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BIPROGYのニュース
*16:02JST サイオス Research Memo(2):OSS、SaaS領域における先進的な製品・サービスを提供するIT企業
■会社概要
1. 会社沿革
サイオス<3744>はLinuxに代表されるOSSを活用したITシステム開発領域での事業展開を目的に1997年に設立され、その後、国内外でM&Aを活用しながら事業領域を拡大してきた。2006年には米国のIT企業(現 SIOS Technology Corp.)を子会社化して海外進出を果たしたほか、2008年にSaaSの開発販売を行う(株)グルージェント(以下、GLU)を子会社化した。2015年には金融業界への事業展開を目的に同領域のシステム開発で実績を持つ(株)キーポート・ソリューションズ(以下、KPS)、Profit Cube(株)(以下、PCI)を相次いで子会社化した。
2017年10月には持株会社体制に移行し、国内事業については新たに設立したサイオステクノロジー(株)(以下、STI)に段階的に子会社を集約し、経営体制の強化を図ってきた。具体的には、2020年10月にKPSとGLUを、2021年4月にPCIをそれぞれSTIに吸収合併した。2023年12月末時点の主な連結子会社はSTIと米国で「LifeKeeper」の開発・販売を行うSIOS Technology Corp.の2社で、ほかは持分法適用関連会社が2社※となっている。2023年12月末時点の連結従業員数は550名(前期末比25名増)でエンジニアを中心に人員の増強を進めている。
※認証・統合ID管理のクラウドサービスを主に開発・販売する(株)セシオス(出資比率34.2%)、(株)プレナスとの合弁でレストラン事業者向け情報システムの開発及び販売・保守を行うBayPOS, Inc.(同49.0%)の2社。
2. 事業内容
OSSを軸にアプリケーションやOS、クラウドを加えたITシステムの開発、基盤構築、運用サポート等の事業を展開しており、事業セグメントはオープンシステム基盤事業とアプリケーション事業に区分されている。
(1) オープンシステム基盤事業
ITシステム障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品をはじめとするOSS関連商品の販売、並びにOSS技術に関するサポートサービス、各種情報システム向けのコンサルティングサービス等を展開している。「LifeKeeper」は大企業や公共機関などを中心に国内外で累計8万ライセンスの導入実績を誇る主力製品である。
(2) アプリケーション事業
企業の業務効率化等を支援するクラウドサービス「Gluegentシリーズ」やオフィスのフリーアドレス化に対応した座席管理システム「YourDesk(ユアデスク)」などのSaaSのほか、MFP(複合機)向けソフトウェア製品※1、金融機関向け経営支援システム「ALM」※2の開発や導入・運用支援サービス、APIや証券系業務システム、文教向けのシステム開発・構築支援、コンサルティングサービス等を展開している。Med Tech領域においては、精神科病院向け電子カルテサービス「INDIGO NOTE(インディゴノート)」の開発を進めている。
※1 「Quickスキャン」「Speedoc」等のMFP上で利用できる文書管理ソフトウェア。なお、MFPとはプリンタ、スキャナー、コピー、ファックス等複数の機能を搭載した機器(複合機)を指す。
※2 Asset Liability Managementの略で、銀行の資産・負債を総合的に管理するソフトウェア製品のこと。同社製品は地方銀行向けの導入実績が豊富で、同市場では同社のほか3社(日鉄ソリューションズ<2327>、データ・フォアビジョン(株)、BIPROGY<8056>)による寡占状態となっている。
3. 特徴と強み
同社の特徴と強みは、国内で先駆けてOSSをベースとした事業を展開してきたことで、OSSに関する技術や運用ノウハウなどの知見が深いことである。OSSに携わる技術者のレベルや運用サポート体制は顧客企業からも高く評価されており、日本電信電話<9432>やそのグループ、トヨタ自動車<7203>など日本を代表する大企業も顧客として名を連ねている。日本電気<6701>や富士通<6702>など競合となる大手SIerは、自社開発製品が主力でOSS関連製品は傍流となるため、同社の大きな脅威ではない。OSS分野を専門にサポートする競合他社は少なく、同分野では競争優位性を保っている。
Linuxディストリビューター(商用Linuxの配布・サポートを行うことに特化した企業)として世界最大のRed Hat, Inc.とは創業時より緊密な連携関係にあり、国内最大規模の代理店として「Red Hat Enterprise Linux」をはじめとする関連商品の販売・サポートを行っている。また、Javaを使ったシステム開発も設立当初より手掛けており、2009年にはその技術基盤をベースにリコー<7752>のMFP向けソフトウェア製品を開発、事業化した。
なお、同社の商流はOSSのシステム開発やサポートサービス、金融業界向け製品・サービスを除けば、間接販売が大半を占めており、主に大塚商会<4768>や(株)ネットワールドなどのSIerを経由して最終顧客に販売されている。2023年12月期の売上構成では、大塚商会向けが全体の26.6%、ネットワールド向けが12.8%であった。また、海外売上比率は5.2%で、そのうち北米向けが過半を占めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HH>
1. 会社沿革
サイオス<3744>はLinuxに代表されるOSSを活用したITシステム開発領域での事業展開を目的に1997年に設立され、その後、国内外でM&Aを活用しながら事業領域を拡大してきた。2006年には米国のIT企業(現 SIOS Technology Corp.)を子会社化して海外進出を果たしたほか、2008年にSaaSの開発販売を行う(株)グルージェント(以下、GLU)を子会社化した。2015年には金融業界への事業展開を目的に同領域のシステム開発で実績を持つ(株)キーポート・ソリューションズ(以下、KPS)、Profit Cube(株)(以下、PCI)を相次いで子会社化した。
2017年10月には持株会社体制に移行し、国内事業については新たに設立したサイオステクノロジー(株)(以下、STI)に段階的に子会社を集約し、経営体制の強化を図ってきた。具体的には、2020年10月にKPSとGLUを、2021年4月にPCIをそれぞれSTIに吸収合併した。2023年12月末時点の主な連結子会社はSTIと米国で「LifeKeeper」の開発・販売を行うSIOS Technology Corp.の2社で、ほかは持分法適用関連会社が2社※となっている。2023年12月末時点の連結従業員数は550名(前期末比25名増)でエンジニアを中心に人員の増強を進めている。
※認証・統合ID管理のクラウドサービスを主に開発・販売する(株)セシオス(出資比率34.2%)、(株)プレナスとの合弁でレストラン事業者向け情報システムの開発及び販売・保守を行うBayPOS, Inc.(同49.0%)の2社。
2. 事業内容
OSSを軸にアプリケーションやOS、クラウドを加えたITシステムの開発、基盤構築、運用サポート等の事業を展開しており、事業セグメントはオープンシステム基盤事業とアプリケーション事業に区分されている。
(1) オープンシステム基盤事業
ITシステム障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品をはじめとするOSS関連商品の販売、並びにOSS技術に関するサポートサービス、各種情報システム向けのコンサルティングサービス等を展開している。「LifeKeeper」は大企業や公共機関などを中心に国内外で累計8万ライセンスの導入実績を誇る主力製品である。
(2) アプリケーション事業
企業の業務効率化等を支援するクラウドサービス「Gluegentシリーズ」やオフィスのフリーアドレス化に対応した座席管理システム「YourDesk(ユアデスク)」などのSaaSのほか、MFP(複合機)向けソフトウェア製品※1、金融機関向け経営支援システム「ALM」※2の開発や導入・運用支援サービス、APIや証券系業務システム、文教向けのシステム開発・構築支援、コンサルティングサービス等を展開している。Med Tech領域においては、精神科病院向け電子カルテサービス「INDIGO NOTE(インディゴノート)」の開発を進めている。
※1 「Quickスキャン」「Speedoc」等のMFP上で利用できる文書管理ソフトウェア。なお、MFPとはプリンタ、スキャナー、コピー、ファックス等複数の機能を搭載した機器(複合機)を指す。
※2 Asset Liability Managementの略で、銀行の資産・負債を総合的に管理するソフトウェア製品のこと。同社製品は地方銀行向けの導入実績が豊富で、同市場では同社のほか3社(日鉄ソリューションズ<2327>、データ・フォアビジョン(株)、BIPROGY<8056>)による寡占状態となっている。
3. 特徴と強み
同社の特徴と強みは、国内で先駆けてOSSをベースとした事業を展開してきたことで、OSSに関する技術や運用ノウハウなどの知見が深いことである。OSSに携わる技術者のレベルや運用サポート体制は顧客企業からも高く評価されており、日本電信電話<9432>やそのグループ、トヨタ自動車<7203>など日本を代表する大企業も顧客として名を連ねている。日本電気<6701>や富士通<6702>など競合となる大手SIerは、自社開発製品が主力でOSS関連製品は傍流となるため、同社の大きな脅威ではない。OSS分野を専門にサポートする競合他社は少なく、同分野では競争優位性を保っている。
Linuxディストリビューター(商用Linuxの配布・サポートを行うことに特化した企業)として世界最大のRed Hat, Inc.とは創業時より緊密な連携関係にあり、国内最大規模の代理店として「Red Hat Enterprise Linux」をはじめとする関連商品の販売・サポートを行っている。また、Javaを使ったシステム開発も設立当初より手掛けており、2009年にはその技術基盤をベースにリコー<7752>のMFP向けソフトウェア製品を開発、事業化した。
なお、同社の商流はOSSのシステム開発やサポートサービス、金融業界向け製品・サービスを除けば、間接販売が大半を占めており、主に大塚商会<4768>や(株)ネットワールドなどのSIerを経由して最終顧客に販売されている。2023年12月期の売上構成では、大塚商会向けが全体の26.6%、ネットワールド向けが12.8%であった。また、海外売上比率は5.2%で、そのうち北米向けが過半を占めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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