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アイナボホールディングスのニュース
*14:31JST アイナボHD Research Memo(1):2023年9月期は増収も、一部部材の価格上昇により営業減益
■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社7社、非連結子会社6社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング(外壁材)等の外壁工事、システムキッチンなどの各種水回り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-長期・短期借入金)は9,783百万円(2023年9月期末)と豊富であり、バランスシートは強固である。
1. 2023年9月期の業績概要
2023年9月期の連結業績は、売上高86,085百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,770百万円(同6.8%減)、経常利益2,068百万円(同4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,274百万円(同22.7%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きくなっているのは、前期に新規連結子会社の負ののれん発生益328百万円を特別利益として計上したためである。セグメント別では、戸建住宅事業はリフォーム需要が回復したことなどから増収となったが、一部の部材価格上昇の価格転嫁が進まず減益となった。大型物件事業は前期に落ち込んだ反動に加えて、利益率の高い物件を受注できたことなどから増収増益となった。売上総利益率は13.8%(前期は14.2%)と前期比0.4ポイント減少したが、一部部材の価格上昇に対して価格転嫁が追いつかなかったことによる。一方で、販管費は物流コストの上昇、インフレ手当や賞与の支給額の増加、一部の原価相当分の販管費繰り入れなどにより同8.3%増となったことから、営業利益は減益となった。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期は売上高で92,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益で2,100百万円(同18.6%増)、経常利益で2,300百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,450百万円(同13.8%増)と予想している。住宅市場の先行きは依然不透明であるが、新規顧客の積み上げなどで主力の戸建住宅事業は増収増益を目指す。一方で、大型物件事業も足元の受注が堅調に推移していることから増収増益を計画している。全体として増収増益を見込んでいるが、住宅市場の先行きの不透明感もあり必ずしも堅めの予想とは言えない。今後の動向は注視する必要がある。
3. 新中期経営計画
同社は、2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表している。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げている。株主還元については配当性向30%を目途としており、2023年9月期は年間44.0円を実施した。2024年9月期も年間44.0円配当(予想配当性向35.1%)を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・住宅市場は先行き不透明だが、2024年9月期の営業利益は前期比18.6%増益予想
・中期経営計画の目標は2025年9月期に売上高970億円、営業利益率2.6%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社7社、非連結子会社6社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング(外壁材)等の外壁工事、システムキッチンなどの各種水回り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-長期・短期借入金)は9,783百万円(2023年9月期末)と豊富であり、バランスシートは強固である。
1. 2023年9月期の業績概要
2023年9月期の連結業績は、売上高86,085百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,770百万円(同6.8%減)、経常利益2,068百万円(同4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,274百万円(同22.7%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きくなっているのは、前期に新規連結子会社の負ののれん発生益328百万円を特別利益として計上したためである。セグメント別では、戸建住宅事業はリフォーム需要が回復したことなどから増収となったが、一部の部材価格上昇の価格転嫁が進まず減益となった。大型物件事業は前期に落ち込んだ反動に加えて、利益率の高い物件を受注できたことなどから増収増益となった。売上総利益率は13.8%(前期は14.2%)と前期比0.4ポイント減少したが、一部部材の価格上昇に対して価格転嫁が追いつかなかったことによる。一方で、販管費は物流コストの上昇、インフレ手当や賞与の支給額の増加、一部の原価相当分の販管費繰り入れなどにより同8.3%増となったことから、営業利益は減益となった。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期は売上高で92,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益で2,100百万円(同18.6%増)、経常利益で2,300百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,450百万円(同13.8%増)と予想している。住宅市場の先行きは依然不透明であるが、新規顧客の積み上げなどで主力の戸建住宅事業は増収増益を目指す。一方で、大型物件事業も足元の受注が堅調に推移していることから増収増益を計画している。全体として増収増益を見込んでいるが、住宅市場の先行きの不透明感もあり必ずしも堅めの予想とは言えない。今後の動向は注視する必要がある。
3. 新中期経営計画
同社は、2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表している。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げている。株主還元については配当性向30%を目途としており、2023年9月期は年間44.0円を実施した。2024年9月期も年間44.0円配当(予想配当性向35.1%)を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・住宅市場は先行き不透明だが、2024年9月期の営業利益は前期比18.6%増益予想
・中期経営計画の目標は2025年9月期に売上高970億円、営業利益率2.6%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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