【井川純一の今夜も兜町で一杯】共通項は低位割安なんです

　今日１２月１５日（木曜日）の日経平均株価は、２０円１８銭高の１万９２７３円７９銭で、小幅高ながらなんと８日続伸。１ドル＝１１７円台への急速な円安進行を背景に、どうにかプラスで引けました。注目のＦＯＭＣでは利上げに踏み切っただけでなく、来年の利上げペースがこれまでの２回から３回の見通しに変わったことで外為市場ではドル買いが加速、急速なドル高・円安となり、これが追い風となった……そんな感じでしょうかね。

　ここのところ相場を見ていると、低位、そして指標面での割安を買う相場が続いているような気がする。ロシア関連の一角との思惑で植木組<1867.T>、流動性に富むセントラル総合開発<3238.T>など強い値動きを見せていますが、これらの共通項が先ほどの低位・割安。と、簡単に“ひとくくり”にしたが、そうは言っても、みんながみんな上がる訳もなく、そこは選別物色の目を磨き、機敏に対応するしかない。ただ、言うは易く行うは難し、なかなかそうはいかないのが人の常なのよねぇ。

　あくまで勘だが、ふと見たＧＳＩクレオス<8101.T>も面白そう。低位材料株の循環物色が再燃するなか、見直し余地が意識されているみたい。問題は当方の勘で、これがさっぱり当たらないのよねぇ。
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　飲み仲間の夕刊紙記者からメールが入る。飲み会の誘いとともに、当欄について「なんだかメチャクチャで面白い」との感想が書かれていた。メチャクチャで面白い……う～む、複雑な心境だ。

　ちょっと前に大先輩からもご意見をいただいた。「お前のコラムを読んだけれど、相変わらず下手くそだなぁ」と手厳しい。この大先輩、元大手新聞社の取締役で現在も新聞業界で生きている。続けて「面白く書こうとするから、つまらなくなる。奇をてらうから見透かされる。真摯に原稿と向き合えば、おのずと読者はついてくる。ただ、才能がなけりゃ、一生だめコラムニストのままなんだよなぁ」と、胸にぐさぐさ突き刺さる。

　正論とは、恐ろしいもので、「このやろ」と思っても、なかなか反論できない。さらに大先輩、「兜町のみみっちい志の記事が嫌いなのよ」ともおっしゃる。みみっちい志ですかぁ、まあ、当たらずと雖（いえど）も遠からず、それでもこれを生業におまんまを食ってきた。いつか見ていろ僕だって……ただなぁ、もはや齢五十七、とっくのとうに成長期は過ぎている。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）