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川辺のニュース
■要約
川辺<8123>は、ハンカチーフ、スカーフ・マフラーを中心に、身の回り品・服飾雑貨の製造卸売・小売を展開する老舗の専門商社である。海外有名ブランド品の百貨店向け卸売が主力で、香水等販売のフレグランス事業も展開している。ファッションを先取りする「インターモード川辺」として、消費者の多様なニーズに対応する製造卸売業・小売業への変革を加速している。2023年2月に創業100周年を迎える。
1. 身の回り品事業とフレグランス事業を展開する専門商社
ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、タオル、雑貨等を販売する身の回り品事業、香水等を販売するフレグランス事業を展開している。両事業とも海外有名ブランド品を主力として、自社ブランド商品の企画・開発・拡販も強化している。2019年3月期のセグメント別売上高構成比は身の回り品事業86.2%、フレグランス事業13.8%である。販売経路は、百貨店向けを主力として量販店、専門店、小売店、卸売事業者等に卸売販売し、一部は直営小売店舗において小売販売している。2019年3月期の販売経路別売上高構成比は百貨店向け48.0%、量販店向け13.1%、その他(直営小売店舗含む)38.9%である。直営小売事業の売上拡大に伴って、その他の構成比が上昇傾向である。一方で百貨店向けは地方百貨店の閉店なども背景として、構成比が低下傾向となっている。
2. 2019年3月期連結業績は天候や自然災害も影響して減益
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.3%減の16,233百万円、営業利益が同41.0%減の224百万円、経常利益が同23.9%減の372百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同18.2%減の264百万円だった。主要販売先である百貨店の地方・郊外での閉店の影響、豪雨・台風・地震など自然災害によって相次いだ店舗の臨時休業の影響、さらに最需要期である3月の「ホワイトデイ」、返礼ギフト需要の不振、暖冬影響による秋冬物の不振などで、身の回り品事業の売上高が計画を下回った。身の回り品事業は売上高が同1.4%減の13,985百万円で、経常利益が同23.0%減の638百万円だった。ハンカチーフ、スカーフ・マフラーが低調だった。フレグランス事業は売上高が同7.3%増の2,247百万円で、経常損失が99百万円(前期は141百万円の損失)だった。増収効果で損失を縮小した。
3. 2020年3月期連結業績は採算性を向上して大幅増益予想
2020年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比0.4%増の16,300百万円、営業利益が同78.6%増の400百万円、経常利益が同47.8%増の550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.0%増の330百万円としている。売上面では身の回り品事業、フレグランス事業とも保守的に横ばいを見込むが、採算性向上で各利益は大幅増益予想としている。売上拡大に向けた施策としては、消費トレンドに対応した鮮度の高い新ブランド投入、新規事業本部によるOEM拡大や新規販路開拓、EC事業の強化、直営小売店舗のS&B、マーケティング・広報活動の強化などを推進する。採算性向上に向けた施策としては、販売価格や商品コストの見直し、直営小売店売上の拡大や自社ブランド比率の上昇、ホールセール分野の売買益改善などを推進する。売上総利益率は1.0ポイント上昇の計画である。
4. 採算性向上を最重要課題として製造卸売業・小売業への変革を加速
2020年3月期を最終年度とする現中期経営計画では、売上規模を確保しつつ採算性の向上を最重要課題として、コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革を推進している。2019年6月27日付で代表取締役2名体制として、2019年内を目途に新たな中期経営計画を策定予定としている。営業を統括する岡野将之(おかのまさゆき)代表取締役社長兼営業統括本部長は「基本方針に大きな変化はないが、現中期経営計画と現状の乖離を反省点として、次期中期経営計画では百貨店の減少、個人消費の低迷、消費トレンドの変化など厳しい経営環境に対応するため、よりアグレッシブな成長戦略を打ち出したい。新規事業・直営小売店舗事業・EC事業・OEM事業・新規販路による売上拡大と採算性向上を推進し、消費トレンドの変化に対応してブランドのS&Bも積極推進する。」と決意を語っている。コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革加速を期待したい。
■Key Points
・ハンカチーフやスカーフ・マフラーを主力とする老舗の専門商社
・2020年3月期は採算性を向上して大幅増益予想
・コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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川辺<8123>は、ハンカチーフ、スカーフ・マフラーを中心に、身の回り品・服飾雑貨の製造卸売・小売を展開する老舗の専門商社である。海外有名ブランド品の百貨店向け卸売が主力で、香水等販売のフレグランス事業も展開している。ファッションを先取りする「インターモード川辺」として、消費者の多様なニーズに対応する製造卸売業・小売業への変革を加速している。2023年2月に創業100周年を迎える。
1. 身の回り品事業とフレグランス事業を展開する専門商社
ハンカチーフ、スカーフ・マフラー、タオル、雑貨等を販売する身の回り品事業、香水等を販売するフレグランス事業を展開している。両事業とも海外有名ブランド品を主力として、自社ブランド商品の企画・開発・拡販も強化している。2019年3月期のセグメント別売上高構成比は身の回り品事業86.2%、フレグランス事業13.8%である。販売経路は、百貨店向けを主力として量販店、専門店、小売店、卸売事業者等に卸売販売し、一部は直営小売店舗において小売販売している。2019年3月期の販売経路別売上高構成比は百貨店向け48.0%、量販店向け13.1%、その他(直営小売店舗含む)38.9%である。直営小売事業の売上拡大に伴って、その他の構成比が上昇傾向である。一方で百貨店向けは地方百貨店の閉店なども背景として、構成比が低下傾向となっている。
2. 2019年3月期連結業績は天候や自然災害も影響して減益
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.3%減の16,233百万円、営業利益が同41.0%減の224百万円、経常利益が同23.9%減の372百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同18.2%減の264百万円だった。主要販売先である百貨店の地方・郊外での閉店の影響、豪雨・台風・地震など自然災害によって相次いだ店舗の臨時休業の影響、さらに最需要期である3月の「ホワイトデイ」、返礼ギフト需要の不振、暖冬影響による秋冬物の不振などで、身の回り品事業の売上高が計画を下回った。身の回り品事業は売上高が同1.4%減の13,985百万円で、経常利益が同23.0%減の638百万円だった。ハンカチーフ、スカーフ・マフラーが低調だった。フレグランス事業は売上高が同7.3%増の2,247百万円で、経常損失が99百万円(前期は141百万円の損失)だった。増収効果で損失を縮小した。
3. 2020年3月期連結業績は採算性を向上して大幅増益予想
2020年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比0.4%増の16,300百万円、営業利益が同78.6%増の400百万円、経常利益が同47.8%増の550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.0%増の330百万円としている。売上面では身の回り品事業、フレグランス事業とも保守的に横ばいを見込むが、採算性向上で各利益は大幅増益予想としている。売上拡大に向けた施策としては、消費トレンドに対応した鮮度の高い新ブランド投入、新規事業本部によるOEM拡大や新規販路開拓、EC事業の強化、直営小売店舗のS&B、マーケティング・広報活動の強化などを推進する。採算性向上に向けた施策としては、販売価格や商品コストの見直し、直営小売店売上の拡大や自社ブランド比率の上昇、ホールセール分野の売買益改善などを推進する。売上総利益率は1.0ポイント上昇の計画である。
4. 採算性向上を最重要課題として製造卸売業・小売業への変革を加速
2020年3月期を最終年度とする現中期経営計画では、売上規模を確保しつつ採算性の向上を最重要課題として、コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革を推進している。2019年6月27日付で代表取締役2名体制として、2019年内を目途に新たな中期経営計画を策定予定としている。営業を統括する岡野将之(おかのまさゆき)代表取締役社長兼営業統括本部長は「基本方針に大きな変化はないが、現中期経営計画と現状の乖離を反省点として、次期中期経営計画では百貨店の減少、個人消費の低迷、消費トレンドの変化など厳しい経営環境に対応するため、よりアグレッシブな成長戦略を打ち出したい。新規事業・直営小売店舗事業・EC事業・OEM事業・新規販路による売上拡大と採算性向上を推進し、消費トレンドの変化に対応してブランドのS&Bも積極推進する。」と決意を語っている。コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革加速を期待したい。
■Key Points
・ハンカチーフやスカーフ・マフラーを主力とする老舗の専門商社
・2020年3月期は採算性を向上して大幅増益予想
・コト提案型企業及び製造卸売業・小売業への変革加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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