力を増強し災害時の対応能力を高めた高効率の石油中継基地「オイルスクエア」へのバージョンアップを順次進めているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 非エネルギー事業
シナネンホールディングス<8132>はBtoC事業、BtoB事業以外にも、ビジネスや人々の生活を豊かにし、サステナブルな社会を実現することを目的に、非エネルギー分野の事業を多角的に展開している。
(1) 自転車事業
国内有数の自転車輸入商社であるシナネンサイクル(株)が展開している事業である。安価で高品質な自転車や「DAHON(R)」など海外有名ブランドの自転車を輸入販売しているほか、法人向けにOEM自転車の開発も行っている。また、卸売にとどまらず小売にも進出しており、自転車専門店「ダイシャリン」は関東と東北を中心に38店舗(2023年9月現在、パートナーショップ含む)を有している。
(2) シェアサイクル事業
シナネンモビリティPLUS(株)は、ソフトバンクグループ<9984>のOpenStreet(株)が提供するシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING(R)」を活用し、シェアサイクル「ダイチャリ(R)」を運営している。ステーションがあればどこでも自転車のシェア(貸し出し・返却)ができること、最初の30分が130円から、延長は15分単位(最安50円)で利用できることなど、利便性の高いサービスが人気となっている。首都圏の駅やコンビニエンスストア、公共施設、商業施設などとの連携や、収益性の高いエリアに高密度で拠点を展開するドミナント戦略、事業拡大と並行して収集した大量の利用データを活用した効率的な運営は、競合企業に対する大きな差別化要因になっている。また、オフィスやマンション、観光地向けに利用者を限定したサービスや、他社を含めた「HELLO CYCLING(R)」全体の運営品質向上に向けたメンテナンス体制の構築、イベント開催時などに短期的にステーションを設置し交通手段に活用できる「ダイチャリ短期設置プラン」の開発など、シェアサイクル業界全体の強化につながる取り組みも進めている。このため2017年の事業化当初から急成長、ステーション数3,300ヵ所超、設置自転車数11,000台超(2023年9月末現在)とシェアサイクル事業者として国内トップクラスの運営実績を誇る規模となり、2023年3月期には初の黒字化を達成した。
(3) 環境・リサイクル事業
シナネンエコワーク(株)は、千葉県千葉市と埼玉県白岡市にリサイクルセンターを有し、廃木材(木くず)から発電用や建材用の木質チップをリサイクル製造している。そのほか金属やRPF※といった各種産業廃棄物の処理・リサイクルや、適正なリサイクル処理の提案などを行っている。こうした環境・リサイクル関連の事業はニーズが強く、現在、新工場の建設を検討しているところである。
※RPF(Refuse derived paper and Plastics densified Fuel):リサイクルが難しい古紙や廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料。
(4) 抗菌事業
(株)シナネンゼオミックでは、世界初の銀系無機抗菌剤「ゼオミック(R)」のほか、消臭・吸着剤「ダッシュライト(R)」、ハイブリッド防カビ剤「エッセンガード(R)」などを製造販売している。「ゼオミック(R)」は優れた抗菌効果や高い安全性、樹脂・繊維・塗料など用途の幅広さといった特徴から、日用品メーカー、繊維製品メーカーなど国内外の多くの企業から高い評価を得ており、銀系無機抗菌剤では業界2位となっている。また、フィンランドNordic BioTech Group社と「NordShield(R)」の日本及び韓国での独占販売代理契約を締結し、天然系抗菌剤の分野にも参入した。
(5) システム事業
(株)ミノスは、主力のLPガスのクラウド型基幹業務システム「Power Net G4(R)」のほか、口座振替収納代行サービスや集中監視システムなどを開発、外販も行っている。電力自由化に対しては、小売電気事業者向けクラウド型電力顧客管理システム「Power Net 電力CIS(R)※」を提供しており、顧客管理件数が870万件を超える規模にまで拡大している。現在、2028年3月期中のリリースに向けて、次世代システムの開発を進めている。
※CIS(Customer Information System):顧客情報の管理から契約形態に合わせた料金計算、請求までの業務を一括で管理できる顧客情報システム。
(6) 建物維持管理事業
タカラビルメン(株)を中心に、建物の維持・管理・運営、清掃、警備、各種工事などの業務に携わっている。中核となるタカラビルメンは、オフィスビル・工場・病院・ショッピングセンターなど、建物用途に合わせた幅広いサービスをワンストップで提供しており、特に病院や斎場を運営するファシリティマネジメントに強みがある。また、(株)インデスは、アパート・マンションの管理・人材派遣、清掃、設備メンテナンスから原状回復工事に至るサービスを展開している。2023年10月に同社はグループの建物維持管理4社を統合して、総合建物メンテナンス会社「シナネンアクシア(株)」を設立した。グループシナジーや営業・採用面でのスケールメリットを追求するとともに、集合住宅のメンテナンスやビルメンテナンスへと業務範囲を拡大する方針である。
エネルギー専門商社としての事業推進力という強み
4. 強みを効果的に生かす
同社の強みは、国内トップクラスのLPガス取扱量や約130万キロリットルに達する灯油取扱量という規模や実績に基づくエネルギー専門商社としての事業推進力、好財務体質や約60万世帯のLPガス顧客など堅い経営基盤、長年かけて構築してきた販売店ネットワークや豊富なトレーディングノウハウなどによる高い参入障壁の3つである。このうちエネルギー専門商社としての事業推進力という強みは、規模ばかりでなく、安定した調達力や効率的な物流網、法定点検以上の保安体制、時流に沿った新規事業展開など、ノウハウや総合力といった面での強みにもつながっている。
こうしたエネルギー専門商社として強みを支えているのが、全国に26ヶ所あるLPガス充填基地や約1,000社にのぼる販売店ネットワーク、78ヶ所ある石油中継基地(オイルスクエア・灯油センター)などエネルギー事業の拠点網である(2023年3月末現在)。拠点が多い分、全国の販売店や消費者へのリーチが短くなってサービスが厚くなり、販売店から同社への信頼も厚くなる。また、経営者の高齢化という課題に対して、販売店の営業権買収による直営化という解消策をとることが可能で、結果的に効率化とシェアアップによる収益拡大を同時に進めることができる。さらに、リーチが短い分、消費者との直接的な接点が増えるため、リフォームや水回り修繕など消費者に密着した非エネルギーサービスを強化することもできる。このように、エネルギー事業の強みがあるからこそ、エネルギー事業の収益改善だけでなく化石燃料依存からの脱却を目指した新規事業の育成という、異なるベクトルを持つ2つの戦略を同時に進めることができるのである。なお、同社は現在、従来の石油出荷施設「灯油センター」から、軽油出荷能力を増強し災害時の対応能力を高めた高効率の石油中継基地「オイルスクエア」へのバージョンアップを順次進めているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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