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*15:33JST 平山 Research Memo(3):製造業向けを中心としたインソーシング・派遣事業が売上高の約8割を占める主力事業
■事業概要
1. 事業内容
平山ホールディングス<7781>の事業は、製造業を主力顧客としたインソーシング・派遣事業、開発設計技術者等の派遣を行う技術者派遣事業、タイにおける製造派遣を主とした海外事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2023年6月期のセグメント別構成比を見ると、インソーシング・派遣事業が売上高の79.8%、セグメント利益の80.5%を占める主力事業となっている。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業は、製造業向けを中心に事業を拡大してきたが、2018年にFUN to FUNを子会社化したことで、小売業やサービス業(外食・宿泊・物流等)向けにも事業領域を拡大している。請負比率は2022年6月期で約4割と前期の約5割から低下したが、これは新規顧客の獲得件数が増加したことによる※1。製造請負では、平山に所属する現場改善コンサルタント※2と連携して生産性向上やコスト削減の取り組みを進めるなど、他社にはないサービスを提供することで差別化を図っている。
※1 新規顧客については派遣契約からスタートし、その後請負契約に切り替えていくケースが多い。このため、新規顧客獲得が多いときは請負比率が低下する傾向にある。
※2 大手製造企業等の製造現場で改善活動に長年従事してきた経験者等で構成されており、顧客視点で問題点を改善し、技術・品質・コスト面で競争力の向上を図り、生産性の高い製造現場構築に努めている。現在、正社員で5名、パートナーとして30名程度のコンサルタントが従事している。
製造請負のビジネスモデルは、成果物に対して発注者から報酬が支払われる契約であるため、売上高は成果物単価×生産個数(製造設備は取引先(メーカー)から賃貸)で決まる仕組みとなっている。このため、現場改善の取り組みにより生産性向上を図り、製造コストを引き下げることができれば利益率が上昇し、逆に生産性が想定を下回れば利益率も低下する。また、元請企業の事業環境の変化によって発生する生産動向の変化(増産・減産)も変動要因となる。一方、派遣サービスの売上高は派遣人数×時給×労働時間で決まるため、利益率がほぼ一定水準で安定する反面、競合他社との差別化が難しくなる。
顧客業種別売上構成比の推移を見ると、自動車部品、医療機器・医薬品、食品の3業種で全体の約6割を占め、建設機器・特殊車輛、デジタル関連(オフィス機器、家電、電子印刷等)、小売り・ホテル、住宅設備、物流、半導体・電子部品と幅広い業種に展開している。業種別の主要顧客を見ると、自動車部品はトヨタ自動車<7203>グループやSUBARU<7270>グループ、医療機器・医薬品はテルモ、食品はコンビニエンスストア向け中食ベンダーであるフジフーズ(株)、オフィス機器はリコー<7752>グループ、小売はイオン<8267>グループで都市型小型食品スーパーマーケット「まいばすけっと」を運営するまいばすけっと(株)、住宅設備はLIXIL<5938>グループ、TOTO<5332>グループ等が挙げられる。このうち、食品、小売・ホテル、物流業界はFun to Fun展開しており、その他は平山で展開している。2023年6月期における取引稼働社数は703社(前期698社)で、うち平山の新規売上獲得企業数は215社(同197社)となっている。
(2) 技術者派遣事業
トップエンジニアリングが主に展開する技術者派遣事業では、宇宙航空・自動車・鉄道・プラント・家電・精密機器など幅広い分野のメーカーに対して、設計・開発や評価・解析等を行うエンジニアの派遣を行っているほか、データセンター向けITエンジニアの派遣も行っている。2023年6月期における取引稼働社数は123社(前期は116社)、技術者の期末在籍数は495名(同430名)といずれも過去最高を更新した。
(3) 海外事業
海外事業の売上の大半は、タイにおける現地日系企業向けの製造派遣事業で占めている。国内と同様、現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、現場改善を行うことができる製造派遣会社として顧客の開拓を進めている。製造派遣事業はJSHRで、コンサルティング業務や外国人労務管理サービスなど高収益事業については平山タイで展開している。海外事業については損失が続いてきたが、取引先企業の見直しや業務効率の改善に取り組んだことによって、2022年6月期から黒字に転換している。
(4) その他事業
その他事業は、コンサルティング事業、外国人雇用管理サポート事業、有料職業紹介事業、障がい福祉サービス業のほか、2018年に子会社化した平和鉄工所による機械・機具の製作・修理事業や、2019年に子会社化した大松サービシーズの自動車整備、介護事業などが含まれている。
コンサルティング事業では、製造現場における生産性向上を目的としたコンサルティングサービスのほか、海外メーカーの管理職に対して日本国内の製造現場見学と研修サービスを合わせたスタディツアー等のサービスを企画・提供している。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)でスタディツアーはストップしていたが、Webセミナーを開催するなど様々な国からの見込み顧客開拓に取り組み、2022年9月からはスタディツアーも再開した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 事業内容
平山ホールディングス<7781>の事業は、製造業を主力顧客としたインソーシング・派遣事業、開発設計技術者等の派遣を行う技術者派遣事業、タイにおける製造派遣を主とした海外事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2023年6月期のセグメント別構成比を見ると、インソーシング・派遣事業が売上高の79.8%、セグメント利益の80.5%を占める主力事業となっている。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業は、製造業向けを中心に事業を拡大してきたが、2018年にFUN to FUNを子会社化したことで、小売業やサービス業(外食・宿泊・物流等)向けにも事業領域を拡大している。請負比率は2022年6月期で約4割と前期の約5割から低下したが、これは新規顧客の獲得件数が増加したことによる※1。製造請負では、平山に所属する現場改善コンサルタント※2と連携して生産性向上やコスト削減の取り組みを進めるなど、他社にはないサービスを提供することで差別化を図っている。
※1 新規顧客については派遣契約からスタートし、その後請負契約に切り替えていくケースが多い。このため、新規顧客獲得が多いときは請負比率が低下する傾向にある。
※2 大手製造企業等の製造現場で改善活動に長年従事してきた経験者等で構成されており、顧客視点で問題点を改善し、技術・品質・コスト面で競争力の向上を図り、生産性の高い製造現場構築に努めている。現在、正社員で5名、パートナーとして30名程度のコンサルタントが従事している。
製造請負のビジネスモデルは、成果物に対して発注者から報酬が支払われる契約であるため、売上高は成果物単価×生産個数(製造設備は取引先(メーカー)から賃貸)で決まる仕組みとなっている。このため、現場改善の取り組みにより生産性向上を図り、製造コストを引き下げることができれば利益率が上昇し、逆に生産性が想定を下回れば利益率も低下する。また、元請企業の事業環境の変化によって発生する生産動向の変化(増産・減産)も変動要因となる。一方、派遣サービスの売上高は派遣人数×時給×労働時間で決まるため、利益率がほぼ一定水準で安定する反面、競合他社との差別化が難しくなる。
顧客業種別売上構成比の推移を見ると、自動車部品、医療機器・医薬品、食品の3業種で全体の約6割を占め、建設機器・特殊車輛、デジタル関連(オフィス機器、家電、電子印刷等)、小売り・ホテル、住宅設備、物流、半導体・電子部品と幅広い業種に展開している。業種別の主要顧客を見ると、自動車部品はトヨタ自動車<7203>グループやSUBARU<7270>グループ、医療機器・医薬品はテルモ、食品はコンビニエンスストア向け中食ベンダーであるフジフーズ(株)、オフィス機器はリコー<7752>グループ、小売はイオン<8267>グループで都市型小型食品スーパーマーケット「まいばすけっと」を運営するまいばすけっと(株)、住宅設備はLIXIL<5938>グループ、TOTO<5332>グループ等が挙げられる。このうち、食品、小売・ホテル、物流業界はFun to Fun展開しており、その他は平山で展開している。2023年6月期における取引稼働社数は703社(前期698社)で、うち平山の新規売上獲得企業数は215社(同197社)となっている。
(2) 技術者派遣事業
トップエンジニアリングが主に展開する技術者派遣事業では、宇宙航空・自動車・鉄道・プラント・家電・精密機器など幅広い分野のメーカーに対して、設計・開発や評価・解析等を行うエンジニアの派遣を行っているほか、データセンター向けITエンジニアの派遣も行っている。2023年6月期における取引稼働社数は123社(前期は116社)、技術者の期末在籍数は495名(同430名)といずれも過去最高を更新した。
(3) 海外事業
海外事業の売上の大半は、タイにおける現地日系企業向けの製造派遣事業で占めている。国内と同様、現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、現場改善を行うことができる製造派遣会社として顧客の開拓を進めている。製造派遣事業はJSHRで、コンサルティング業務や外国人労務管理サービスなど高収益事業については平山タイで展開している。海外事業については損失が続いてきたが、取引先企業の見直しや業務効率の改善に取り組んだことによって、2022年6月期から黒字に転換している。
(4) その他事業
その他事業は、コンサルティング事業、外国人雇用管理サポート事業、有料職業紹介事業、障がい福祉サービス業のほか、2018年に子会社化した平和鉄工所による機械・機具の製作・修理事業や、2019年に子会社化した大松サービシーズの自動車整備、介護事業などが含まれている。
コンサルティング事業では、製造現場における生産性向上を目的としたコンサルティングサービスのほか、海外メーカーの管理職に対して日本国内の製造現場見学と研修サービスを合わせたスタディツアー等のサービスを企画・提供している。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)でスタディツアーはストップしていたが、Webセミナーを開催するなど様々な国からの見込み顧客開拓に取り組み、2022年9月からはスタディツアーも再開した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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