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シンシアのニュース
*14:46JST シンシア Research Memo(6):2024年12月期はシステム事業が加わり増収、営業増益を計画
■今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
シンシア<7782>の2024年12月期の連結業績は、売上高で6,353百万円(前期比6.6%増)、営業利益386百万円(同2.5%増)、経常利益374百万円(同16.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益246百万円(同16.6%減)の見通しだ。主力のコンタクトレンズ事業は減収減益を見込むがコンサルティング事業、及び前期に子会社化したタロスシステムズのシステム事業でカバーし、増収及び営業増益とする計画だ。コンタクトレンズの自社ブランド製品は、引き続き高付加価値商品「シンシア S」シリーズの営業活動を一層強化し、売上高は前期比8.4%増の4,096百万円を見込む。加えて、インバウンド需要も取り込んでいくため、ドラッグストア向けの「Eye Well」ブランドの販促も強化していく。一方、価格競争の厳しいプライベートブランドはカラーレンズの受注が落ち込み、売上高は1,778百万円と前期比15.8%減となる見込みだ。自社ブランドの比率は69.7%と前期を5.6ポイント上回るため、売上総利益率は前期比1.8ポイント増の32.7%となり、売上総利益は同12.7%増を見込む。ただし、マーケティング活動への投資を促進するため、営業利益はほぼ前期並みを予想する。経常利益は為替差損益を見込んでいないため、前期比16.1%減となる見込みだ。また、コンサルティング事業は前期と同額の安定した売上を確保し、セグメント利益は業務の効率化により前期を上回る26百万円を見込む。タロスシステムズのシステム事業は売上419百万円、セグメント利益42百万円と収益に貢献する予想だ。
2023年末には米国の金利低下から円高に進むと予想されていた為替も、2024年に入ると米国景気の強さから再び円安が進行し、業績予想へのマイナスの影響も想定される状況にある。しかし、同社では米ドル建て仕入価格の継続した引き下げ交渉を進めており、為替のヘッジも適切に実施していることから、十分に達成できる計画であると弊社では判断している。
2. 重点施策
同社は2024年12月期の計画を達成するため、「自社商品の売上拡大」「会員組織の構築」「M&Aの推進・収益性向上」の3つの重点施策を掲げている。
(1) 自社商品の拡大
消費者が眼科医の処方箋を持ち込む処方施設への営業を強化し、同社の主力商品でもある「シンシア S」シリーズを拡販する計画だ。処方施設のターゲットは主にコンタクト専門量販店となる。また、インバウンド需要を狙って、ドラッグストア向けのブランド「Eye Well」の販促により認知度を向上させていく予定だ。同社では、ドラックストア市場での独占販売契約を締結している卸売りの大木と協力して、地域を絞ったマーケティング、販促活動の展開を検討している。大木とは2022年2月にドラッグストア市場での拡販のために「2week Eye Well」の独占販売契約を締結したことで、2022年12月期は取扱店舗数が急増し、売上高も前期比38.9%増となった実績があり、成果が期待されるところだ。また、ECサイトでの販売も、ECサイト専用ブランドとして2022年2月に発売したシリコーンハイドロゲル素材のクリアレンズ「pranaire 1day」の拡販を進めていく予定だ。子会社のジェネリックコーポレーションが展開するWeb通販サイト「みんなのコンタクト」での直販や、ECサイトに出店する小売店舗への卸売りを強化していくことが期待される。また、業界内では遠近両用、装着による角膜補正など機能性を高めた商品を開発しているが、同社においても機能性を高めた商品の開発を課題としており、検討が進むことを期待したい。
(2) 会員組織の構築
現在、子会社カラコンワークスの直販サイト「FAIRY REPUBLIC」では、会員制のポイントプログラムを実施しているが、社内では他のチャネルでの会員制度の構築を検討しているようだ。特定の販売チャネルと当該チャネルで展開するブランドに絞った会員制度となる見通しだ。2024年12月期にスタートし、最終的には全ブランド共通での会員制度につなげていくことになろう。同社の「シンシア」シリーズの好調な販売を背景に、ドラッグストア、ECサイトなど各販売チャネルでの同社商品の認知度も向上しており、他の販促強化策と併せて、会員制度における顧客の囲い込み、定着化が期待される。
(3) M&Aの推進・収益性向上
2024年12月期は、医療脱毛クリニックのコンサルティング事業及びタロスシステムズのPOSシステム事業の成長を図るとともに、引き続き積極的にM&A案件の掘り起こしを進め、事業領域の拡大を目指す。ただし、同社においては、コンタクトレンズ製造工場やコンタクトの小売業など、本業に関連する事業も含めて、幅広く案件を検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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1. 2024年12月期の業績見通し
シンシア<7782>の2024年12月期の連結業績は、売上高で6,353百万円(前期比6.6%増)、営業利益386百万円(同2.5%増)、経常利益374百万円(同16.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益246百万円(同16.6%減)の見通しだ。主力のコンタクトレンズ事業は減収減益を見込むがコンサルティング事業、及び前期に子会社化したタロスシステムズのシステム事業でカバーし、増収及び営業増益とする計画だ。コンタクトレンズの自社ブランド製品は、引き続き高付加価値商品「シンシア S」シリーズの営業活動を一層強化し、売上高は前期比8.4%増の4,096百万円を見込む。加えて、インバウンド需要も取り込んでいくため、ドラッグストア向けの「Eye Well」ブランドの販促も強化していく。一方、価格競争の厳しいプライベートブランドはカラーレンズの受注が落ち込み、売上高は1,778百万円と前期比15.8%減となる見込みだ。自社ブランドの比率は69.7%と前期を5.6ポイント上回るため、売上総利益率は前期比1.8ポイント増の32.7%となり、売上総利益は同12.7%増を見込む。ただし、マーケティング活動への投資を促進するため、営業利益はほぼ前期並みを予想する。経常利益は為替差損益を見込んでいないため、前期比16.1%減となる見込みだ。また、コンサルティング事業は前期と同額の安定した売上を確保し、セグメント利益は業務の効率化により前期を上回る26百万円を見込む。タロスシステムズのシステム事業は売上419百万円、セグメント利益42百万円と収益に貢献する予想だ。
2023年末には米国の金利低下から円高に進むと予想されていた為替も、2024年に入ると米国景気の強さから再び円安が進行し、業績予想へのマイナスの影響も想定される状況にある。しかし、同社では米ドル建て仕入価格の継続した引き下げ交渉を進めており、為替のヘッジも適切に実施していることから、十分に達成できる計画であると弊社では判断している。
2. 重点施策
同社は2024年12月期の計画を達成するため、「自社商品の売上拡大」「会員組織の構築」「M&Aの推進・収益性向上」の3つの重点施策を掲げている。
(1) 自社商品の拡大
消費者が眼科医の処方箋を持ち込む処方施設への営業を強化し、同社の主力商品でもある「シンシア S」シリーズを拡販する計画だ。処方施設のターゲットは主にコンタクト専門量販店となる。また、インバウンド需要を狙って、ドラッグストア向けのブランド「Eye Well」の販促により認知度を向上させていく予定だ。同社では、ドラックストア市場での独占販売契約を締結している卸売りの大木と協力して、地域を絞ったマーケティング、販促活動の展開を検討している。大木とは2022年2月にドラッグストア市場での拡販のために「2week Eye Well」の独占販売契約を締結したことで、2022年12月期は取扱店舗数が急増し、売上高も前期比38.9%増となった実績があり、成果が期待されるところだ。また、ECサイトでの販売も、ECサイト専用ブランドとして2022年2月に発売したシリコーンハイドロゲル素材のクリアレンズ「pranaire 1day」の拡販を進めていく予定だ。子会社のジェネリックコーポレーションが展開するWeb通販サイト「みんなのコンタクト」での直販や、ECサイトに出店する小売店舗への卸売りを強化していくことが期待される。また、業界内では遠近両用、装着による角膜補正など機能性を高めた商品を開発しているが、同社においても機能性を高めた商品の開発を課題としており、検討が進むことを期待したい。
(2) 会員組織の構築
現在、子会社カラコンワークスの直販サイト「FAIRY REPUBLIC」では、会員制のポイントプログラムを実施しているが、社内では他のチャネルでの会員制度の構築を検討しているようだ。特定の販売チャネルと当該チャネルで展開するブランドに絞った会員制度となる見通しだ。2024年12月期にスタートし、最終的には全ブランド共通での会員制度につなげていくことになろう。同社の「シンシア」シリーズの好調な販売を背景に、ドラッグストア、ECサイトなど各販売チャネルでの同社商品の認知度も向上しており、他の販促強化策と併せて、会員制度における顧客の囲い込み、定着化が期待される。
(3) M&Aの推進・収益性向上
2024年12月期は、医療脱毛クリニックのコンサルティング事業及びタロスシステムズのPOSシステム事業の成長を図るとともに、引き続き積極的にM&A案件の掘り起こしを進め、事業領域の拡大を目指す。ただし、同社においては、コンタクトレンズ製造工場やコンタクトの小売業など、本業に関連する事業も含めて、幅広く案件を検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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