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プラッツのニュース
■プラッツ<7813>の事業概要
1. 市場動向
(1) 高齢者の将来人口推計
高齢化が進む日本では、介護ベッド(特殊寝台)市場が安定的に拡大することが予想される。WHO(世界保健機構)の定義では65歳以上の人口が、全人口の7%を超えると「高齢化社会」、14%超になると「高齢社会」、21%超では「超高齢社会」と呼ばれる。日本は、2007年に「超高齢社会」に突入しており、2019年の高齢者の割合は28.4%に達した。日本の年間出生数は、2020年の87.2万人を含む直近3年間合計で約266万人にとどまった。1947年から1949年に生まれた「団塊の世代」の3年間の合計出生数が約806万人(年平均269万人)と直近3年間合計の約3倍に相当する。2025年になると、団塊の世代はすべて75歳以上の後期高齢者になる。第二次ベビーブーム世代となる団塊ジュニアは、1971年から1974年に生まれた。4年間の合計出生数は約800万人、年平均200万人だ。2040年には、65歳以上の高齢者となる。2019年の65歳以上の人口が3,589万人であった。将来人口推計によると、2040年に3,920万人に増加する。この間の65歳以上の人口増加率は、10%足らずだが、75歳以上の人口は、20%超の伸び率となる。
(2) 平均寿命と健康寿命
厚生労働省のデータ(2016年)によると、男性は平均寿命が80.98歳であるのに対し、健康寿命が72.14歳になる。同様に、女性では、87.14歳と74.79歳である。健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている。加齢とともに、介護給付を受ける割合が高まる。
(3) 医療・介護機能の再編(将来像)
厚生労働省の介護に関する方針は、「できる限り、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指す」とある。社会保障制度改革国民会議の「医療・介護機能の再編(将来像)」に関する資料では、介護サービス利用者数が2012年の451万人から2025年に646万人となり、195万人増加する一方で、医療サービス利用者数が133万人から111万人へと22万人減少するとの将来像を描いている。介護サービス利用者数の内訳は、在宅サービスが320万人から429万人へ109万人増、居住系サービスが33万人から68万人へ35万人増、介護施設が98万人から149万人へ51万人増となる。
(4) 介護保険による福祉用具(貸与種目)
介護保険制度のもとでは、介護ベッド(特殊寝台)や車いすのような福祉用具を使うときに、介護保険の利用ができる。特殊寝台は、サイドレールが取り付けてあるもの、または取り付け可能なものであって、背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能、または床板の高さが無段階に調整できる機能、もしくは両機能を有するものになる。特殊寝台付属品は、マットレス、サイドレール等である。
同社は、福祉用具流通市場における介護ベッドのマーケットシェアが高くなったため、製品ラインナップを拡充する成長戦略を採っている。介護ベッドに加え、付属品としてはベッド用グリップ、立ち上がりグリップ、サイドレール、ハンドグリップ、テーブル、各種マットレス、離床センサー、施設用木製家具、折りたたみ式運搬台車などを揃えている。
福祉用具をレンタルもしくは購入するときは、一定の所得がある場合を除いて費用負担は1~3割で済む。車いすや特殊寝台は、購入よりもレンタルが選択されることが多い。使用期間にもよるが、1割負担の場合は、レンタルの方がコスト的に有利である。また、メンテナンスや身体状態の変化などに応じて機種の変更が可能というメリットがある。
(5) 特殊寝台貸与件数
特殊寝台貸与件数は増加傾向にあるものの、レンタル料は下落傾向にある。2021年3月における特殊寝台貸与件数は、100万1千件と3年間で10万7千件増加した。一方、1件当たり単位数は33.9下落して842.9となった。単位は、1ヶ月にかかる福祉用具貸与の自己負担額を計算するときに使われる基準で、1単位は10円として計算される。自己負担割合が1割の場合は、単位数がそのまま自己負担額になる。価格競争力が強い同社は、競争優位性を発揮する。
(6) 市場におけるポジショニング
1996年に同社が市場に新規参入したときは、介護ベッドが数十万円で売られており、一般の人には手の届かない高額商品であった。同社は、試行錯誤の結果、コストダウンに成功し、売価が10万円を切る価格破壊的製品を投入した。単に低価格なだけでなく、高機能との両立を追求した。現在の介護用電動ベッド(2モーター製品)の月額レンタル最頻価格は、他社に対して25%から33%程度低い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 市場動向
(1) 高齢者の将来人口推計
高齢化が進む日本では、介護ベッド(特殊寝台)市場が安定的に拡大することが予想される。WHO(世界保健機構)の定義では65歳以上の人口が、全人口の7%を超えると「高齢化社会」、14%超になると「高齢社会」、21%超では「超高齢社会」と呼ばれる。日本は、2007年に「超高齢社会」に突入しており、2019年の高齢者の割合は28.4%に達した。日本の年間出生数は、2020年の87.2万人を含む直近3年間合計で約266万人にとどまった。1947年から1949年に生まれた「団塊の世代」の3年間の合計出生数が約806万人(年平均269万人)と直近3年間合計の約3倍に相当する。2025年になると、団塊の世代はすべて75歳以上の後期高齢者になる。第二次ベビーブーム世代となる団塊ジュニアは、1971年から1974年に生まれた。4年間の合計出生数は約800万人、年平均200万人だ。2040年には、65歳以上の高齢者となる。2019年の65歳以上の人口が3,589万人であった。将来人口推計によると、2040年に3,920万人に増加する。この間の65歳以上の人口増加率は、10%足らずだが、75歳以上の人口は、20%超の伸び率となる。
(2) 平均寿命と健康寿命
厚生労働省のデータ(2016年)によると、男性は平均寿命が80.98歳であるのに対し、健康寿命が72.14歳になる。同様に、女性では、87.14歳と74.79歳である。健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている。加齢とともに、介護給付を受ける割合が高まる。
(3) 医療・介護機能の再編(将来像)
厚生労働省の介護に関する方針は、「できる限り、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指す」とある。社会保障制度改革国民会議の「医療・介護機能の再編(将来像)」に関する資料では、介護サービス利用者数が2012年の451万人から2025年に646万人となり、195万人増加する一方で、医療サービス利用者数が133万人から111万人へと22万人減少するとの将来像を描いている。介護サービス利用者数の内訳は、在宅サービスが320万人から429万人へ109万人増、居住系サービスが33万人から68万人へ35万人増、介護施設が98万人から149万人へ51万人増となる。
(4) 介護保険による福祉用具(貸与種目)
介護保険制度のもとでは、介護ベッド(特殊寝台)や車いすのような福祉用具を使うときに、介護保険の利用ができる。特殊寝台は、サイドレールが取り付けてあるもの、または取り付け可能なものであって、背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能、または床板の高さが無段階に調整できる機能、もしくは両機能を有するものになる。特殊寝台付属品は、マットレス、サイドレール等である。
同社は、福祉用具流通市場における介護ベッドのマーケットシェアが高くなったため、製品ラインナップを拡充する成長戦略を採っている。介護ベッドに加え、付属品としてはベッド用グリップ、立ち上がりグリップ、サイドレール、ハンドグリップ、テーブル、各種マットレス、離床センサー、施設用木製家具、折りたたみ式運搬台車などを揃えている。
福祉用具をレンタルもしくは購入するときは、一定の所得がある場合を除いて費用負担は1~3割で済む。車いすや特殊寝台は、購入よりもレンタルが選択されることが多い。使用期間にもよるが、1割負担の場合は、レンタルの方がコスト的に有利である。また、メンテナンスや身体状態の変化などに応じて機種の変更が可能というメリットがある。
(5) 特殊寝台貸与件数
特殊寝台貸与件数は増加傾向にあるものの、レンタル料は下落傾向にある。2021年3月における特殊寝台貸与件数は、100万1千件と3年間で10万7千件増加した。一方、1件当たり単位数は33.9下落して842.9となった。単位は、1ヶ月にかかる福祉用具貸与の自己負担額を計算するときに使われる基準で、1単位は10円として計算される。自己負担割合が1割の場合は、単位数がそのまま自己負担額になる。価格競争力が強い同社は、競争優位性を発揮する。
(6) 市場におけるポジショニング
1996年に同社が市場に新規参入したときは、介護ベッドが数十万円で売られており、一般の人には手の届かない高額商品であった。同社は、試行錯誤の結果、コストダウンに成功し、売価が10万円を切る価格破壊的製品を投入した。単に低価格なだけでなく、高機能との両立を追求した。現在の介護用電動ベッド(2モーター製品)の月額レンタル最頻価格は、他社に対して25%から33%程度低い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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